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23.5 幕間 永劫墜落殉教
ある日のこと。空から死体が墜ちてきたことがあった。
いつもと変わらぬ信仰の中。ぼとりとそれは現れた。
潰れた頭。折れ曲がった羽根。汚らしい体液。
嗤うように回り続ける大きな敵影と、ひどく哀愁を誘う、小さな骸。
きっと、世迷い言でも信じていたのだろう。
翼を持つ自分たちは、墜ちることはないと。
その間違いを説いてやれなかったことが悔やまれる。
目を逸らし続けるお前たちに悍ましさすら感じる。
そうだ。お前たちは何もかも間違えていると気づくがいい。
生きるとは、墜落だ。
我らはすでに逃れ得ぬ自由落下に身を投じている。
生まれ落ちるとはよく言ったもの。
誕生の時点で最高速。制御不能の投身自殺。
始まりはとうに星の高みに。
その軌跡に遺るものは何一つなく、すべては時の摩擦により燃え尽きる。
だからこそ、私は。
この遺言に従い、永遠を目指すと誓ったのだ。
終着は遠い。この暗闇の底は、まだ。
……そういえば、一体いつのことだっただろうか。
自らのこのカタチが。
まるで救いを求め神に祈るようだ、などと思ったのは。




