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真実はあまりにも突然に

「・・・ですか? ・・き・・ください・・」誰かの呼びかける声に俺は、

うっすらと目を開ける。 天井が見えた。LED照明らしき物も見える。そして俺は

ベッドに寝かされていた。身体を起こそうとするが右肩と太腿に激痛が走って

思わず「ううううっ・・」と、うなってしまう。

「動かないでください。 今、治療をしています。」声のする方に顔を向けると

高校生にしか見えない女の子が機械を俺の身体に当てながら操作している。

「君は?」よく見るとその子は、修理をシステムに依頼したアンドロイドと同じような

研究所のロゴマークが入った戦闘服っぽい物を身に纏っている。

違いと言えば髪の色が赤みがかっている事と胸の膨らみがそこそこ有るという事か。

「私は、多目的有機アンドロイド、TYPE9です。システムの緊急指令により

起動し、マスターつまり貴方を保護しました。」


なるほど、俺が気を失う前にシステムが言っていた新開発のアンドロイドか。

「はっ! しゅ、修理を依頼したアンドロイドは? それと保護したという人達は?」

『修理は完了し、保護対象を守るため隣の部屋におります。』

システムの合成音が告げる。

「システム、お前は大丈夫だったのか? 銃撃を受けたと思ったが?」

『一部の機能に不具合が出ていますが、自動修復機能が働いてまもなく修理が完了する

予定です』


「そ、そうか、なら一安心だな・・・」俺は再び気を失ってしまった。


次に気がついたとき、室内は薄暗く照明が落とされ、かすかに空調の音が聞こえるだけ

だった。身体を少し動かしてみたが痛みは無かった。


「まったく・・歩道橋から落ちてそんなに時間が経ってないと思うが、色々な出来事が

立て続けに起こってパニック状態だ。そういえば、喉も渇いたし腹も減ったな・・・

この世界に来てから、何も飲み食いしてなかったしな。 よし」

俺は、ベッドから降りるとカプセルから無事覚醒したという3人に会うため、隣の部屋へ

と移動する。

ノックをしてから入ってみると修理が完了したらしいTYPE7と呼ばれていたアンドロイドが

格闘態勢に入ったが、私と認識すると態勢をといた。

「セブンさん、その人は誰? 悪人?」

アンドロイドの後ろからそんな声が聞こえた。その方へ視線を移すと、抱き合うように

して3人の女の子が怯えた顔でこっちを見ていた。

「いえ、この方は私のマスターで味方です。」

「マスター?」女の子達の頭の上にはてなマークが見えるような気がした。

「しかしカプセルに保護されてたってのは、全員女の子か、どこぞのラブコメだっての

それとも転生もののお約束か?」思わずそう呟く。

「ラブコメ? 転生もの? なにそれ?」

まじか・・・これがジェネレーションギャップなのか っていうか100年も違うんだ

それもそうだよな・・・ん? しかし100年未来だってのにこの子達の服装って・・・

一番年上っぽい女性は、ワンピース。次がブレザーで、一番若そうな子はセーラー服って

どういうことだ?全然未来っぽく無いぞ? まあ、未来の服がどういうものか想像

出来ないけどさ。

それにあれだ、武器にしても昔ながらの鉛玉。未来ならフェイザー銃とかありそうな

もんだけどなぁ ま、あまり深く考えるのはよそう。

「ああ、うん。俺は、坂井弘幸。隠しても仕方ないから言うが君たちのこの世界よりも

100年ほど過去から来た人間だ。この研究所にはその頃、勤めていたんだけどね。」

「「「100年前のおっさん!!」」」

3人の驚いた声に俺はずっこけた。「と、とにかく君たちが無事で何よりだ・・・

良ければ名前を聞かせてくれるかな?」

「私は、五木早苗」一番年上っぽい子が答えると「私は、五木菜穂。早苗姉さんの妹」

「私は、穗積翔子よ」と、教えてくれた。

「五木? 確か副所長が五木昇平さんと言ったと思うが・・・」

「「それは、ここの所長だった私たちの曾々々おじいさまですわ」

「なるほど・・あの頃五木さんはまだ30前の若さだったからな。その後所長になり代々

この研究所を運営してきたのか。所長の子供ということで最優先で保護されたというかな。

で、穗積翔子さんと言ったか、君が最優先保護対象というのは?」

「多分、アンドロイドとAI開発の主任研究員だった父のおかげだったと思います。」

「なるほど、君の父上はそんな凄い方だったのか。」

「とにかく、俺としては、君たちにこの時代のことを教えてほしいし、システムの

データを調べてみたい。とりあえず、サーバールームに移動しよう。君たちにも

ついてきて欲しい。これからのことを相談したいからね」

「分かったわ お腹もすいたしね」

サーバールームに移動した俺たちは、とりあえず、打ち合わせ用のテーブルについた。

「お互いに色々聞きたいことが有ると思うけど、まずは、腹ごしらえをしたいよな。

この時代は、レストランとかコンビニとか、スーパーマーケットなんか無いのか?

