厄災のはじまり
--西暦1999年--
世間はノストラダムスの大予言にかこつけて、人々の心に付け入るように
未知のウィルスが蔓延し人類滅亡、そして地球滅亡の危機が迫っていると偽情報や
フェイクニュースを拡散させ、恐怖心を煽り、助かりたければ、我々の信者となり
祈ることですと、某大国で新興宗教ゼウスが発足し瞬く間に人々の中に浸透してい
った。
そしてそのゼウスの力を確実なものにした予言は・・・『近い将来人類は未知の
ウィルスにより滅亡する。手始めに10年以内にどこかの国が滅亡するだろう』
という大胆な予言だった。
そして・・・2008年それは起こった・・
北の大国の一部でいきなり発生した未知のウィルスによる突然死は、瞬く間に
北の大国全土に拡散し、国民全てが死滅したのだった。
WHOは緊急事態を発令、大国への出入国を人道派遣以外制限し拡散を阻止
しようとしたがウィルスの猛威は
しかし、猛威を振るったウィルス禍は、わずか1年で自然終息したのだった。
しかし一部の富裕層の中には、危機感をもち、己の資財を投入し、民間の宇宙開発
事業団と外惑星への移住計画を立案し、その実現に向かって研究施設や工場を建てる
者も出てきた。
諸外国の中にも積極的に移住可能な惑星を探す探査船を打ち上げ始め、世界は、地球
脱出のための「ノアの箱舟計画」を国連閣議で決定した。
それまでに積極的に調査が行われていた火星が有力候補になり、火星へ調査隊、そし
ていずれ移住民を送り込むために必要な大型宇宙船の開発が始まった。
長期宇宙航行に備えた冬眠カプセルの技術やAI搭載のアンドロイドの開発に知力を
注ぎ、そして月に前哨基地を建設し、そこから火星移住計画を開始した。