番外編 そのごろ親友は
想像以上にこそ作品が好評だったので番外編を二本ほど考えております。
読んでいただきありがとうございます。
これは幹也たちがイチャイチャしている時のもう一つの物語。
「ふぅ。もう結構登ったな」
俺は額から滴る汗を拭うと、しっかりと水分補給をする。
しかし・・・こうしてみる景色は最高だな。
目下は辺り一面の赤い紅葉。
さながら赤い絨毯が地平線まで広がっているようだった。
そんな景色を見ながら俺は一口、熱々のコーヒーを飲む。
疲れた身体に良くしみわたる。
このロケーションも相まって味は最高に感じた。
「幹也今頃どうしてるかなぁ」
帰り際の親友の顔を思い出しながら千歳はそう呟く。
もちろんイチャついているなんて今の千歳は知る由もなかった。
まぁ。でも今はそんなことより自己紹介。
俺の名前は羽田千歳。二十一歳。彼女はいない。
たった二年で軍の特務大佐まで昇級した実力派の超優良物件だ。
なのになぜか彼女ができない。
それが俺の悩みだ。
親友に一人『俺、この戦いが終わったら彼女と別れるんだ』って言った馬鹿がいるけど、あの時は本当にイラついたね。
しかもその彼女がツンデレだって?
はぁ。全くもって羨ましぃ・・・くなんてないんだからね!
そんなこんなでなんで俺がこんなところにいるかって?
そんなの決まっているだろ。
「一人登山もいいもんだなぁ」
それに応えてくれる人間はもちろんいない。
だって一人登山だから!
悲しい?
へっ悲しくなんてないね!
いやぁ一人登山最高だねっ。これこそ秋の醍醐味だろ。うん、これこそ秋の・・・
「ぐすっ。ぐすっ」
べっ別に、泣いてなんかないんだからね!
この雄大な自然の景色に感動しちゃっただけなんだからねっ!
「・・・はぁ。もう帰ろうかなぁ」
なんだか言い訳をしている自分が虚しくなってきた。
俺はそそくさと下山の準備を始める。
その時だった―――
「あの・・・隣いいですか?」
「ん?あっはい。いいです―――よぉお!」
これが一目惚れっていうやつか。
千歳は悟りをひらいた。
まだ来ていない冬を超えて千歳の頭は春になった。
それは正に、天使が降臨したようだった。
太陽がバックになっていてもはや神々しいまであった。
「好きです。付き合ってください」
気づくと千歳はそんなことを口走っていた。
(このシチュエーションならいける!)
そんな甘い幻想を千歳は抱いていた。
だが現実は甘くない。
「ぇっえぇと、ごっごめんなさい!」
女神は去ってしまった。
残されたのは虚空に伸びる千歳の手だけ。
しかし、千歳の手は握りしめられる。
まだ諦めてたまるかと。
それほど彼女に惚れてしまった。
「あの人・・・またここに来るかな?」
あの女神の使っていたバッグを思い出す。
相当の年季が入っていた。
もしかするとここの常連かもしれない。
「よしっ」
そう言うと千歳は立ち上がった。
新たな思いを胸にしまって。
「明日からまた雑務かぁ・・・」
だがいくら特務大佐が新しい恋をしようとも、仕事だけは祝福してくれなかった。
◇◇◇
なんだったんだあの人は?
私は逃げるように山を下っていた。
あんなにも衝撃的な告白をされたのは初めてだ。
私は自分の容姿が少し他の人よりも優れているのを自覚している。
だからか、今まで結構な数の告白を受けてきたが初対面で告白してくる人なんて初めてだった。
しかし私はすべてそれをフッてきた。
どうしてかって?
すべてタイプではなかったからだ。
来る奴来る奴みんなまっすぐな芯の通った男ではなかったからだ。
しかし、どうしてだろう?
さっきからあの男の告白を思い出すたびに胸の高鳴りが止まらない。
思い出す。
あの男のまっすぐな目を。
「あれ?あれあれあれ?」
私は自分の顔が熱くなってきていることに気づき立ち止まった。
立ち止まったはずなのに胸の高鳴りは収まらない。
「あの人・・・少しかっこよかったかも・・・」
思わずそう言うと更に顔が熱くなってくる。
「もう一回会えるかな?」
私は下ってきた山を振り返ってみながらそう呟いた。
まさか、息抜きで書いた作品がここまで伸びるとは!
朝起きたら爆上がりでめっちゃ驚きました。
千歳の新しい恋は実るのか!
好評だったら続きを出したいと考えております。
参考とモチベーションのためにも評価とブクマの方よろしくお願いします。
新作投稿しました!
「普通の幼馴染は社会人になっても家に入り込んでくるものなのか?」
ぜひ読んでください!
それではまた。次のお話で。




