アルタイル船内
「反省してない!」「大人なんだからもっと、自覚を持ってほしいですわ!」
「わ、悪かったって言ってるだろう?」
床に土下座させられ、もっかアンドロイドを含む女性陣6人に説教されてます・・・
「あ、そそ、そうだ、腹減っただろう? 飯にしよう飯に」
「もう・・仕方ないですね。 今度、勝手な行動をしたら磔拷問ですからね」
「どこで覚えるんだそんな言葉・・まあ良い、待ってなすぐ作る」
俺は、厨房で、パックのご飯とレトルトカレーをレンジで温め、持ってきた
食器(さいわい割れてなかった)に盛り付け、テーブルに運ぶ。コップに麦茶を
注いで、小皿に福神漬けを添え出来上がりだ。
「待たせたな、食ってくれ。カレーライスって言うんだ。小皿の奴を少し添えると
また美味いぞ。」
「くぅこの辛さが良いですねぇ」「おう!初めての味だけど美味いなこれ!」
「昔の方達はこのようなものを食されていたのですね」
「おまえら、人の話を聞け! バクバク食いやがって」
「「「はぁ? 何か?」」」
食事に夢中になっている3人娘に文句を言ったら、凄い顔で睨まれてしまった・・
俺って立場弱いな・・・ああそうか、食器が無いならカップ麺にすれば良かったのか
な。食器は、機会を見てセブンとかナインを連れて探しに行けば良かったのだろうな。
確かに軽率な行動ではあったか。でも仕方ないよ、平和ボケした世界から来たんだから
アンドロイド達はそんな俺たちの様子を半ば呆れた顔で眺めていた。
夕飯も無事終わって俺は洗い物を済ませると、丸テーブルに戻った。
何で俺が家事担当になってるんだろうという疑問はさておいて、
「ベガもセブンもナインも席に着いてくれ。作戦会議だって、セブンとナインはどこだ?
菜穂もいないな。」
「あたしお腹いっぱいになったら眠くなっちゃったわ」「会議つまんなそう」
「あたしも会議に必要なノォ」
「お前らなぁ・・まあ少しの間、辛抱しろ。で?アンドロイドと菜穂は?」
「ご飯食べ終わったら自分の部屋に2人を呼んでたわよ?」
「部屋に? なんでだ?」「さぁ?」と、早苗と会話していると
「お待たせしましたわ さぁ2人とも恥ずかしがらずに出てらっしゃいな」
「お、おい菜穂。なぜこんな格好をしなければならんのだ、足元が心許ないんだが」
「わわ、私もこのような格好は・・・・」
なにやらワイワイガヤガヤと騒がしく菜穂の部屋から3人が出てきた。
「おい、お前らも早く席に・・・・・着け はぁっ?」俺は出てきた3人に
視線を向けるとそのまま絶句してしまった。だってだぞフリルフワフワで黒を
基調としたゴスロリっぽい服装の菜穂。
まあ良い、許そう。個人の趣味だしな。
しかし、その菜穂の左右の手でそれぞれに引っぱられて出てきたセブンと
ナインの格好は・・・
セブンのあれは確か・・ビクトリアン風のメイド服だったな・・で・・
ナインの方はギャルソンヌルックとか言うスタイルのメイド服だったと
思う。これでも前の世界じゃオタクだったんで、メイド服にも少し詳しいのだ。
いや、そんなことよりもだ
「菜穂! なんだそのメイドを両脇に従え、悪のお嬢様登場~みたいな格好は」
「おほほほほ 動揺していますわね、ロリコンオタクのおじさま。お覚悟を!」
「きさま・・・俺の正体を見抜くとは、何奴! って、良いんだよそんな小芝居は」
「決まってるじゃ有りませんか。セブンさんは、「戦うメイド」さんですわ。
ほら、メイド服の胸に構えたサブマシンガン。似合わないなんて言わせませんわ」
「うっ・・確かに」
「そしてナインさん。みんなのサポート役をしてくださるその姿はまさにメイドさん
って事で、色気も素っ気も無い戦闘服みたいな服より、こっちの方が可愛いと思って。
本当は、翔子ちゃんにも着せたかったのよねぇ ほら、翔子ちゃんボクっ子っぽい
とこあるでしょ?似合うと思うんですのよ。まだ予備がたくさんあるので、 今度、
着せてさしあげますわぁ」
「い、いえ、ぼ、ボクは遠慮するよぉ」怯えたような声で翔子が着るのを否定する。
「ま、まあ趣旨は分かった・・みんな席に着いてくれ」
菜穂の奴、大人しい可愛いだけのお嬢様だと思っていたが・・・オタクっぽい感性が
あるみたいだな・・要観察だ。だが今は、その前にすることがある。俺は席に着いた
一同を見回してからおもむろに会議を始めた。
「まずは大前提の確認だけど、俺がこの世界に呼ばれたのは、ゼウスの世界統一
国家を崩壊させて、世界を元のような状態にするってことで良いんだよな?」
「その認識でよろしいと思います。」ベガが応える。
「しかしそんな大きな敵に対抗するのが、ここにいる6人って事だよな?
