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流行のVRモノ、異世界モノに挑戦なるか

 先日、「ベストセラー小説の書き方(ディーン・R・クーンツ著、大出・健訳、朝日文庫)」を読んだ。

 そして偶然、約10年前のノートが出てきたので見返した。

 数ページしか書かれてないそのノートは、当時読んでた「小説の書き方」系の本を、重要ポイントを中心に書き写した物らしい。三点リーダーがどうとか、執筆に向いたエディターとか……文章の上達の仕方とか、説得力のある文章キャッチーな書き方とか、これはどうも手紙や紹介文の作法書でも書き写したらしい。正直今見返しても、小説系の文章を書くにあたってあまり関係の無い内容だ。一番大事なことが書かれてない。「とにかく何か書いてみる」こと……それに気付いて去年ここで書き始めるまでの10年間、一作も書けなかった。おそらく読むことはできても書ける能力はなかったのだろう。


 ただそのノートの書き写しの中で、「小説入門ガイド」として挙げられた良書のひとつに「ベストセラー小説の書き方」があった。読んでいてかなり深い示唆を得られたが、どうも入門用だったらしい。十年巡り廻って、ようやくラインに立てたような、そんな気分だ(「小説入門ガイド」は新米・新人作家に向けられた感じがしたのだが……)。


 その「小説入門ガイド」の十三章に、出版という商売の抱える問題点が書かれていた。どういう話かというと、「ゴッドファーザー」が大ヒットした際、こぞって編集者が「マフィアもの」を求めたというもの。以下は続きをまとめたもの。

 ここで最良の判断は流行を追わないこと。なぜなら成功作は作家の精神の深みから出てくるもので、そうでない安易な追いかけは明らかに質が落ちる。それを分かってない、あるいはあえて無視した場合、「ゴッドファーザー」の粗悪なイミテーションが量産される。これは最初成功を収める。「ゴッドファーザー」を見た読者は同質の経験を期待してイミテーションを買うからだ。売り上げがあるから出版社はさらにマフィアものを売る。読者は失望を味わい(食い物にされ)、やがてマフィアものを買うのをやめてしまう。その後は非常に質の高いものを除いては、完全にジャンルが死滅してしまう(この時期直前がもっとも書店にそのジャンルの出版点数が最高になる)。

 クーンツはこれに対して、読者が目覚めた時モノマネ本は莫大な損失をもたらし、更に悪いことは、粗悪なイミテーションの溢れる市場では、真面目な作家の作品が認められがたいと述べている。その形式の小説を読むのが好きで、作家としてもその形式に魅力を感じている場合にだけ書くべきである、と(以上の点から、流行を追うこと自体は悪いことではないと分かる。が、それは良質な物語を書く場合のみで、多くの場合は粗悪イミテーションの濫造に終わる)。


 社会(出版)が売上という現実にそう仕向けるようになる、ということでもあるのだろう。

 これを見て、「小説家になろう」での流行も、そろそろジャンル死滅の危機に向かっているように感じられた。真面目な作家、かはさておき、ランキングなどにおいても流行りのジャンル、あるいはその形式以外は影に隠れ、検索するのも難しい……これが実情に近いだろう。今は流行のきっかけとなった作品が幅広く展開していても、それがいつまでもつのか。あるいは「小説家になろう」サイトにおける流行とそれ以外の読者のニーズがいつ乖離するのか。いずれも正確には分からないが、今の流行を見限り、次のブームでスタートを切るため自らの牙を研ぐのも、また一つの方法だろう。


 そうはいっても、流行のジャンルで使えそうなネタがあれば書いてみたいのもまた事実。私自身もそうである。問題は自身がイミテーション製造機にならないよう、慎重な作品作りが必要ということだ。

 現在ランキングに掲載、あるいはすでに出版された作品については、大体似通った欠点があると感じる。おそらく出版にあたり加筆を要求される部分だとも思うが、この部分がほんの少し書いてあるものは人気が出ている気がする(あくまで個人が勝手に「~だと思う」と言ってることだ)。逆にいえば、多くの人がほんの少ししか書いてない「手抜き」で通り過ぎている部分でもあり、それがテンプレートと称される所以となっている。

