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フェルメリア雑記  作者: 詞乃端
クライドロの話
21/54

ただ、それだけのこと 一

フェルメリアの「神に見捨てられた地」としての側面の話なので、次回以降に残虐・流血描写出てきます。

苦手な人はご注意を。

ガラガラという馬車の音は、彼等にとって希望への足音だった。

新天地は、決して良い話ばかりが聞ける場所ではない。『神に見捨てられた』と言われる地。それでも、己の故郷が奉ずる神を見限った彼等には、こちらの呼び名の方が余程好ましかった。


――『神に見捨てられた地』の所以(ゆえん)を、彼等が絶望と共に噛み締めるのは、それ程遠い時ではなかったけれども。


◆◆◆


ソレは()えていた。

とてもとても飢えていた。

らっても喰らっても、ソレの奥底にへばり付く欲求は治まることを知らない。

もっともっともっと、と。

(とど)まること無き渇望(かつぼう)に任せて、ソレはさ迷い歩く。

そして見つけた、()れ。

ソレは歓喜した。

其れを持っていると、ソレは、もっとずっと喰らうことが出来たから。

それでも、足りない足りない足りない、と。

其れを持ったまま、ソレは、また動きだした。

もっと喰らえる方向へ。


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