empty armor in front of the crazy house 4
「…で、なにか言うことは?」
「調子に乗ってすみませんでした。」
鎧坂空と名乗るその少年は、現在弾正さん指導の下、俺たちに土下座を披露中だ。
ちょっとやりすぎだと思う、言わないけど。
弾正さんのニコニコ笑顔が怖く感じる。
「いやー、久しぶりに他の人と会ったもんだからテンションが無駄に上がりまして。流石にさっきのはなかったですね。面目ありません。」
アイアンクローでクールダウンしたのか、鎧坂の雰囲気は少し大人しめなものになった。
おそらくこちらが本来の彼に近いのだろう。
「で、みなさんもあの変なメールを受け取ったらこうなっちゃった口ですか?」
「ああ、そうだ。俺は荒木龍太。よろしくな。」
「私は鬼頭鞘華。苗字嫌いだから鞘華って呼んで。」
「オレは弾正忠志だ。」
「改めまして、鎧坂空です。よろしくお願いします、荒木先輩、鞘華先輩、弾正先輩。」
そう言って、鎧坂は再び土下座をした。
いや、もう土下座はいいよ。
「ところで荒木先輩、さっきからずっと気になっていたことがあるんですが。」
「お、おう。なんだ?」
突然、鎧坂が勢いよく聞いて来て俺は若干ビビる。
「その、肩の上に乗ってる小さなドラゴンっぽい生き物はなんですか?」
そういやリョウのことを説明してなかったな。
『初めましてー。リョウだよー。』
「こちらはリョウ君。荒木の武器でもある。あなたは敬意を込めてリョウさんと呼ぶように。」
「っはい!鞘華先輩。よろしくお願いします、リョウさん。」
鞘華、何故お前が紹介する。リョウさんってなんだ?
そして鎧坂、何故お前はそれで納得する?
「で、中坊。お前のその鎧っぽいのはなんだ?」
弾正さん、鎧坂のことは中坊呼びで確定したんすか。
「はい、こいつはボクが試練を乗り越えたときに手に入れた力で、名前を『空虚』っていいます。見ての通りの鎧で、遠くから自由に操作できます。」
そう言って、鎧坂は自分の鎧を自由に操って見せる。
「なんか、さっき戦っていた時よりも動きが良くなっていないか。」
「ああー。さっきは距離が離れていましたからね。上手く操れないうえに、強さも半減していたんです。」
それでさっきはあんなに苦戦していたのか。
「…その鎧着て戦ったらいいんじゃない?」
「嫌ですよ。それならかなり安全かつ上手く戦えたかもしれませんが、怖いじゃないですか。」
とんだヘタレだった。
俺たちの向ける視線があまりにも痛かったのか、鎧坂は鎧を消して、慌てて立ち上がる。
「さ、さーて、もう十分話もしましたし、そろそろそこのカエルと魚起こしましょうか。」
カエルと魚の元へと走って行った。
「話反らしたな…。ま、いっか。」
俺たちも、鎧坂の後を追った。




