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first battle with the monstrous rabbit 2

俺がハンマーを振るったのは、ほぼ勘によるものだった。


そいつは、霧に何層も穴を開けてこちらに飛び出して来た影と激突する。


その衝撃で、凄まじい暴風が巻き起こり、霧や土埃を吹き飛ばす。


「ぐうっ!」


衝撃を相殺しきれず俺は若干押し負けて、咄嗟に俺を支えていた鞘華ごと数メートル後ろに下がった。


「助かった、鞘華!」


「問題ない。それより相手に集中。」


「ああ、そうだな。」


俺は改めて、相手に意識を集中する。


そいつは俺に蹴りを見舞った後、空中で回転して衝撃を殺し、着地した。


長い耳、丸い尻尾、赤い瞳、力強い後ろ足、2メートルはある巨体。


そいつは大きな白ウサギだった。


ただしそいつは、今まで見てきたただデカいだけの動物じゃない。


本来純白であろう毛皮はあちこち剥げ、太く青黒い血管が浮き出た肌を露出させている。


黒いチョッキの上から、今まで見てきたよりはるかに太い黒い鎖が何重にも巻かれていてる。


そしてそれを束ねる、大きな黒い錠前が二つ、そう、今までと違って二つも付いている。


「クケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケ。」


奇声をあげて俺たちを威嚇するそいつは、最早ウサギと言うより化け物だった。


「…っ、何、こいつ…。」


「不思議の国の白ウサギ…にしちゃあ、ちっと禍々し過ぎるな。」


『多分、あの錠前が二つも付いてるせいで元々のウサギが変質したんだと思うよー。あのウサギだってここの世界の一部なんだから、このまま放っておくのは良くないよー。』


「ま、どっちにしたって相手が放っておいてくれないだろ。」


そう言って、俺は力を溜めると、思い切りウサギ目がけて突っ込む…つもりだったのだが。


「待って。」


その前に鞘華に止められた。


「何だよ。」


「あなたじゃあのウサギに追いつけない。私が行く。」


「お前だって無理だろ。」


「確かに私自身は追いつけない。でも、私の刀は追いつける。」


「…あの衝撃波か。」


確かにあれならあのウサギを止められるかもしれない。


「よし、任せた。無茶はすんなよ。」


『がんばってねー。』


「了解。」


鞘華は前に出ると、刀の切っ先を化けウサギに向けて静かに構える。


「…銀雪よ、私の前に立ちふさがる障害を全て斬り裂け。」


鞘華がそう呟くと、銀雪の刃が白く輝き始める。


「あなたは強そうだから、初めから本気を出してあげる。」


そう言って、彼女は刀を思い切り振り下ろす。


刹那、轟音と共に銀色の光が銀雪から発せられ、一直線に化けウサギに向かって飛んでいく。


「なんじゃありゃあああ!?」


「…衝撃波の塊。」


化けウサギは走り出して寸前で光を躱すが、光は曲がって化けウサギを追いかける。


「…追尾機能付き。」


「こ、高性能だな…。」









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