6話 ピザ!!!!!!!
料理回
「なーにつくろう…」
どうも皆さんこんにちは魔法は魔臓デカすぎて使えないよwと言われその後ベッドで泣いた俺です。正直今だに異世界来て魔法使えないというあまりにもな現実に若干萎えてはいるが借金があるのにこんなところでくよくよしてる場合か?と考えなおし昨日頼まれた新メニュー作りのために職場である食堂のキッチンに立っています。
「おー、タイチ君が厨房に立ってるの違和感すごーい」
「はーい、そこうるさーい」
後なぜか金髪エルフがすっげーだらけた状態で待機してる。なんでいるんだこの人…いやまぁ味見係と思えばありがたいか…
「あ、タイチ君叔父さんからの伝言だけど厨房の食材は自由に使っていいってさーお金は私が預かってるからほしい時言ってねー」
「りょうかーい」
ありがと店長好きに使わせていただきます。
さてここの食堂は基本的に店長が一人で切り盛りしているためメニュー数がかなり少ない、一番人気はステーキ、二番人気は店長特製スープ、三番人気は焼き魚といった感じだが、店長の腕がいいのか全部めちゃくちゃうまい、ほかの店と比べても味が2段くらい上だと常連さんが言ってた。
ただ酒の当てがないのがなぁとも言っていた。のだが店長はお酒大量に飲むやつがいたら酔っぱらってめんどくさいことになるからあまり当ては出したくないそうだ。
ふーーむこうなってくると俺が考えてたとりあえず細く切ったジャガイモ揚げろ計画はだめだな、絶対酒飲むやつ増える、フライドポテトとか絶対に居酒屋にあるメニューだと思うし、行ったことないけど…というか揚げ物は処理が面倒っていう所もあるしなぁ…それと米は使えない市場で売ってなかった。醤
油と味噌もなかった…味噌汁飲みたい…米食いたい…なるほどこれが噂の日本人が海外に行ったときになる例の奴か…とそんなことは置いておいてこうも縛りがきつくなってくると日本料理がほとんど作れないという事態に陥ってしまう。だって基本的に醤油か味噌使ってるし…
うーん、むずかしい、この世界の人の口に合ってなおかつおいしくて作りやすい料理…
いったん俺の作ったことある料理を並べてみるか…カレー、から揚げ、豚カツ、オムライス、各種丼、ハンバーグ、ビーフシチュー、ピザ…ピザ?ピザ!?ピザ!!!!!これだ!!ピザだ!!!!米も醤油も味噌も使わずこの街で手に入る食材で作れる可能性がある料理!!!これだ!!!!ピザは焼けば大丈夫だし!!!そうピザ窯かオーブンで!!!!ピザ窯??オーブン??ピザ窯……オーブン…
あるわけねぇ……
「…んータイチ君大丈夫?いきなり崩れ落ちたけど…」
あっ、そういえばリンさん居たんだった…なんか奇妙なものを見る目で俺を見てる…
「いや、できそうな料理思いついたんだけど焼くための器具がないことに気づいたんだ…」
「あー、なるほどそれってどんな焼き方する料理なの?」
どんな…あーー説明が難しいな…えーと確か
「ものすごーい高温の空洞に入れて焼く料理だね」
「うん、そんなものを料理する器具はうちにはないね」
知ってた、いやでも昔ピザ窯を作るテレビ番組を見たことあるな…さすがに作らないけど…
「ただ、私の精霊魔法ならたぶんできるよ、同じようなこと」
うん?今なんて言ったこの金髪エルフは…え????
「え??まじで?」
「うん、まじ試してみないことにはわからないけどね、一回やってみる?」
「やる!!!準備するからちょっと待ってて!!!」
うおーーーーリンさん最高―――――――
小麦粉はどこだ!!!!強力粉と薄力粉に分けられてなくてもいいからとりあえず小麦粉!!!!!後ドライイーストとかもないから膨らまずにカリッカリになるかもしれないけどカリカリのピザも普通においしい、はず!
とりあえず今願うことは何かの間違いでふっくら焼きあがってくれること!!ほんとは希望を込めて何時間か生地を寝かせたいけどそんな時間はないのでとりあえず1時間だけ寝かせる!!ほぼ誤差!!!酵母を自作する人とかいるけど俺作り方知らん!!!市販で売ってるものを自作しようとは思わん!!!
とりあえず小麦粉にぬるま湯ぶち込んでこねる!!!塩と砂糖も入れてた気がするからとりあえず少量入れる!!そんで丸まっていい感じになったら寝かす!!!ドライイースト入れてないから絶対発酵しないけど!
