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7話 ピザピザピザピザピザピザピザピザ

ぽいっ

「ピザくれーーーー!!!」「こっちもーーー!!!」「ピザお替り―!!!」

「はーーい」「いまいきまーーーす」


空前のピザブームが王都にやってきた。というかピザブームが到来して2週間経過しても全くブームがやまない、一緒に働いてるリンさんは半分死んだような表情でピザを接客してる。あと店長も店の裏にあるピザ窯の前から一切離れてない、後人手不足過ぎてリンさんの友人であるアキをヘルプで雇ってギリギリの状態で店を回している。それプラス皿洗いとかは俺が泊ってる宿のオーナーであるばあさんから紹介してもらった孤児二人を雇っている。


一応すでにピザのレシピを料理ギルドで販売しているのだがピザ窯をつくるのに手間取っているという理由でまだ販売できているところはものすごーく少ないらしい、そのせいでうちの店や販売を開始した店にお客さんが集中してるようだ。


…頼む頑張って早く売ってくれ…過労死する…店長がピザ窯から離れられないから俺がそれ以外の料理を作ってるんだぞ…調理技術がそこそこあるから大丈夫だろって理由で店長からお願いされた…断ればよかった…フライパン4本とスープが入った寸胴二つ同時に見るとか始めてやったよ…それ以外のパンとかサラダの盛り付けはリンさんとアキがやってくれてる。ありがとう…


「タイチ――ステーキよく焼き一枚追加――、それとスープもーー」

「タイチ君――こっちは鳥の香草焼き1つーー!!後レアステーキ1枚!!!」


上からアキ、リンさんからのオーダー追加である…やばいくじけそう、今ありえないくらいの勢いで俺の貯金は潤ってるが俺の精神は乾ききっている…


この店のメニュー数が少なくて助かった…メニューが多かったら俺たぶん死んでた。というか日本で暮らしている時の俺なら死んでた。間違いなく、明らかに俺の生命力は強くなってる、2時間くらい寝たら体力全部回復とか頭おかしい、これ絶対竜の魔臓の影響だ…


ちなみに今も魔臓から魔力ひねり出して身体能力強化しつつ働いてる、いまだに完全に制御できてる気はしないが事故が起こらない程度には扱えるようになった(常に超スローで動くということを意識すればできた)。


ただし魔法はつかえない魔法を使おうと魔方陣に魔力を込めた瞬間に魔方陣が割れる。


とそんなことを考えながら必死に働いていると最後のお客さんが帰っていった。


「おわったぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」

「つかれたよおおおおおおおおお!!!!」

「もうお皿見たくない…」

「僕も見たくない…」

「…」


上からリンさん、アキ、孤児院から来たコンちゃん、テン君、店長である、あっ犬獣人であるコンちゃんテン君のしっぽがへにゃへにゃになってる…かっわよ、リンさんのエルフ耳もへにゃへにゃになってる…獣人もエルフも疲れてるのがわかりやすいな…普通の人間である俺、店長、アキは外見上わかりにくいからな…ていうか店長一言もしゃべってないけど生きてるかこれ??アキは肩まで伸ばした赤い髪がぼさぼさになってるな…


「おし、お前ら最後店じまい終わらせたら賄でステーキ食っていいぞ」


あ、店長生きてたんだ、声かっすかすだけど


「叔父さん私ピザ食べt「無理だ、もう窯は見たくねぇ」」


店長が食い気味にリンさんのピザ発言を封じたな…ステーキか…肉余ってたかな…


「タイチ坊俺ら店じまいしとくから人数分焼いといてくれ…」

「了解っす、焼き方はいつものでいいですか?」


俺がそう聞くとアキさん以外の全員が「いつものーーー」と返事をしてきた。


「あたしは今日レアがいいーーー」

「了解―、というかアキはいつもミディアムなのに…珍しいな」

「んーーまぁ気分だよ、じゃあよろしくタイチーーー」


おぉ、ものすごい速さで作業に戻っていった…そういえばアキと会ってからもう一週間くらいか…懐かしいな…確か初めて会った時は俺をリンさんの彼氏だと勘違いしてたっけ…もうその勘違いは解けたけど…勘違いが解けたときは「やっとリンに春が来たと思ったのに…」と嘆いていた、どうやら親友であるリンさんに男の気配がまっっっったくなかったことが長年の心配だったらしい、「顔最高、性格最高、スタイル最高なのに高嶺の花すぎて全くモテる気配がない」という名言をアキは残している。


