the big caterpillar in the mushroom grove 3
キノコの森の中を歩き続けること数分。
俺たちは、一際大きなキノコの根本へと辿り着いた。
背が高すぎて、傘の上が全く見えそうにない。
「しかしでっかいキノコだなー。リョウ、ちょっと食ってみろよ。」
『えー、やだよー。どう見ても毒キノコじゃん。』
「言い出した荒木が食うべき。」
「俺だっていやだよ。じゃあ、弾正さん食べてみてくれよ。」
「おう、いいぜ。」
いいのかよ!
「じゃ、いただきまーす。」
『「「やめてー!!!」」』
自分たちでいいながら、俺たちはキノコに齧りつこうとする弾正さんを必死で止める。
「お、意外といける。」
『「「ぎゃー!!!」」』
そんなアホなことをやりながら進んでいると、ふと鞘華が呟いた。
「…おかしい。」
「えっ、なにがだよ?」
「この景色、見覚えがある。」
言われてい見れば、そんな気がしないでもないが…。
「おいおい、姉ちゃん。こんなキノコだらけなんだから見覚えがある気がするだけじゃねーの?オレたちは確かにまっすぐ進んでんぜ?」
「ならいいのだけど…。」
そう言いながらも、納得していない様子の鞘華。
しばらく進むと、突然弾正さんが呟きだした。
「…どうやら姉ちゃんが正しかったみたいだな。」
「弾正さん?」
「もっとさきに進めば兄ちゃんたちにも分かるよ。」
その言葉の意味は、すぐに分かった。
俺たちの前方に、見覚えのある一際巨大なキノコが再び現れたのだ。
「どういうことだよ?さっきまで俺たち、このキノコに背を向けて進んでたよな。」
『分かんないねー。でも、同じくらいくらいおっきなキノコがもう一本生えてただけじゃないのー。』
「それはない。ほら、ここ。」
そう言って鞘華が指さした先には。
「弾正がさっき齧った跡。」
『「ああー。」』
まさかここでさっきのが役に立つとは…。
「お、本当だ。どれ、もう一口…。」
チャキ…。
「…弾正。」
「分かった分かった。食べないから。姉ちゃん、刀の先、首にあてるのやめてくれ。」
こえーよ、鞘華。ずっと無表情なのがさらに恐ろしいし。
『僕、ちょっと上まで行って周り見渡してくるー。』
「おう、頼むわリョウ。」
「気を付けて、リョウ君。」
リョウは翼を広げて俺の肩から飛び立ち、巨大キノコの上へと飛んでいく。
キノコの笠の上へと辿り着くと、そこに降り立って辺りを見渡した。
『あ、あっちに小さな家が見えるよー。』
「良し、分かった。あっちだな。もういいぞ、リョウ。下りて来い。」
「はーい。」
その瞬間だった。
突如どこからか糸が伸びてきて、リョウの体に絡みつく。
「な、リョウ!」
「リョウ君!」
「チビ!」
『うわあああ、なんなのー。』
リョウはそのまま引っ張られていく。
その先には。
「ケヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…。
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス…。」
不気味に笑い続ける、巨大な青虫がいた。




