the quick piglet and a warning 2
「いよっしゃー!!ついに一人で対処できたぞー!!」
鎧坂は小躍りして喜ぶ。
ちょっと大げさだろ。
「…うっぜ。」
弾正さん、銃出すのはやめて。危ないから。
「弾正、撃っちゃダメ。」
ナイスだ、鞘華。
「撃ちゃあしねえよ。どつくだけだ。」
「ならばよし。」
GOサインだしちゃった!?
弾正さんが鎧坂を銃身でどつきまくり、鎧坂が逃げ回り、鞘華がそれを煽りまくる。
そんなカオスな構図を、俺は若干の疎外感を感じながら見ていた。
『龍太のボッチー。』
「お前はなんでそんなに俺を貶すの好きなんだ。」
『真実を言っただけだよー。』
おいこら。
その時、俺は背中をチョイチョイとつつかれる。
「あん?」
振り返れば、そこには鎧坂の鎧、千手観音像バージョン。
「うおっ!」
驚いて鎧坂のほうを見るが、当の本人は弾正さんから逃げるのに必死で、とても鎧を操って俺を驚かそうとした様子はない。
白い観音像は、俺の方に先ほどの子豚を差し出してくる。
「あ、どうも。」
俺が子豚を受け取ると、鎧は一礼して消えていった。
…今のは何だったんだろうか。
「ぶう…、ぶう…。」
腕のなかの子豚を見ると、先ほどまで短い脚で駆けずり回って疲れたのか、鼻提灯を膨らませながら寝ている。
…超和むわー。
『かわいいねー。』
「しー、静かにな。起こしちまうだろ。」
『そうだね…。静かに静かに…。』
俺とリョウは腕の中でスヤスヤ眠る子豚を見ながら、暴れまわる他三人を放っておいて、ずっとほっこりしていた…
…かったんだが、子豚に気付いた鞘華に即行で奪われた。残念…。
「…可愛い。」
『でしょー。』
「ぶう…、ぶう…。」
「寝息がチャームポイント。」
『鼻提灯もかわいーと思うよー。』
「同感。」
リョウはさっさと俺の肩から鞘華の頭へと移動して、引き続き子豚を見ている。
俺も見たいんだが、俺が子豚を奪うとでも思っているのか鞘華が見せてくれない。
無念…。
俺が一人で肩を落としていると、再び背中をつつかれた。
「へっ?」
また鎧かと思って振り返ると、そこにはカエルが立っていた。
あ、存在忘れてた。