「たいち兄ちゃん、洗い物終わったよー」

「終わったーー」


お、そんなことを考えているとコンちゃん、テン君が声をかけてきた。どうやら皿洗いが終わったようである。


「二人ともお疲れ様―、そこのテーブルで休んでおいて、ステーキ焼けたらもっていくからねー」


そういいながらわしゃわしゃと二人の頭をなでる、相変わらず撫で心地が最高だな…獣人最高…


「まってるーーー!」

「ぼくもーー!!」


うっきうきでテーブルに向かっていった。かわよ…癒しだ…


「おーいタイチ君、顔がやばいことになってるよー」

「ほっとけ、ってリンさんも顔やべぇことになってるぞ」

「いやだってあれは可愛すぎない???」

「いやホントそれな」


俺とリンさんはがっしりと握手を交わした。



30分後全ての作業を終えてから全員でステーキを食べて孤児院コンビを孤児院にまで送り届けて、アキも送り届けて、店まで戻ってきた。疲れたが、俺にとってはこれからが本番である。そう、修行だ!!!!!いやだあああああああああ


「おう、来たかタイチ坊、じゃあやるぞ今日は剣だ」

「おっす、師匠!!!」


まぁ頑張るんですけど…早く強くなって借金返したいし…今日も店長からのしごきに頑張って耐えよう…そういえば昨日は槍だったな…今日は剣か…この武器をころころ変えて修行する理由なのだが店長曰く、一種類の武器しかつかえないやつとか弱いだろ、戦場だと使ってる武器壊れたらその辺の武器拾って戦わないといけねぇのに、らしい…怖いわ


「ほれ、かかってこい」

「うっす!!!おりゃあああああ!!!!うぎゃあああああああ!!!」


はいワンダウン、俺が身体能力強化して斬りかかったのだが受け止められて受け流されて蹴りでぶっ飛ばされた。痛い…ていうか店長一連の動作がなめらかすぎる…俺の身体能力強化はバカみたいな魔力量をそのまま全ブッパしてるから平均よりも数倍も強いはずなのに普通に見切られる…


「おーいリン!!回復してやれ!!」

「おっけー、叔父さん、タイチ君大丈夫かーー?」


リンさんありがとう、俺リンさんの回復魔法がなかったらたぶん修行2日目で死んでたと思う…


「いやータイチ君の身体能力強化も結構様になってきたねぇ、剣術は全然だけど低ランクの魔物ならたぶんやれるよ、私今のタイチ君の突撃よけれる気しないし」

「おぉ、ちょっと嬉しい…」

「おいリン甘やかしてんじゃねーぞ」

「だって叔父さんちっともタイチ君のこと褒めないから代わりに私がほめてるんだよ!」


たしかに店長はものすごーくスパルタだ…基礎が終わってからの修行は基本的に全部よしかかってこい形式だけだったし、ただ基礎に関しての指導はものすごく丁寧だった。基礎だけで10日使ってさらにこの基礎修行を短くまとめた修行を毎日続けろって言われたし、ちなみに今日も朝に基礎修行してきた。1時間ほどで終わる修行だが正直しんどい…主にピザのせいで、ピザの件がなかったらもっと余裕をもってできてた。


「ほいっ、回復終わり!!頑張ってタイチ君!」

「ありがと、逝ってくる…」



このあと15回くらい回復魔法にお世話になった。ありがとうリンさん



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