brutality of the two monsters 3
巨大な影は、俺たちの頭上を一度旋回すると、目の前に急降下してきた。
「うおっ!」
「くっ!」
「うわっ!」
「うひゃあ!」
「キャッ!」
そのものすごい風圧に押し流され、俺たちは後方に吹き飛ばされた。
その影は着地すると、頭を天に向けて咆哮する。
「クエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
鷲の翼と上半身、そしてライオンの下半身。
その姿は、伝説通りのグリフォンそのものだった。
「うおおおおおおおおおお!リアルグリフォン来たああああああああああああ!!」
唐突に、鎧坂のテンションが急上昇する。
「すげえええええええええええええ!!マジかっけええええええええええええ!!」
「うるせえ!」
「うぎゃっ!」
あまりのうるささに、弾正さんが鎧坂にアイアンクローを反射的にお見舞いする。
お二人さん、戦闘中でっせ。
グリフォンにも、ウミガメもどきと同様に全身に黒い鎖が巻き付けられている。
鎖は二つの大きな黒い錠前によって、くちばしの先と、尻尾の先で束ねられ、留められていた。
二つの錠前の位置が離れている。二つ同時に破壊するのは難しいな。
弾正さんが試しに銃でグリフォンの錠前目掛けて撃ってみるが、白い銃弾は簡単に躱された。
「ちっ…、やっぱりダメか。」
弾正さんが舌打ちする。
「詩織、文字魔法で拘束してくれ。」
「はい!」
詩織が文字魔法を発動しようと、巨大な万年筆を構えた時だった。
「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!」
再びウミガメもどきの泣き声が響き渡る。
「うう…。」
俺たちが耳を抑えるなか、詩織は一人両手を万年筆から離さずに我慢して書き続ける。
「詩織、無茶しないで!!」
「大丈夫です!もう少しですから!」
顔をしかめながら、詩織は万年筆を動かす。
だが。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「…えっ!」
ウミガメもどきの声が一層大きくなると同時に、詩織が地面に書きかけていた白い文字が、震えて散ってしまう。
それと同時に、俺たちの体からガラスの砕けるような音が響く。
どうやら、詩織の『守護』も消えてしまったらしい。
「そんな…!文字魔法が使えないなんて…!」
ウミガメもどきの泣き声は、詩織の文字魔法を無効にしてしまうようだ。
詩織が唖然としたとき、グリフォンが棒立ちになっている詩織に向かって突撃してきた。
詩織の反応が遅れる。




