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the invitation of her nightmare 3

俺たちはしばらくの間落ち続けた。


もしこれが現実の世界で落ち続けていたら、下に着いた瞬間にミンチ確定だろう。


だが不思議なことに、いくら落ちても俺たちは全く加速することなく、ゆっくりと同じスピードで落ち続けた。


これなら下についてもケガなく着地できるだろうと分かり、俺は(リョウはいざとなったら飛べるのでずっと落ち着いていた。)やっと落ち着くことが出来た。


『いやあ、見苦しかったねー。よくあんなにずっと叫び続けられたね。』


「やかましい!お前と違って俺は飛べねーんだよ!」


俺のデコピンをリョウはきれいに躱してぼやき続けた。


『だからって僕の尻尾ずっと掴むことないじゃん。心配しなくても一人で飛んで逃げたりしないよ。まだ少しひりひりするしー。』


「…それはすまん。かなりパニクってたんだ。」


『まあ真面目な話、この世界で僕が君から離れることは絶対にないよー。僕も君も、お互いがいなければ上手く戦えない。何が起こるかわからないこの場所で別れて行動するのは余りにも危険だよー。』


「俺たちは今一心同体の関係ってわけだ。」


『そゆことー。』


「分かった。…それにしても。」


俺は周りを見渡す。


ただの土だった穴の壁は、いつの間にか本棚や戸棚でぎっしりと埋め尽くされている。


ところどころにはピンで地図やメモが貼り付けられている。


そして何故か、ところどころに黒い鎖が巻かれている。


「なんだか不思議の国のアリスの世界みたいな感じだな。」


『そうだねー。でも微妙に違うよね。君は原作を読んだことがないから僕にも詳しく分からないけど、たぶんあの鎖は不思議の国のアリスには出てこなかったと思うよ。』


「さっきの子達だって本来なら鎖でつながれてたり目隠しをされたりしてなかったと思うしな。そもそも原作に出てくるかどうかも知らないけど。」


『きっとこの無意識の世界の持ち主は、よっぽど不思議の国のアリスに思い入れがあるんだろーねー。そしてこのなにかがおかしい不思議の国は、その持ち主が何かに囚われた結果なんだろうねー、あの時君が過去の恐怖に囚われていた時みたいに。』


ひたすらゆっくりと落ち続ける中で、俺は考えていたことをリョウに告げた。


「なあ、さっきの子達、アリスを助けてって言ってたよな。」


『言ってたねー。』


俺は最初に送られてきたメールを思い出す。


「確かメールの題もそんなこと書いてたよな。」


『Please help Alice. アリスを助けてください、だねー。』


「ひょっとしてメールの送り主は、本当にアリスを助けて欲しいんじゃないか?」


『…そうだね、そしてこの場合、アリスっていうのは…。』


「ああ、たぶんこの世界の持ち主だ。」


『それじゃあ、君はアリスを解放するまで目覚めさせてもらえないかも知れないね。』


「逆に言えば、そのアリスさえ助けられれば、目覚めさせてもらえるかもしれないってことだろ。」


『それもそだねー。よし、じゃあ僕たちの当面の目標はアリスを探して助けることだね。』


「おう、そうと決まればさっさと行動したいな。あとどれくらいで下に…うわっ!。」


ちょうどその時に俺たちは一番下…落ち葉や木の枝の山の中に突っ込んだ。


俺はそのままの勢いで尻餅をつき、舌まで噛んだ。








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