なんとか出来るのか?」
「アルタイルに残されている戦術ファイルから考えるに、一番の問題は、大国の
研究所に設置されているというウィルス兵器だと思われます。 世界各国は、その
せいで大国に抵抗できない状態なのです。ですからその兵器を無力化できれば、
世界中が大国に対抗することが出来ると思われます。」
「それを俺たちでやれってか? この世界に連れてきた奴は何考えてるんだ!」
「きっと、何も考えてないと思いますよ。たまたま目の前に哀れなおっさんの魂が
いたので呼んで見ちゃった みたいな?」ベガが笑いながらそう言う。
「そんな簡単な理由なのかぁぁぁぁ ふざけんなぁぁぁぁ」
「いやだなぁ 冗談ですよぉマスター。この研究所の創立当時から在籍した
貴方をこのアルタイルか望んだんだよぉ」
「アルタイルが・・だと」
「そうそう、じゃなきゃマスターキーなど与えられるわけ無いじゃありませんか」
「そ、そうか。 しかし戦力的にやっぱり心許ないんだけどなぁ」
「日本政府は、このアルタイルと同様な機動要塞を国内に5つ建造してたんだけど
ねぇ、それで相互間は、気象衛星の一部の機能を利用し情報を共有してたんだけどぉ」
「過去形ってことは・・」
「うん、現時点では、その通信が途絶えちゃっててぇ。途絶する前に北海道と東京の
機動要塞からやられちゃったと連絡があったのが最後なの。」
「なんか、お前が話すと緊張感が無くなるんだが・・・で、残りの2機はどこにいる?」
「筑波学園都市と大阪ですねぇ」
「まずは、その2機の存在確認かなぁ あと、この要塞の火器以外に俺たちが
携行できる武器とかは、あるのか?」
「セブンのサブマシンガン以外、武器は用意されていませんね」
「やっぱそうかぁ ゼウスの連中は世界中に信者がいるって話だから、どこからでも
武器が調達できるんだろうなぁ 日本じゃ自衛隊か在日米軍辺りしかまともな武器は
無さそうだしな。警察や機動隊の武器じゃたかが知れてる。」
「そもそも、大国にあるウィルスを無効化って言っても、海を隔ててるじゃないか。
飛行できないこいつじゃ攻め込むことだって出来ないだろう?」
「筑波学園都市に行けば、修理ドックがあると・・思うんだけど たぶん」
「そ、そっか。」
「ねぇねぇところでウィルス無効化なんて、出来るの?」当然の様な疑問を翔子が
問いかける。
「ああ、それについては、早苗に協力してほしいんだ」
「え?あたし? 無理だよ。化学専攻って言ったってまだ、基礎教養課程なんだよ?
ウィルス自体どんな物か知らないんだし」
「ベガ、ここのサーバに草場君が開発していたウィルス根絶計画の仕様書がアップ
されているはずなんだ、検索して見てくれ」
「検索します・・・・はい、ウィルス研究セクションのデータが保管されています。
ほぼ、完成しているようです」
「と、言うわけだ。このデータを基にウィルスを無効化する方法を模索してみてくれ。
化学の分野で何とか出来るんじゃ無いかと思うんだ」
「だから専門的なこと何もしてないんだってばぁ、ここには必要な設備が無いし・・
あ、大学のキャンパスになら実験室とかにならあるのかなぁ」
「なるほど、ここ八王子周辺にはいくつか大学があるからな。よし、当面の方針は決まった。
五木姉妹は、大学でウィルス無効化の模索。俺は、こいつを筑波に持っていって修理出来るか
確認と同時に筑波にあるはずの機動要塞の存在を確認してくる事にしよう」
「ところでちょっと聞きたいのだが、この時代、洗濯とかはどうしているんだ?いや、
さっきノスタルジックスペースで攻撃を受けたとき服が埃まみれになっちゃってな、
綺麗にしたいんだが・・」
「洗濯? 洗濯って何?」
「はぁ? お前達も来ている服とか下着、汚れたら洗うだろ?それが洗濯だけど?」
「個室に備え付けのクローゼットに吊しておけば勝手に綺麗にしてくれるよ?
インナーもクローゼットの中のカゴに入れておけばOKだし」
「なっ なん・・だと そうなのか・・・分かった。ありがとう」
恐るべし未来ってところだな・・後で部屋で確認してみよう。




