the girl in braids and word magic 1
「あっ。みんな、大丈夫ですか?!」
少女は俺たちの方へ駆け寄ってくる。
「いててて…。ああ、大丈夫だよ、嬢ちゃん。あちこち痛いけど、怪我はないから。」
弾正さんはなんとか立ち上がって言った。
「俺も大丈夫だ。」
「私も。」
「ボクも怪我はないけれど、痛いですし疲れましたー。休みましょうよー。」
「中坊はもう少しシャキッとしろ。まだ若いだろ。」
俺たちも続々と起き上がり始める。
みんな、大した怪我がなくて本当に良かった。
「そうですか?でも一応、文字魔法使っておきますね。」
「なあ、さっきも言ってたけど、文字魔法ってなんだ?」
魔法って…。
「あ、それ。オレも気になった。さっきやられそうになったとき、急に体が何かに包まれる感じがして、そしたらあのネコの攻撃が勝手に弾かれたんだよな。あれが、その文字魔法ってやつなのか?」
弾正さんも三つ編みの少女に尋ねる。
「まあまあ、見ていてください。あっ、私の名前は万城詩織です。中学一年生です。詩織って呼んでください。」
そう言うと、詩織は大きな万年筆の先を地面につけ、動かし始める。
すると、ペン先が白く輝き、地面をなぞった跡に白い線が浮かんでいく。
「よし、書けました。」
地面に浮かんだのは、白く輝く四つの『治癒』という文字。
「じゃあ行きますよー。文字魔法、治癒!」
詩織がそう唱えると、四つの文字が小さな白い玉となり、俺、弾正さん、鞘華、鎧坂の方へそれぞれ飛んでいき、消えた。
すると、体を急に何か温かいものに包まれる感覚がする。
「うおっ?!」
「キャッ?!」
「へっ?!」
「お、この感じは…。」
その感覚が消えた時、俺たちの体の痛みも疲れも、きれいさっぱり無くなっていた。
「おおー、すげー。ありがとな。俺は荒木龍太。よろしく。」
「ありがとう。私は鞘華。高二。」
「まじすごいですね!今のもう一回やってください!あっ、ボクは鎧坂空です。中三です。」
「さっきも今もありがとな。オレは弾正忠志だ。見ての通りおっさんのサラリーマンだ。よろしく。
あと中坊、調子乗るとしめるぞ。」
「ヒッ…。すんません。」
相変わらず、弾正さんは鎧坂に厳しいな…。




