brutality of the two monsters 8
『「「「「っ!!」」」」』
嘘だろ!!あいつ、自分で錠前を破壊しやがった!
グリフォンは今までとは違う、禍々しい声で咆哮すると、翼を広げる。
翼に巻き付いていた黒い鎖がほどけ、震えると、液体のように広がって翼に吸収された。
すると白かったグリフォンの羽が、漆黒に染まっていく。
全身の筋肉が隆起し、青黒い血管が浮き出てくる。
「先輩方!なんかウミガメもどきの鎖が消えたんです…けど…。」
鎧坂が駆け戻ってくるが、豹変したグリフォンの姿に絶句する。
「な、なんですかあのグリフォン!超かっけええええええええええええええ!!」
「全然可愛くない…。」
例えどんな状況になろうと、鎧坂と鞘華はどこまでも平常運転だった…。
俺は思わず頭を抱えたくなった。
「馬鹿なこと言ってねえで集中しろ!どう考えても状況はまずいだろうか!」
「は、はひ!!」
「うん。」
弾正さんが凄まじい顔で二人を睨み付け、鎧坂は思わず震え上がる。
鞘華はあんまり動じてない。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
グリフォンは一鳴きすると、翼を羽ばたかせて宙に舞い上がる。
そして空中で大きく翼を広げると、翼から無数の羽を撃ちだしてきた。
「うおっ!いきなりかよ!!」
反射的に弾正さんが銃を構えて、俺たちに当たりそうな羽だけを次々と撃ち砕く。
弾正さんが撃ち漏らした羽は、鞘華が切り裂いていった。
「…この羽、固い。」
鞘華の刀と羽が接触するたび、金属同士がぶつかり合うような音がする。
俺たちの周りには、撃ち砕かれることも切り裂かれることもなかった羽が、まるで鋭利な刃物のように突き立っていた。
「…これは当たったらやべえな。」
「そうみたいですね…。」
「私の『守護』でも守れるかどうか…。」
俺がポツリと呟くと、鎧坂も詩織も呼応する。
くそっ、どこまでも厄介な奴だ。
これじゃ下手に動けねえ。
「おい中坊、お前、あのグリフォンに向かって飛べよ。チェシャーネコにやったみたいに。」
「無理ですよ!!真っ先に死ぬじゃないですか。」
弾正さん、やめたげて。
それもうただのイジメだから。
…いや、待てよ…?
「弾正さん、それナイスアイデア!」
「「えっ?」」
ちょっくら、ひとっ飛びしてもらおうか。




