子供達との距離感
さてと・・俺はアルタイルの居住区へ降りると、丸テーブルの椅子に腰掛けガイアと
カオス、セブンの事を考える、あいつらだけで大丈夫かな?やはり心配だな。
でも、考えていたって仕方ないか無事を祈るばかりだ。
しばらく椅子に座っていたが立ち上がると冷凍室と冷蔵室の在庫を調べに行く。
「やっぱ、新鮮野菜が欲しいよなぁ・・・肉とか魚とかベーコンとかハムとかも
缶詰じゃない奴が良いよな」
未来ってのは合理的すぎる。無駄があってもいいと思うんだけどね、ある程度はさ。
そんなことを考えながら俺は冷凍食品のちゃんぽん麺にすることにした。
これならある程度、野菜も摂取出来るからな。冷凍室から厨房にちゃんぽん麺の袋を
運び込んでいると菜穂がやってきた。
「おじさん、何作るの?」
「ああ、菜穂か。今夜はちゃんぽん麺というのを食わせてやるよ。」
「あたしも何か手伝うよ」
「お姉ちゃんの方は良いのかい?」
「あたしがいても邪魔になるだけだから、おじさんの手伝いしてきなさいって
言われたの」
「そっか、じゃあ、そこの隅に置いてある丼って言っても分からんか、大きな
器みたいな奴を4つ用意してくれ」
「ああ、これねオッケ」
「それから箸を用意してくれ。 2本一組の棒の奴な」
「これ、箸って言うんだ へぇ」
「スープが主食だったら、使うことも無かっただろうな。日本人はみんな、箸で
食事をするんだぜ。まあ、スプーンやフォークとかも使うけどね」
菜穂は、箸を人数分、センターの丸テーブルに置きながら俺に話しかけてくる。
「おじさんは、過去でも料理とかしてたの?」
「え?いいや、ほとんど外食かコンビニ弁当だったね。」
「奥さんとか作ってくれなかったの?」
「仕事仕事で家にほとんど帰ってなかったからねぇ」
「ええっ! 奥さんや子供が可哀想」
「そうだな・・・子供はいなかったけど女房には可哀想なことしたのかな・・
まあ、ちゃんとその罰は受けたけどね」
「え?」
「有り金全部持って逃げられちゃったのさ あははははは・・・・」
「そ、そうなんだ・・なんかごめんなさい・・・」
「あははははは 気にしない気にしない! 俺はもう吹っ切れてるんだからな!
はは・・・」
「じゃ、じゃあ元の世界戻ってもおじさん、独りぼっちなの?」
「うっ・・ま、まあ、そうなるかな あはは・・一人の方が気楽でいいんだよ
いや、本当・・・」
俺は、大きな鍋にお湯を沸かし、ちゃんぽん麺の麺を茹で始める。もう一つの鍋でも
お湯を沸かし、冷凍パックのスープを湯煎し始める。
と、その背中越しに菜穂が抱きついてきて
「今は、私たちがおじさんの家族だよ。独りぼっちじゃ無いよ!」
「・・・菜穂・・さ、もうすぐ出来るから、翔子や早苗を呼んできてくれるかい?」
目頭が少しばかり熱くなったのを誤魔化すように元気な声で菜穂にそう呼びかける。
「うん、分かった、呼んでくるね~」
・・・まったく・・・まったく・・・ふぅ・・・俺は腰の辺りに手をあてて、菜穂の
温もりを感じていた。
考えてみれば、あの3人、目覚めた時にはすでに親は死んだか行方不明なんだよな
それに翔子なんか独りぼっちなんだよな・・・




