番外編 運命の赤い糸②
そろそろこのお話の終わりに近づいています。
読んでいただきありがとうございます。
「はじめまして皆さん。今日からこの支部に配属となった事務員の日下部暁子です。新人なのでわからないこともあると思いますが。よろしくお願いします」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジカヨ」
もうこれは運命だった。
運命と言うしかなかった。
だって運命以外どこに「名前も知らない惚れた女性にまた出会える」ということを表現できる言葉がある?
今、俺の視界には彼女がいた。
そう。あの一人登山のときの女神だ。
まさかの今日来るという新人は山で出会った女神・日下部さんだったのだ。
こんなことある?
俺の頭はパニック状態だった。
ちなみに今の千歳はこの衝撃が大きすぎて、暁子にフラれたことを忘れている。
そのことを知ってか知らずか。
「うーん。それじゃぁ日下部さんにここの案内を・・・・千歳頼む」
「ワォ」
爆弾を投下した。
暁子は千歳のところへと歩いてくる。
そして千歳の顔を見た途端に足を止めた。
「あっ、あなたはあの時のっ!」
「なんだ知り合いか?」
「いっいえ。少し顔見知りなだけです」
「以下同文だ」
「そうか、それなら適任じゃないか。案内頑張れよ千歳」
そう幹也が言うと、ぞろぞろとこの部屋からみんな出ていく。
またたく間に千歳と暁子の二人だけになった。
「・・・・・」
「・・・・・」
気まずい。とにかく気まずい。
なんか日下部さんはモジモジしてるし。
やはりここは男である俺から会話を始めるべきか。
「「あっあの!」」
「・・・・」
「・・・・どうぞ。お先に」
言い出すタイミングが被った。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
一番気まずいやつだぁああぁあああ!
チラッと、日下部さんの様子を見てみると何かを決心したような顔をしていた。
そして一歩ふみ出してくる。
「あっ!あなたのお名前を教えてくだシャい!」
「シャい?」
「・・・・・ください」
日下部さんが顔を真っ赤にしている。
いや、可愛すぎるだろっ!
この世のものとは思えない。
女神じゃないか。
「おっほん!えーと、俺の名前は羽田千歳だ。これからよろしく日下部さん」
「・・・・・・あの」
日下部さんの顔を見ると、さっきの照れた可愛い顔とは裏腹になんだか怒っているような顔だった。
なんか俺やっちまったか?
「あの時のことはお互いに忘れましょう。もう仕事の同僚なんですから。だからその・・・日下部さんはやめましょう」
「だったらなんと呼べば?」
「暁子でいいですよ。私も千歳と呼びますし」
「わかったよ・・・・きょっ、暁子」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あれ?
暁子が固まったぞ。
手を目の前で振ってみる。
「おーいどうした?暁子?」
「・・・・・はっ!いっ、意識を失っていた!」
「意識を?」
「いっいえ。こちらの話です。お気になさらず」
「そうか?じゃあ、そろそろ行こうか暁子」
「そうですね・・・・・・ちっ千歳!」
これが俺たちのある意味での本当の出会いだった。
こうして俺と暁子は同僚となった。
◇◇◇
千歳と言ってしまった。千歳と言ってしまった!
あぁもうっ!
心臓がうるさい!
私は自分の気持ちが彼にばれていないか心配になる。
前を歩く大きな背中。
そして私をみるまっすぐな目。
こうして見るとやはり彼はカッコいい。
「・・・好きになっちゃうかも」
だからか。
そんなことを呟いてしまった。
「なんか言ったか?」
「いえ。何でもないです」
「?」
だけど今はまだ、ただの同僚。
まずは連絡先の交換からかな!
読んでいただきありがとうございます。
参考とモチベーションのためにも評価とブクマの方お願いします。
このお話もあと二話で今度こそ完結です。
よろしかったらそれまで読んでいただけると嬉しいです。
近々、次こそ短編を投稿予定です。
楽しみにしていてね!




