ランチョンミーティング
そういうわけで、今はテーブルの上にはミートソース、カレー、唐揚げ、ラーメン
(袋のインスタントの奴な)、そしてオレンジジュースや炭酸飲料の缶が並んでいる。
「わぁ、初めてのものもある。いっただっきまーす」
菜穂は目を輝かせながら早速パクついている。
まあ、早苗も翔子も似たようなものだったけど。
で、少し落ち着いた頃に俺は、早苗の前にドクターペッパーの缶を置いて、
「これが君の探していたドクターペッパーだよ。草場君の愛飲料だ」
「・・・え? 香辛料じゃ無かったの?」
「1970年代後半辺りに流行った飲み物だよ。2000年過ぎても
愛飲者は結構いたけどね」
「どうりで香辛料の資料を調べても出てこないわけだわ。でも飲み物が
促進剤になるって、どこからその発想が出たのかしら草場さん」
「まあ、彼は若手の中でも優秀な奴だったからなぁ。頭の構造は俺にも分からん」
「それで、その彼の論文なんだけど・・・大学2年の私には難解すぎてウィルス
無効化なんて無理そうなんだけど・・・・」
早苗は申し訳無さそうな顔でうつむいてしまう。
「そうかぁ 確かにまだ学生なんだものな、いや、無理言った俺が悪いんだ。
気にしなくて良いよ、早苗。」
「そういえば確か、ゲノム解析室に大型の量子コンピュータがあるって言って
たよな・・・ベガ、カオス、お前達で量子コンピュータのプログラムを頼みた
いんだが出来るか? 草場君の論文から耐ウィルス用の塩基配列を導き出して
実際にどのような素材の組み合わせでそれらを構築出来るかシミュレートさせて
ほしいんだが・・・」
「そうですねぇ・・アルタイルとガイアのメインコンピュータの力を借りれば
可能かも知れません。」
「オッケ、じゃあ、試して見てくれ。早苗は、その結果から臨床実験を担当して
くれないか? 君ならきっとできるから」
「煽てられたって何も出ないわよ。まあ、やってみるけど」
「それで良いよ」
「マスター! 移動中に要所にばら撒いておいたセンサーがこちらに向かってくる
敵編隊を補足しました!」
「やはり、空中移動は目立ったか。どのくらいで到着するんだ?」
「推定6分以内です」
「よし、ベガ、カオスそれぞれの機体に搭乗! 翔子、ガイアに乗ってカオスを
フォローしてやってくれ、早苗、菜穂、セブン、ナインは俺と一緒にアルタイルへ。
急げ!」
『ガイアはこの直立状態で戦闘を開始します。』
「分かった、アルタイルは空中へ。この建物を守るため少し前進! ガイアはその場で
建物を死守しろ!」
『敵編隊総数50機接近中。距離60キロ。 30キロに近づいたらミサイル攻撃を
行います』
『ガイア、CIWS展開。短距離ミサイル装填完了』
『敵編隊距離28キロ。アルタイル中距離空対空ミサイル30発発射! 第2弾30発
発射!』
『敵編隊散開。20機を撃破! 距離20キロ 中距離空対空ミサイルさらに30発
発射!』
『敵編隊ミサイル発射を確認、数120発! 後発ミサイルが敵を12機撃墜!』
目の前の大型スクリーンに映る戦況図に細かな点が現れ、それらがこっちに
高速で向かって来る様子が映し出されている。
「やばいんじゃないのかこれ・・・」
「セブン、対空レーザー「オロチ」を起動してください」
「了解、「オロチ」自動迎撃で起動」
『ガイア、短距離ミサイル全弾発射!』
その声に応えるようにスクリーン上のブリップが一つまた一つと消えていく。
「オロチ」も迎撃を開始するとミサイルのブリップがドンドン消えていく、しかし・・
「何発か防衛迎撃ラインを抜けて接近!」
『ガイア、CIWS作動!』
『アルタイル、チャフ、発射! フレア、発射!』
ミサイルを攪乱するためのアルミ箔とマグネシウムの火の粉が辺りに拡散し
ミサイルのいくつかは明後日の方向へ飛んでいく。 だが・・・
激しい音と振動が船内にも伝わってきた。
「ミサイルが周辺の建物を直撃。しかし両機動要塞に損害無し。研究棟も無事です!」
『敵、5キロに接近! アルタイル、短距離空対空ミサイル発射します!』
『ガイア、短距離ミサイル全弾発射!』
戦闘が始まって5分。 全てのブリップがスクリーンから消えた。
「ふうう・・・なんとか終わったな・・・」
俺はそう呟いた。
「周辺にアンノンは確認出来ません。終わったと思います。」
「しかし・・・困ったね。これから五木姉妹、ベガ、カオスはウィルスを無力化する
研究に忙殺されるし、2機の機動要塞のコンピュータもそれに使うとなると、その間、
敵がまた来たら対応出来ない。日数もかかるだろうし・・・」
「マスター、この周辺というか関東地域のゼウスを殲滅したらどうでしょうか?
少しは時間が稼げるのではないでしょうか?」セブンがそのような提案をしてきた。
「しかし、ゼウスの基地がどこにあるのか・・・ああ、そうだ自衛隊基地で見つけた
あの地図だ。ちょっとみんなを集めてくれセブン」




