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バテ

 夏バテ、らしきものになりました。

 先月に比べ、だいぶ間が開いて、何かせねばとおもうのですが、思考が、ネタが……

 でもタイピングが遅いのはともかく、ネタがすぐ浮かばないのは深刻だなぁと思うわけです。

 仮にプロなら選手生命に関わるわけで、そうでなくても時間が流れていくわけで。

 足りない。インプットをもっと、もっとと思います。

 ――皆様も体調にはおきを付け下さいね!


 なんて最後に良いこと言ってうやむやにしてみましたが。

 この前の片づけで以前買った本などに目を通す機会がありました。

 そのうちの一冊は「100円のコーラを1000円で売る方法 コミック版」(原作 永井孝尚 作画 阿部花次郎 中経出版)というものだったんですが、この中に顧客満足について取り上げている場面がありました。以下引用。

 『顧客満足は、顧客が感じた価値が、事前期待値を上回った場合に生じます。また、感じた価値と事前期待値の差が大きいほど、顧客満足は大きくなります』

 この時、顧客の期待するものが何か分からず、期待値を上回る価値を創り出せないのが失敗のパターン。顧客も要望は述べるがそれらは断片的で、実は顧客自身も把握しきれていない要望を分析することで、期待値を上回る価値への突破口が見えるんだよとか、確かそういう流れでした。

 何でもいいが、「把握しきれてない要望」はゲーム探しの時感じる焦燥に似ている気がする。以前は満足を求めて自由度の高いゲームを探したことがある。手堅く満足するなら市販で、それもシリーズで人気が出ているメーカーになるだろう。お金がないので、フリーでさがした。他者の創造した世界を見ることで間接的なインプットにもなる。「こういう世界いいな。もっと見たいな」という気持ちになれば、それは良い(人気のある)作品であることが多い。創作意欲が湧くものでもある。

 自由度というと定義があいまいで、マルチエンディング的や主人公の選択性、本筋のストーリー以外にできること(フリーランニングや、オブジェクトの破壊の有無だとか、やりこみの幅広さとか)の自由度もある。どんな自由度かは製作者の思考次第。あるいは享受側の受け取り方次第だ。不思議なことに楽しんでプレイしている最中「なんか求めていたモノと違う」とおもうことがある。自由度の部分で満足するが、そうでない部分で不満を感じる。何に不満を感じているかは分からない。分からないからとりあえずまた探す作業に戻って、「あ、これいいかも」と思う物を手に取る。しばらく遊んで、また探す。終わらない。これはゲームが例えだが、程度の差こそあれ多くのものに通じそうな感覚だと思う。ファッションだったり、インテリアだったり。

 戻して、結局何を求めているのか自身で把握できてないのだが、時に通常以上に満足することがある。ウリ以外の部分も総じて品質が高いものだ。「え、ここも手が込んでる」とか「そうそう、こういうのをやってみたかった」という時。今から思えば、顧客満足度を越えた時だったのだろう。


 文章による作品もまた、求められているものは同じで、「こういう話が読みたかった」と言ってもらえるのがより良いだろう。

 さきほどの顧客満足でいえば、期待されてる部分と予期しなかった部分で内容は成り立つ。予期し得なかった部分は期待された部分に依る。斬新な切り口が求められる所以でもあるだろう。ありふれた題材を用いた時にこそ、斬新な視点が予期し得ない価値を生む。

 期待されている部分は意外と重要だろう。ここの価値が高いほど+αの部分が輝く。物語の世界で地に足をつけさせて、その上でドキドキわくわくさせる。上質な物語の根幹だとも思う。

 既知と既知外(未知)の組み合わせとも言えるかもしれない。読む人はどこかで読んだストーリーや情報はいらないのであって、やはり新しい情報や知識も欲していると想像する。でも100新しい「未知」だと面白いのか判断は難しいだろう。未知の部分は既知の組み合わせか、積み重ねで辿り着く距離感が良さそうだ。

 VR系なら別世界にいくこと、ゲームのような世界で行動(活躍?)するまでは事前の期待値だろう。別世界に旅立つ直前までが既知の決定事項で、組合せで未知の部分になりうる。旅立った新たな世界で未知の体験をするが、盛り上げるには人の情動、恋や喜怒哀楽などの既知が積み重なることで未知がより強烈なものとなる、のではないか。

 そんな気がした。

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