the everlasting tea party 3
その家は、とても変わっていた。
屋根から煙突が二本突き出て、耳のような形になっている。
その屋根は、黒い毛皮でふかれていた。
「やっと着いたな。」
俺が呟くと、詩織は項垂れた。
「うう…、ごめんなさい。物語ではすぐに着いていたんで、適当に歩けば見つかるかと思って…。」
やべえ、なんか落ち込ませちまった。
「気にすんな、嬢ちゃん。誰にだって失敗はあるさ。」
「そうですよ、詩織ちゃん。次頑張ればいいんですよ。」
弾正さんと鎧坂は素早く詩織をフォローする。
「本当に荒木は無神経。」
『最低だねー。』
鞘華とリョウは素早く俺を貶す。
「ぐっ…。…すまん、今のは確かに俺が悪かった。」
俺は素直に自分の非を認め、詩織に謝った。
「いえ、そんなっ。悪いのは私です。こちらこそごめんなさい。」
詩織も謝り返してくる。
「ああー。もう、やめやめ!そんな不毛な謝り合いなんかやめて、先のことを考えよう。」
弾正さんがそれを仲裁する。
「それもそうだな。よし、詩織。この後なにか気を付けることはあるか?」
「そうですね。みんなの話を聞いていると、もし帽子屋さんたちにも黒い錠前と鎖が取り付けられているとしたら、その性格や性質は物語より凶暴に変化していて、きっと私たちを見たら襲い掛かってくると思います。」
まあ、そうなるわな。今までのことを考えると、その三人のキャラクターたちとも戦うことになるだろう。
「たとえそうでもやることは決まっている。立ちふさがる敵は切り捨てるだけ。」
『いや、鞘華ー、切り捨てちゃダメだよー。ちゃんと錠前と鎖だけを壊してねー。』
「むう、リョウ君がそう言うなら…。」
銀雪を抜きながら物騒なことを言う鞘華を、リョウが諌める。
「でもよー、確かに姉ちゃんの言う通り、結局打って出て戦うしかないんじゃねーか?遠回りして先に進むってわけには行かないんだし。」
「はい、私も三月ウサギの家から次の場所へどう行けばいいのかは分かりません。帽子屋さんたちに正気に戻ってもらって、聞くしかないんです。だから戦うことは避けられません。」
でも、と詩織は続ける。
「戦わなくちゃいけないことが未然に分かっているなら、いろいろと出来ることがあるんです。私の文字魔法を使えば。」




