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black chain, black lock, and silver sword 6

動物たちが死屍累々の体で転がる中(全員気を失っているだけなのは確認済み)、俺と鞘華は現在、念のため武器を脇に置いたまま向かい合っている。


「改めて、私は鬼頭鞘華。高校二年生。よろしく。」


「俺は荒木龍太。大学一年生だ。」


『リョウだよー。』


「な、なに今の声?!誰が一体…?」


あ、リョウのことすっかり忘れてたわ。


「リョウ、元の姿に戻りな。」


『うん、分かったー。』


俺の手元のハンマーが小さなドラゴンになるのを見て、鞘華は驚いて後退った。


「ハ、ハンマーが小さなドラゴンに…!?」


『初めまして、リョウだよー。龍太の中のもう一つの人格で、今は相棒兼武器やってまーす。どうぞよろしくー。』


俺の肩に乗りながらリョウはそう挨拶した。


「か、かわいい…。」


えっ。


「な、撫でてもいい…ですか…?」


いや、そんな犬を撫でるのに飼い主の許可を取るように言われても…。そして何故突然敬語。


「だってさ、リョウ。いいか?」


『ええー、やだよー。』


がーん。


そんな効果音が聞こえそうな勢いで鞘華は落ち込んだ。


『今はこんな成りだけれど、これでも心は19歳の男なんだよー。龍太ー、君だって年下の女の子に撫でられるとか嫌でしょー?』


「…確かに。」


「むむ…残念。次の機会に。」


多分そんな機会来ないと思う。


「というか鞘華のその武器は喋ったりしないんだな。」


「うん、この銀雪はただの武器。人格を持ったりはしていない。」


「そうなのか?てことはいろいろ今の状況について知らないことが多いんじゃないか?俺はリョウに教えてもらったから大体分かるけど…。」


「それは大丈夫。銀雪を手に入れた時、無意識の世界についての知識も手に入れたから。」


「それは…変わってるな。」


『変わってるのは僕たちの方かも知れないよー。』


…へ?


「どういうことだ、リョウ?」


『普通の人なら、無意識の世界に人格が沈んでくると、自分の内面を直視することになるんだー。今まで目を反らしてきたことをいきなり目の前に突き出されるんだ、たいていの人なら耐えられないよー。

でもたまに、自分の内面を自分の一部として受け入れられる人がいる。その時、その人は前に進むための力を得るんだー。その力が、無意識の世界では武器として顕現する。鞘華の刀、銀雪がそうだねー。

多分鞘華は、自分の内面を受け入れて取り込んで、その時に銀雪と一緒に無意識の世界に関する記憶を手に入れたんじゃない?』


「そう、その通り。」


そうか…。鞘華はそんな試練を乗り越えたのか…。


『でも君は違う。君の無意識の世界は歪んだ記憶と恐怖に支配されていた。君はそれを認めはしたけど、歪んだ記憶と恐怖を壊す力を望んだ。それが僕だよ。

鞘華だって特別だけど、君は異例中の異例なんだよー。』








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