the girl in braids and word magic 2
「よし、全員回復したな。早く先に行って、アリスを探そうぜ。」
俺は先を急ごうとしたが。
「ちょっと待ってもらっていいですか?」
詩織から待ったがかかる。
「なんだ、詩織さん?」
「詩織でいいですよ。実はさっきのやつ、結構体力と精神力使うんですよ。ちょっと休憩させてください。」
そう言って、詩織はその場に座り込んだ。
「あ、そうだったのか。すまん、気付かなくて。」
「荒木はたいてい気が利かない。」
「ぐ…。」
またしても鞘華が俺の精神を潰しにくる。
『ねえー、僕のことも紹介してよー。もうハンマーからもとに戻ってもいいでしょー。』
あ、またリョウのこと忘れてた。
「わっ、ハンマーから声が!」
詩織が驚く。
「ああ、戻っていいぞ。」
『うん、分かったー。』
リョウは、黒いハンマーからもとの赤い小竜の姿に戻り、俺の肩に乗る。
「こいつはリョウ。俺の力というか、武器、兼相棒だ。」
『よろしくね、詩織ー。』
「かわいいー!」
詩織が思わずと言った感じで叫ぶ。
お前も鞘華と一緒か。
「ダメ、リョウ君は私の。」
鞘華がすばやく俺の肩からリョウを引っぺがして、胸元に抱く。
鞘華、どっちかといえばリョウは俺のだ。
「えー!私もリョウ君可愛がりたいです!」
「なら半分こということで。」
「ならそれで手をうちましょう!」
『やめてええええ!!』
リョウはあっと言う間に二人にもみくちゃにされる。
…あの、そういうことは飼い主の許可を取ってやってください。
数分後、二人はやっと満足したのかリョウが返却された。
リョウの目は完全に死んでいた。
哀れ、リョウ。強く生きろ。
「ふう、大分疲れが取れましたー。そうだ!今のうちに、私と会うまでみんなどうしていたのか教えてください。原作を読んだことのある私なら、もしかしたら分かることもあるかもしれませんし。」
妙にすっきりした顔で詩織が言う。
詩織、お前一体リョウになにをした。
藪蛇だから聞かないけど。
「そうだな。俺たちは読んだことがないからな。」
俺たちにわからなくても、詩織なら分かることがあるだろう。
詩織が回復し終えるまで、俺たちは自分たちの経験を照らし合わせるのに専念することにした。