この研究所に来る電車の車窓からはそういう店が見えなかったんだが・・・」


「レストラン? コンビニ? ああ、そういうお店は、八王子の一画に作られた

ノスタルジックスペースにあったと思うわ」

「なんだそりゃ?」

「今が2123年って言うんなら、50年くらい前にアンドロイド技術の発達と地球環境の

悪化による地球外移住計画が持ち上がって地上での建設業が業績不振になった時、当時

ゼネコンと癒着のあった政治家が莫大な費用をかけて作らせたっていう昭和を偲ぶ施設

とかなんとか。でも完成して少しした頃、ゼウスのハルマゲドン信仰による核攻撃で

人類の大半が殺されて、さらに地球統一国家ゼウスが誕生した頃には、その存在は忘れ

さられちゃったみたい。私たちだって生まれる前の事だしよく分からないわ」

「まてまて、地球統一国家ゼウスって?」

「んー私たちが生まれるずっと前のことだし、よく分からないわ」

「システム、ゼウスに関するデータはあるか?」

『1999年頃からノストラダムスの大予言に便乗するように新興宗教としてゼウスが発足

。瞬く間に人々の間に滲透して行きました。地球温暖化が進みこのままでは地球に住み

続けることは難しいと訴え、さらに近い将来、人類は未知のウィルスで絶滅する、まず

は、10年以内にどこかの国が滅亡するだろうと予言しました。』


「ああ、確かに俺がこっちに来る前に車内のニュース掲示板でゼウスって言葉を見たな

。そういえば、確か2008年だったか、北の大国が未知のウィルスで全滅したって・・

それをゼウスが予言したってのか!しかしウィルスか、ぞっとするな。ああすまん、

続けてくれ」


『その予言の通り、2008年、北の大国がウィルスによって滅亡しました。各国政府が

国連で協議した結果、太陽系の他の惑星への移住計画が発足。惑星間飛行が可能な

宇宙船の開発、そして、長期航行に備えて、冬眠カプセルの開発が始まりました。

この研究所でもカプセルの開発が行われていました。あ、これは貴方もご存じですよね

、実際に開発をなさっていたのですから。 そして不幸な事故で貴方がこの世を去って

すぐのことです、国連本部にゼウスの総代という者が現れ、国連総長を射殺した上で、

世界統一国家を立ち上げると宣言しました。もちろん世界各国は、拒否、特に軍事力で

世界最高と自負するアメリカの拒絶は当然でしたが、ゼウスの代表者は余裕顔で1年後

にまたお目にかかりましょうと、退場。 その半年後、北アメリカ、南アメリカ、そし

て、カナダに殺人ウィルスがばらまかれ、この国々はあっという間に壊滅しました。

もちろん、海に潜る原子力潜水艦の一部は難を逃れはしましたが、アメリカの残存戦力

は、それだけになりました。』


「殺人ウィルス・・・まさかそれって、草場君が研究していた外宇宙から飛来した

っていうあのウィルスなのか? しかし・・そんなウィルスがあったとしてもだ、

本当に全世界はゼウスに屈したのか? 少しの抵抗も無く?人類のほとんどが絶滅

してしまったのか?」


『その認識は概ね正しいと判断します。さて、先ほどのアメリカに対するウィルス

