the big caterpillar in the mushroom grove 1
とても長い距離を走り続けて、遠くで巨犬が丸太と戯れているであろう轟音が聞こえなくなって、俺たちはやっと巨犬を撒けたと確信できた。
もしあんな遊びに巻き込まれたらと思うとゾッとする。
「はあ、はあ。もう走らなくても大丈夫だろ。」
「ぜえ、ぜえ、ぜえ。大きくてもワンちゃんはワンちゃんか。それにしても、走るの久しぶりできついわー。オレ、もういい年だから。」
「荒木も弾正も情けない。この程度で息切れするなんて。」
『ほんとだねー。二人ともまだ若いのにねー。』
「リョウ、てめーは途中から俺の肩に乗っかってただけだろ。」
そんなことを言い合いながら、俺たちは巨大な毒々しい紫色のキノコがまるで森のように茂っている場所に来た。
大きなものでは、俺の背丈の三倍はあるだろう。まるで大木のような太さだ。
座るのに適当な大きさのキノコを見つけたので、俺たちはそれに腰掛けて一休みすることにした。
「そう言えば弾正さん、あんたの力ってあの銃なんだよな?どういうものなんだ?」
「ああ、これのことな。ホワイトホーク。」
そう一言つぶやくと、弾正さんの手元に白いライフル銃が現れる。
「見ての通りこいつは狙撃銃だ。ただし、普通の銃じゃない。こいつの弾は光の速さで飛び、しかも威力を調整できる。連発もできる。まっ、流石に弾道までは操れないがな。」
いや、十分すげーよ。
「そう。その銃で、さっきの犬と一対一で渡り合えてたの。」
「いやー、でもあのワンちゃんデカいくせにめちゃくちゃ早くて、全然弾当たんなくてさ。最終的に棍棒代わりにして直接殴りあってたわ。」
え、ちょ、それ俺のポジション危うくね?
「じゃあ荒木もういらないね。」
鞘華の奴、口に出して言いやがった!
『えー、じゃあ僕ももういらないー?』
「リョウ君は必要。」
『やったー。ならいいやー。』
リョウまで裏切りやがった!!
「ハハハ、心配しなくてもいいよ、兄ちゃん。こいつで殴ったって兄ちゃんのハンマー程の威力はでないよ。」
良かった。まじで良かった。ガチで俺の役割無くなるところだった。




