帝国薬科大学2
「とりあえず無事で何よりだわ あまり進展は無いみたいだけど・・・
さ、お姉ちゃんを誘って、お昼にしようっと。あ、セブンさんは食べられ
ないんですよね、ごめんなさい。」
「気にする必要はありません。プロミネンスキューブは半永久ですし、点検無しでも
5日間くらいは問題ありませんので」
「ほんと、ごめんね おじさん達も5日もかからず戻ってくると思うから」
「そうですね。さ、早苗様をお誘いして食事に参りましょう。」
「おっけ いこいこ」
菜穂が屋上から2階に戻ると早苗はパソコンで草場という人の論文を眺めながら
ノートに細々とした数式や文字を書き込んでいるところだった。
「お姉ちゃん 休憩してご飯食べに行こうよ。」
「え、もうそんな時間かぁ そうね食べに行きましょう。菜穂、案内してね」
「任せて、こっちよ」
そうして、3人は学食に着いて菜穂と早苗は現代なら当たり前のスープ食を不味そうに
食べ終えると、あのどこか頼りないおじさんの話で盛り上がっていた。特に食事に
関してだけだけど。
喫茶ルームで飲み物を飲んでいるとセブンが、「そろそろ定時連絡の時間です」と、
告げたので菜穂は、テラスに出て無線機のスイッチを入れた。
「もしも~し もしも~し アルタイルから大学チームどうぞ」
「ああ、はいはい、聞こえてますよぉ」
「食事終わったのかぁ?」
「うーん 一応ね・・おじさんの料理が食べたいわ」
「なんだ、学食は美味しくないのか? ああ、それでな、こっちの修理が3日くらい
かかりそうなんだが、3日間大学の方に宿泊できそうか?」
「ああ、それは大丈夫だと思うよ。一応食事も寝るところもあるし。」
「そっか じゃあ、また連絡するよ」
「分かったわ。あ、ちょっと待って、お姉ちゃんが何か話があるって」
「もしもし、おじさん? ちょっと聞きたいことがあるの!」
「ど、どうした勢い込んで、何が聞きたいんだ?」
「ドクターペッパーってどんな香辛料なのか知ってる?!」
「ドクターペッパー!?? なんでそんな名前が出てきた!」
「例の草場さんの論文の中に出てきたのよ。最終段階の細菌培養に使うことで
培養時間をかなり短縮できるらしいんだけど、そんな名前の香辛料なんて知らない
し、どこ探してもそんな物無いのよ。だから過去から来たって言うおじさんなら
何か知ってるかなって思ったの? 知らない?」
そう聞くと
「そうか。手に入ると思う。そっちに戻ったら渡せると思うぞ」
との答えが返ってきた。これで一安心だわと、早苗はホッと溜息をつく。
次の定期連絡では、お互い異常なしの報告と、向こうが新しい機動要塞を見つけ
られそうという話で終わった。
「この次の定時連絡で機動要塞が見つかったって報告があると良いわね。」
「また派手な色の円盤なのかなぁ」
「まさかぁ あんな色の円盤が何機もいたら、あたしこのチーム抜ける!」
「そこまでw まあ、あたしもイヤだけどw」
「セブンさんは、どう思う?」
「私は、そういう色合いや形に拘りません。戦闘力さえあれば良いんです」
「なるほど・・・現実主義ね でもそうね機動要塞なんだから戦えなきゃね」
「はい、これからの事を考えると戦力は多い方が良いです・・・・・・」
「どうしたのセブンさん?」
「早苗さん、機械類の電源を落としてください。菜穂さんは、全部の窓のブラインド
を降ろしてください。急いで!」
「何?どうしたのセブンさん」
「とにかく急いで!」
そう言って、セブンは、サブマシンガンを構えてドアの横に立ち、外の様子を
伺うように左右に顔を動かしながら「2人とも床に伏せるかテーブルの下へ」
「音を立てないようにしててください」
遠くの方からジェットエンジンの音が近づいてきて、キャンパスの上を通過して
遠ざかっていった。その後、今度はヘリコプターらしき音が近づいてきてキャンパスの
上を何度か旋回した後、やはり遠ざかっていった。
音がしなくなってきっかり10分たってから「もう大丈夫ですよ。」と、セブンが
言って、早苗と菜穂を立たせてくれた。
「ゼウスだったの?」
「はい、彼らの戦闘機と偵察ヘリでした。どんなセンサーを搭載しているか分から
なかったけれど、多分、見つからなかったと思います。」
「ありがとうセブンさん、助かったわ」
「いえ、マスターに命令を受けていますから。あなた方お二人を護衛するのは当然です。」
「真面目だなぁセブンさんは」
「とりあえず、機械のセッティングをやり直すわ。菜穂、手伝って」
「はーい」
その後、2人は早苗の指示で菜穂が淡々と機材のセットをし、早苗は論文を読みながら
材料や素材を揃えながら実験の準備を進めていく。
「なかなか難しいわねぇ この論文書いた草場さんって人、天才か奇人だわきっと」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「あたしまだ大学2年だよ? まだ、基礎教養課程だもの化学の専攻授業なんかまだ
受けてないもの」
「だけどあのおじさん、お姉ちゃんに期待MAXだったよ?」
「あの時は、勢いで引き受けちゃったけど、断れば良かったって今は思ってるの・・」
「そ、そうなんだ・・・ああ、でもさぁお姉ちゃん高校時代は化学の授業で間違えて
爆弾作っちゃって、教室吹っ飛ばしちゃったんでしょ?」
「あ、あ、あれは、本当にたまたまの偶然が重なって出来ちゃっただけよぉ」
「でもさ、隠れた化学の才能があるんじゃ無いかなぁ うふふ」
そうかしらねぇと、早苗は溜息をついているが、おじさんは、お姉ちゃんを信じてる
みたいだし、実験が成功しないと先に進めないだろうしなぁ・・・
菜穂がそんな風に考えているとセブンが「定時連絡の時間を過ぎていますよ、菜穂」
と、告げる。
「え?もうそんな時間だった? ベランダに出してボリューム大きくしてたけど、連絡
来なかったよねぇセブンさん」
「そうですね、連絡は来ていないと思います。」
「だよねぇ、ちょっとこっちから連絡してみるわ。なんかあったのかなぁ」
「はい」
「こちら大学チーム。 聞こえてる? もしも~し」
こちらからの呼びかけに少し間を開けて返事が来た。
「こちらアルタイル。 すまない、連絡が遅れた。」
「それはまあ許してあげる。で、どんな感じなの?」
そんな問いかけにおじさんは
アルタイルの修理が予定より早く終えて明日の午前中にこっちに来られる事と
2機目の機動要塞を確保できたことを教えてくれた。2機目の外見とかは、
見てのお楽しみとか言ってたけど、とにかく、明日の午前中には来るっていう
ので安心したわ。とにかく、明日が楽しみだわ