攻撃の際に、世界各国は危機感を再認識。移住計画用に建造されたロケットで一部の

階級層は地球を脱出、脱出できなかった人々は、恒星間ロケット用に開発された冬眠

カプセルをゼウスに隠れて設置、いつかゼウスに立ち向かうことを決意するのですが、

ゼウス側もそれを予期し、移住計画の要である月面基地を破壊。地球上空に流れる

ジェットストリームにウィルスを散布したのです。それにより、あらかじめ隔離施設

に閉じこもっていたゼウス信者以外の人類のほとんどが死滅しました。ウィルス自体

は3日でその毒性が無くなるという特殊なものだったため、ウィルス散布後、4日目

にはゼウスが、生き残ったものが、いないか掃討作戦を開始、同時に各地に隠された

冬眠カプセルの発見に乗り出しました』


「な・・なるほど・・・容赦ないな・・ゼウスというのは・・生き残ったのはどれ位

いるんだ?」


『すべての通信機能が遮断されたため実数は把握できませんが地球上に存在する人口

は、約5億、そのうちゼウス信者は2億と推定されます。』


「地球上すべてで5億! そんなんで生活できるのか? ライフラインの確保とか、

食料とかどうしてるんだ?」


『ゼウスは、インフラを維持するために労働用アンドロイドを投入し、食料の生産も

アンドロイドによって賄うよう計画していたようです。そして、ゼウス信者以外で、

ゼウスに抵抗する人間の排除、ならびに冬眠カプセルに逃げ込んだ者達の捜索と確保

を開始。初期からのゼウス信者達は、総代を崇拝していますが、冬眠カプセルで発見、

捕獲された者達は首にマイクロチップを強制的に埋め込まれ、逆らおうものなら瞬時

に高圧電流が流され殺されるという恐怖政治の元、ゼウスへの忠誠を誓わされている

のです。男性は兵士に、女性は人類維持のために・・』


「昔の独裁政治家達を凌駕する鬼畜ぶりだな、ゼウスの総統って奴は・・・抵抗組織は

どの程度いるんだ?」


『先ほども申しましたように軍事力もバイオテロでほとんど壊滅していたため、ゲリラ戦

程度の抵抗はしたものの駆逐されました。しかし、全ての国が屈したわけでは無く、ここ

日本政府も大国に思うところもあり、屈する様に見せながら秘かに反撃の準備を進めて

いました。その一つの拠点が、ここ、最先端科学技術研究所なのです。日本国内には、

ここ以外に4つの拠点を設けていますが、ゼウスに察知されないように連絡が取れないように

なっているので状況は把握できない状態ですが、ここが襲撃されたことを考えると

やはり、攻撃を受けていると思われます。そして大々的にゼウスに攻撃出来ない事情も

あります。大国内にゼウスが設置したウィルス容器を除去しない限り、安易には反攻出来

ないのです。人類は、ゼウス達以外には先ほども言いましたように、そのほとんどが排除

されました。しかしここにある冷凍カプセルと同様の物が世界中に存在しています。惑星移住

計画と並行して進められていたその数は、把握しきれておりませんが、ウィルスの恐怖が

無くなり、人類が再び安全に住める環境が整ったら、解凍し新たな世界を作ってい