 ここに気付いて思考を練ることが、最初の糸口になるだろう。

 どういうことかと言えば、結局はプロットをどこまで練っているかが問題となるだろう。

 より具体的にいえば、キャラクタをどこまで練っているかと言える。


 ……一度自分でやってみようか。

 そういえばOVLの大賞があったはずなので、遅筆な自分はダメかもしれないが、練習がてら挑戦してみようと思う。

 要求内容が「異世界、バトル」。ヒロイン一人以上。締め切り日時点で十万文字以上。あ、ヤバイ(汗


 構想案(仮)

 ジャンルは、せっかくなので異世界とバーチャル(ゲーム)を融合させよう。どっちもするみたいな。

 異世界は、オーソドックスに剣と魔法でもいいが、世界観をもう少し考察する必要がある。

 元の世界は、去年書きかけの「エレメンツ」の世界観がすでにあるので使う。七大魔術大系のある現代世界。

 ヒロイン、難しい。できれば女性が読んで共感できるような人を一人は書きたい。とりあえずオーソドックスな二人(いわゆる守ってあげたくなるタイプと、自立しているタイプ)を視野に入れて。

 関わる男女比率は、大体一体一、か男若干多め。ハーレムは気持ち悪い。気持ち悪い。


 異世界(バーチャル)に行く理由は、そうしなければいけないから。偶然は絶対NG。ただし主人公にしかできないこととすること。その必然性は最後までの伏線。それまでの疑問の答えにする。


 異世界案:八つの神の信仰がある世界。元は十だが一つは滅び一つは去った。滅んだ神と去った神がキーポイント。

 

 主人公案:少年。17歳前後。クラスでは(そのクラスの当初の目的で集まったクラスメイトには)微妙な存在。自分自身に違和感。今生きているのがどうもしっくりこない。父親との不和。主人公は4年前は病気で死にかけていた。当時違法ではなかったバーチャル系の機械を使用した手術で治癒。しかし同時期から仲の良かった父との間に溝が生まれた感。なぜ。若干4年前以前の記憶に障害あり。

 クラスの中では唯一現実世界で魔術が使える。ただし身体能力、ポテンシャルはクラスの中で最低。やがて魔術を習い始めた級友に追い抜かされるのは分かっている。自らの限界に悩む。悩み多し。


 環境:離島。4年前社会問題となったVR系ゲームによる集団昏睡事件(真相は違う)。民間使用が禁止された「仮想空間を使用した技術」を用いた実験「仮想空間の利用により魔術師の習熟期間は短縮できるか」のテストケース。クラスメイトは男女半々かそれに主人公を加えた形。クラスメイトそれぞれに家族などの思惑あり。主人公は研究者である父によって4年前すでにテストケースとしての成功を修めている。カリキュラムは一般高校生レベルの座学と実技。加えて魔術の座学と実技、仮想空間を利用した魔術習得。(エレメンツの区分としては「魔術の知識のある一般人、魔術を習得中の一般人」を示す第六種か七種。主人公は「見習い」相当の第五種あたり)


 主人公の実力:現実世界では魔術師見習い。仮想空間内のセキュリティ上の制限ではそれと同等以下の身体・魔術能力。制限なしなら「経験を積んだ一人前」の第三種レベル。後半には特定領域において第一種もありかもしれない。


 クラスメイト1案:海外国籍。男。貴族系の家の生まれ。魔術結社の実験につきあい恩売り、経済的なパイプ目論む家の意向。本人は無理やり現地の友人たちと引き離された形。不満ではあるが自国の人間が豊かになる上で魔術という技術は必要とも考えている。基本クール系だが、面倒見はいい方。母方が身分低かったことも関与? 義務感と向上心は強い。異世界召喚に応じた理由は苦しむ人を放っておけなかったから。剣術が得意。


