the disappearing smirk and encounter 7
「弾正さん!大丈夫か!」
俺たちは弾正さんの元に駆け寄る。
「…っげほ、げほ。ああ、なんとかな。オレのことはいいから、気を付けろ!」
「あっ、ああ!」
俺たちは倒れた弾正さんを囲むようして、武器を構える。
チェシャーネコはゆっくりとこちらに近づいて来る。
「…くっ…。」
「ど、どうするんですか!このままじゃやられますよ!」
「うるせえ、鎧坂!今考えてるよ!」
本当にどうする?!鎧坂の言う通り、このままじゃ全滅だ。
そうしている間にも、チェシャーネコと俺たちの距離はどんどん狭まっていく。
『く、来るよ!』
そして次の瞬間、チェシャーネコの姿が消えた。
現れたのは、鎧坂の目の前。
「うわっ!空虚!トランスフォーム、ロボットスーツ!」
鎧坂は鎧を展開するが。
「ニャアアアアアア!」
「うわああああ!」
「鎧坂!」
尻尾の一振りで、鎧ごと吹っ飛ばされた。
次いで転移した先は鞘華の後ろ。
「くっ!はあああっっっ!」
「シャアアアアアア!」
驚異の反射神経で背後からの一撃を刀で受け止めた鞘華は、そのまま尻尾と鎖のラッシュを次々とさばいて行く。
だが。
チェシャーネコはにやりと口を歪めると、そのまま再び鞘華の後ろに転移し。
「かはっ!」
「鞘華!」
前脚を背中に叩き付け、転がした。
「く…、うおおおおおおおおお!」
『龍太!ダメ!』
堪らず俺はチェシャーネコ目掛けて突っ込むが。
「ニイイイイイイイイイイ!」
「ぐはあ!!」
俺の背後に転移したチェシャーネコに、あっけなく尻尾で地面に叩き付けられた。
「…ぐう…う…。」
全身に痛みが走る中、なんとか顔を上げた俺が目にしたのは、地面に倒れ伏す仲間たちと、それに迫るチェシャーネコ。
「や、やめろ…。」
チェシャーネコは弾正さんの前に立つと、鋭い爪をゆっくり振り上げる。
「やめろおおおおおおおおおおお!」
そしてそれを、弾正さんに突き立てんと振り下ろそうとして。
「文字魔法、守護!」
「…!」
「なっ!」
見えない障壁に、弾かれた。
「大丈夫ですか、みんな!」
そう言って森の奥から飛び出して来たのは、巨大な白い万年筆を持つ、三つ編みの少女だった。