次はピザソースづくり!!!ピザソースとか日本では市販で売ってるけどこんなところにはないのでトマトに似た味と見た目をしてるトメトと呼ばれているほぼトマトな赤いやつを全力でつぶして塩を加える!!よしトマトソース完成!!!
次に具材!!厨房の食材置き場にあったハム!!とチーズ!!何チーズかわからないけどとりあえずチーズ!!!あと薄切りにしたトマト!!!準備完了!!!最初だからシンプルに!!!!
さて準備完了!!!!生地をこねてよく見る形に成形、トマトソースを塗ってハム置いて薄切りトマトを置いてチーズをぶち込む!!!完成!!!
「リンさん!!!頼んます!!!」
「ん、あっできたの?おっけーちょっと待ってね」
リンさんはそういうと急に空中に向かってしゃべり始めた
「うん、そう高温の空間にあれを入れてほしいんだって、お願いできる?…ほんと?ありがと!」
あれたぶん精霊とはなしてるな…ファンタジーだぜ…
「じゃあよろしく火精霊!!」
リンさんがそういうと俺が作ったピザが急に浮き、周りが光りはじめた…すっげぇ…良いなぁ魔法…
「タイチ君、火精霊がこの料理見たことあるらしくてそれと同じ焼き方してくれるって!」
「え、ほんと?すごいね精霊…」
「まぁ基本的には空をフヨフヨして旅してるから結構いろんなこと知ってるんだよ精霊達は、すごいよね」
すごいってもんじゃねえ気もするが今はヨシッ!!スパイ活動とかはかどりそうとか思ったりはしてないです。
「あ、あとなんか材料が足りない気がするから命精霊が作って入れておいたって」
ごめん、それはホントに意味わからん…どういうこと???ゼロからものを作れるの???
「おいしく出来たら僕らに頂戴だってさ」
「いや、精霊って食事できるの!?」
「うん、彼らにとってはほとんど娯楽に等しいらしいけど食べれるらしいよ、なんか昔滅んだ国の料理に似てるから久々に食べたいんだって」
思ったより、しゃべれるんすね精霊って…あとその精霊いったい何歳なんすかね…
とそんなことを考えていると精霊たちが調理を終えたのかピザの周りの光が消えて下に置いてあったお皿に着地した。
「あのなんかピザ半分消失してるんですけど…」
「精霊たちが群がって食べてるね…めちゃくちゃおいしそうに食べてるよ」
「…ならよし、さてリンさん俺らも食べようか」
「いえーーい」
…と切り分けるピザカッターがないからナイフで切ってっと、あれ…なんかふっくらしてるんだが…おいこれもしかして命精霊とやら酵母作ってぶち込んだのか?発酵時間とかって…いや考えるのやめよう…
「おいしっ、うぇ!?おいしっ!?」
あ、リンさんがもう食ってる…うん!おいしそうに食べてる女の子って最高だね!!!!めちゃくちゃに伸びたチーズに悪戦苦闘してるけど、さて俺食べよ!!
「いやうっま…なにこれ…明らかに素人が作ったピザじゃないだろ…」
「…タイチ君、君天才だった?」
「…そうかもしれない」
と冗談は置いておいて多分これは素材が良すぎるのと、精霊の焼き加減が完璧だっていう可能性が高いな…この世界の食べ物まーーじで全部日本でいう所の高級品と同等のうまさしてるし…精霊の調理技術に関しては普通に意味わからん…
「タイチ君これ売れるよ…絶対売れるよ…料理名は何て言うの?」
あ、料理名言ってなかった。あとなぜかリンさんの目がお金のマークになってる気がするけど気のせいかな?
「ピザって料理だよ、これ今は具材ハムとトメトだけどいろんな物載せてもおいしいよ」
「へーーーピザかぁ、ちょっと待っててね隣にいる叔父さん呼んでくるよ!」
リンさんはそう言ってビュンとものすごい勢いで隣の建物に住んでる店長を呼びに行った。これはもしかしてボーナス獲得ですか!!!!????やったーーー!!
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「いやうまいけど精霊に作ってもらわないといけない料理はダメだろ」
「ういっす…」
「確かに…」
没になった。
が店長が店の裏にピザ窯を土魔法を使って作り、酵母を知り合いのパン屋から入手したとかなんとかあって食堂のメニューに載った。
あと料理ギルドに登録されほかの料理人がピザのレシピを買う度に俺にお金が入るようになった。クッソ大金が入った。継続的にお金も入るようになった。
タイチ君大勝利!!!!!!!!!