西暦2025年 某超大国
「周大臣、起こしになるのでしたら前もって言ってくださればお迎えに上がり
ましたのに」
「いやいやニコライ君、そう気を遣わんでくれ給え。研究の進捗状況が気になって
ね。あれから5年、君からの定時報告だけでは具体的なことも分からんのでね、
こうして直接聞きに来たというわけだよ。」
「そうでしたか、いやいや研究は順調ですよ。今年中には、完成型が出来る予定です
。1年で自然消滅するウィルスなんて、まさに究極の生物兵器ですよねぇ。ところで
そちらの戦力増強策の方はいかがなのですかな?」
「うむ、陸海空ともに大幅な兵器生産が行われている。なにしろ全世界を支配するの
だからね。君のお国の方はどうなんだね?」
「ええ、我が帝国もかつて無いほどの戦力増強させてますよ。お互いに協力
しあえば怖い物など何もありませんな。」
「世界に脅しをかける切り札となる、その細菌兵器が完成したら、いよいよ計画の
開始ですな」
『ま、最終的に2国で世界征服なんて考えてはいませんがね・・周さん・・・
まあ世界へのプレゼンテーターとして、一役買っていただきますよ・・・そして、
一刻も早く、この惑星を支配し我々の住みやすい環境に改造しなければな』
(ニコライの中に住み着いたツングース隕石とともにこの地球に降り立った知的精神
生命体のノアは、そう呟いた)