griffin's lead to the court of law 1
蒸し暑い日の続く、ある夏の夜。
近所の川で花火大会があると聞いたので、自分は黒髪の少女を連れて見に行った。
多くの人でにぎわう中、自分は少女と川辺に座って涼みながら、次々と打ちあがる花火を見た。
美しかった。
私の故郷の花火と言えば、ただただ派手なものばかりだった。
日本の花火は、派手さには多少劣るものの、芸術的な美しさがあった。
様々な色彩が、華やかさと同時に、どこか儚さを演出する。
隣を見ると、少女は夜空を食い入るように見つめていた。
その大きな瞳の中には、夜空に花咲く色彩が、そのまま映り込んでいた。
ママ、ちゃんと見てる?
少女が尋ねる。
見てるわよ。
私は答える。
あなたの眼を通してね。
色が踊る少女の瞳も、やはり美しかった…。
俺は目を覚まして、身体を起こす。
「あっ、荒木先輩、大丈夫ですか?」
「よう兄ちゃん。目、覚めたか。どこも痛くねえか?」
鎧坂と弾正さんが俺の顔を上から覗き込んでくる。
「ああ、大丈夫だ。どこも痛くない。むしろなんか、体が軽く感じるんだが…。」
気を失う前より、疲れが取れてる?
「私が『治癒』を掛けておいたんです。」
背後から詩織の声がした。
振り向くと、詩織が座り込んでいた。
そのそばには、鞘華が寝かされ、それをリョウが心配そうに見守っている。
「私と鎧坂さん、弾正さんはすぐに目の覚ましたんですが、荒木さんと鞘華さんは、グリフォンとの戦闘で疲れが溜まっていたのか、気を失ったままだったんです。それで、文字魔法を掛けさせていただきました。」
それで疲れが消えていたのか。
「ありがとな。おかげですっかり元気だ。」
「どういたしまして。その代り、ちょっと休ませてくださいねー。」
文字魔法を使うと詩織が体力と精神力使うからな。
『ねえねえ、そろそろ鞘華も起こそうよー。』
リョウが俺たちに声を掛ける。
どうやら、鞘華一人だけまだ寝ているのが不安らしい。
「そうだな。詩織の文字魔法も掛けてもらってるし、もう起こして大丈夫だろ。」
『うん。ねえ鞘華。起きて起きてー。』
リョウが鞘華を揺する。
「…う、ううん…。」
小さく声を上げて、鞘華は目を開ける。
そして自分の身体の上にちょこんと乗るリョウを見る。
『あっ、鞘華!起きたn。』
がしり。
鞘華は素早く両手でリョウを掴む。
「…リョウ君、ツカマエタ…。」
『ヒイッ!!』
リョウは慌ててじたばたもがくが、もう遅い。
鞘華の上に乗っかっている状態なので、下手にハンマーになることも出来ない。
『いやああああああああああああああああああああああああああああ!!』
あっと言う間に、鞘華に揉みくちゃにされていった。
「あっ、鞘華さん、ズルいです!私もー。」
『もうやめてえええええええええええええええええええええええええ!!』
強く生きろよ、リョウ。