 クラスメイト2案:ロロ・サンシクスト。女。イタリアで情報家業で儲けてるサンシクストさん家の娘さん。姉のソニアに命じられてきた。魔術素養・身体能力はクラスメイトの中で群を抜いて高い。たぶんニュータイプ。筋力は一般女性並み。ただし技術が高いので、重量を無視できる環境では重い武器の扱いも上手い。ある情報から普遍的な法則を導き、別の事象にあてはめ応用するのが得意。必要な時しか口を開かない。ただし姉から無意識の束縛を感じており、その枷が外れると感情豊かになる。異世界召喚に応じた理由は自由になれるから。


 クラスメイト3案:気が弱い少年。海外国籍。海外の魔法使いさん家の末息子で、落ちこぼれ。中々魔術が使えないので日本に送られてきた。なんとなく病弱で、その点など含めて主人公と気が合う。ただし今まで魔術が使えなかったのは本人の適性と教わり方が合致していなかったせいで、本来の素養は高い。忠誠的な容姿で、性格は弟系に近い。故郷にガールフレンドがいる。肝心な時に勇気が出せない自分があまり好きではない。異世界召喚に応じた理由は、勇気が欲しかったから。強くなりたかったから。


 クラスメイト4案:ヒロイン1(仮名:優菜)。病気で離島に移り住む前の主人公を知る人物。家が近所でよく遊んだ。神社の娘さん。おせっかいやきだが、どこか抜けている。家が近いとか仲良しなのは偶然ではなく、どちらも同じ魔術結社に縁があり、研究における協力者だったから。今回離島での実験に彼女自身が乗り気で(主人公に会えるから)来たが、以前とは打って変わって主人公に会うのを渋っていた父に疑問を抱いている。料理が得意というか、菓子作りが趣味。異世界召喚には応じていなかったが、数合わせとして巻き込まれた。


クラスメイト5案:ノボル。国内の出身。快活、前向き、正義感強し。疑うよりも信じてバカを見る方が良いとか思っている。裏表のない性格で、いい意味でも悪い意味でも好かれるタイプ。完全な一般人の中から見つかった高い素養の持ち主で、本人はあまり裕福ではない家計を助けるためもあって来ている。家族には特待生として遠い学校に寮生活しているみたいな、そんな現状。信じられるのは仲間。異世界召喚には、憧れていた待遇(ゲームの主人公とか英雄譚とか)に自分がなれるかもと、参加。


クラスメイト6案:エウフィ(仮名)。女。犯罪者である父の刑期を短縮するために参加した、犯罪集団で育てられてた子。実は父の事はどうでもよく、便利な力を手に入れられるから実験につき合っている。魔術の習得前に本音がばれるとつまらないので、人前では丁寧な性格を装っている(でもかなり無理があるように描写すること)。本性は戦闘狂。血を見ると自他のものに関係なくハイになる、暴れたくなる。模擬戦闘ではロロと互角くらい。肉体を使った戦いが好きで、魔術も自らの身体能力を高める物に興味があるのみ。野獣のような戦い方。天性の勘じみた力を持つ。異世界召喚に応じた理由はたくさん暴れて殺せるから。


 シーン考案:まず最初にバーチャル世界→帰還。現在の状況説明。その後人物の関係や現状の悩みを書いた後、主人公を除いてクラスメイトが異世界に全員召喚される。残された主人公と現地の研究スタッフは、残された手がかりから召喚先を突き止め、主人公が救助に向かうべく、異世界へと旅立つ。


課題:異世界の情勢。クラスメイトと情勢の関わり。召喚後の変化、主人公はどうアプローチするか。危険になったら現実世界に戻るのは可とする。それは何を意味するのか。危険性は。スタッフの経歴は。今後の課題。異世界の人々は。そもそも異世界召喚に応じる、とは?


タイトル(仮):「サルベージ・コール」副題(お前を異世界から引きずり出す)

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