こうという計画でした。』


「なるほどな・・・今の世界の状況はだいたい分かった。分かったけどさぁ 100年も

前の世界から来た俺に何が出来るって言うんだ? 何で死んだはずの俺は、ここに

飛ばされてきた?」

『なんらかの意志が働いたとしか言えません。』


「だろうな 俺自身がデータ不足だからな」


『ですが、ごく一部の記憶領域にその時のデータが残っています。再生しますか?』


「見せてくれ」


俺がそう言うとスクリーンに研究所のサーバルームの監視カメラ映像らしきものが

映し出された。


『エマージェンシー エマージェンシー 研究所内に敵性侵入者有り。繰り返す、

敵性侵入者有り。各ブロックを閉鎖、全てのデータはサーバに移動、端末をシャット

ダウンせよ。 警告! 警告! サーバへのハッキングを探知! 回線全てを強制

分離します。 電力低下、予備電力に切り替え・・・・・・・・』


ここで画面が黒くなった。


「おい、これだけか? これじゃ俺が召還された理由が分からん!」


その言葉に応えるように再びスクリーンに映像が現れた。


『Altair FINAL PROTECTION MODE  研究所員リストから除外された職員をサーチ・・

1名確認・・異次元転送装置起動・・・ターゲットのIDパスカードより位置特定・・・

時限トンネル起動・・・誤差修正・・ネガティブ・・・位置修正・・・ネガティブ・・

ターゲットの確保成功率65%・・・続行・・・ロック・・・マスターキー設定・・・・

アファーム・・実行・・』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「な・・・なるほど・・・なんかしらんが、ゼウスにここが襲われた時点で俺は死亡し

ていてリストから削除されていたため抹殺対象にもならなかったと・・・で、異次元

転送装置とか時限トンネル装置とか言う超未来的装置で呼ばれたという事か・・・・

そんな装置があるならゼウスが地球征服を始める前の世界に誰か飛ばしてゼウスの所業

を阻止すれば良いじゃ無いか」


『ゼウスの研究所攻撃でその全てが破壊されてしまったのです』


「あ、そっ・・・」

溜息一つついた途端、お腹が鳴った・・


「そうだった、飯の話してたんだったな最初は。 んで、その八王子の一画に作られた

ノスタルジックスペース? そこに行けばなんかあるのか?」

「多分ね。 私たちも行ったことは無いのよ。お祖母ちゃんが死ぬまでにもう一度、

カップラーメンが食べたいから行きたいわぁって話してたのを聞いたくらいなの。

カップラーメンっていうのがどんな物なのかも分からないわ」


マジか、こりゃあ、ジェネレーションギャップって話じゃ無いぞ・・・


「あーちなみに、普通は食事とかどうしているんだ?」

「各家庭にオート調理器があって、ボタンを押すとその時の健康状態、空腹状態を

ボタンのセンサーがくみ取って、適切な栄養とカロリーのスープを出してくれるから

それを1杯飲んでおしまいだけど?」

カップスープ1杯が1食・・・だと・・俺はこんな未来ヤダ・・ヤダぞ!

「ありえねぇぇぇ 人間の3大欲求の一つなんだぞ、食欲ってのは。それを1杯の

スープで満足なんて出来るか~~~」

「でもちゃんとカロリーも栄養も計算されてるし、飲むとちゃんと空腹感も無くなるから

良いと思うけど?」

「はぁぁ そうやって育ったからそれが当たり前なんだろうな、お前らには。でも、

俺は無理だ! 一汁三菜とまで言わないからまともな食事がしたい! よし、そのなん

ちゃらスペースに行ってみよう」

「でも、まださっきの兵隊とかいるんじゃ無いの?」


「システム、研究所周辺の地図を表示しろ、その何ちゃらスペースも含む縮尺で頼む」

『地図を表示します』

「うーん、研究所から南西に2キロくらいか。徒歩で30分程度だな。システム、周辺に

何か動きが無いか分かるか?」

『地上の建物がほとんど破壊され、各種センサー等も損傷を受けているため正確な情報を

得ることが出来ません。』

「うーん・・・どっちにしても徒歩は無いな・・何か移動手段を確保したいところだ。

敷地内の駐車場の車は、多分破壊されているだろうしな。とにかく、外の様子を確認

したいところだな。よし、俺が非常階段登って、表の様子を見てくるとしよう。システム、

ロックアウトした外側の廊下に誰かいるか?」

『生命体を含む動くものは検知されません。』

「よし、じゃあ、ロックアウトを解除しろ、俺が出たら再びロックアウトだ」

『了解しました、マスター』

「私も一緒に行った方が良くないか?」セブンが俺が返したサブマシンガンを抱えて

そう進言してくるが俺は

「いや、お前は、この子達を守れ。腐っても歳食っててもこの中で男は俺だけだ、

ここは、頑張ってくるさ」

セブンに笑いかけながら、俺は、重厚な扉を開けて廊下へと出て行く。背後でロックアウト

する音を確認し、非常階段を1階まで慎重に上っていく。1階の扉を出て扉の影から

様子をうかがうが人の気配は無い。

俺はそっとロビーに身体を出してゆっくりさっきの端末があったカウンタ越しに外の

様子をうかがう。

どうやら敵は退散したようだな・・・

もはや残骸と化したドアを跨いで外へ出て辺りの様子をうかがう。

駐車場辺りはやはり瓦礫の山だった。 こりゃあ、車以外の移動手段を考えないと・・

っと、あれは?

俺は視界の隅に見えた黒い点をよく見ようと手をかざす。

まさかあれは・・・爆撃機か? ここを爆撃する気なのか? 確か、俺の世界でも地下

施設を破壊する遅延信管を持った爆弾があった気がする。不味い不味いぞ。

俺は急いで研究所に入り、非常階段を一気に駆け下りる。

まったく、俺はこんなキャラじゃ無いんだがなぁ・・・・

俺は息を切らせて、ロックアウトされたドアを解除し、サーバールームに駆け込んだ。


「あ、おかえり~~」「どうでしたの? 外の様子は?」「車とか残ってた?」

そんなのんきな声をかけてくるのを無視して俺はシステムに問いかける。


「システム! このフロアは爆撃にも耐えられるか? どこかシェルターみたいな

ものはあるか?!」


『このフロアは建物の中でも特に、耐震・耐爆構造になっておりますが、先の攻撃で

どこまで耐久性が損なわれたかは不明です。フロア自体がシェルター的な構造になって

いますので、他にシェルターなどは設定されておりません』

「何々、どうしたって言うのよ?」

「多分、ゼウスだと思うが爆撃機がこっちに向かってきているんだ。あと数分でここは

爆撃される」

「なななんですってぇぇぇぇぇ!!!」

「逃げないとダメなんじゃ無いの?!!」

「移動するための手段が無いんだよ。だからここが耐えられるか聞いてみたんだけどな」

「さっきの答えじゃ、曖昧すぎじゃ無い! 何か考えてよ!!男でしょ!!!」

「いや、ここで、男だとか関係無いと思うんだが・・お前達も考えてくれよ」

「こっちは、ただの平凡な女子大生と女子高生なのですよ! 分かるわけないじゃ

ありませんか!!」

「威張って言うなぁぁぁぁあ!」

逆ギレじゃねぇか、これだから女ってのは・・・「うわぁぁぁぁぁぁあああああ」

「ズドドドォォ ズッズズシーン」

天井から凄い地響きと共にコンクリートの破片が降ってくる

「きゃああぁぁぁぁぁぁ」「急いでコンソールデスクの下に潜れ!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ」「くっそぉ始めやがった!」

「システム! 耐久度は?」

『耐久度30%低下。あと2度、爆撃を受けたら崩壊する危険があります』

「くそぉ 何か武器は無いのか? 対空ミサイルとか、サーバールームにそんな武器

置いてあるわけ無いか」

「ね、ねぇ、この机のここ何か光ってる」

コンソールの下に潜っている翔子が指さす場所に赤く点滅するボタンがあった。

もう、打つ手が無さそうな今、なんでも試して見るしか無いか・・・

「これかっ!」俺は躊躇無く点滅するボタンを押した。

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