1日目朝の会議
亜佳音が、言った。
「そうね、だったら話すけど今のところ霊能者は夏菜ちゃんが真かなと思ってるわ。というのも、メタにはなるけど騙れるような子じゃないし、霊能者は一敬さんが言ったみたいにローラーされるかもしれないじゃない?だとしたら、怖くて出られないと思うのよ。今のところ霊能者には狂人が出てるように思う。それもローラー懸念からね。狼は3人しか居ないし、由弥さんが言うように占い師に出てるとしたら霊能者は狂人に任せようとかなるんじゃないかな。だから、占い師が真狼、霊能者が真狂だと思う。狐は1人きりだし、多分潜伏かな。私の今思ってるのはそんな感じ。」
それには、奈央も頷いた。
「確かに夏菜ちゃんは積極的に騙れる子じゃないよね。それは思うな。でも、正直わからない。だって私達何年ぶりに会った?夏菜ちゃんだって、もしかしたら変わってるかもしれないしね。そんなに仲良いわけでもなかったし、まだ言い切れるほどじゃないわ。」
楓馬が言った。
「じゃあオレが話すか。正直役欠けもありそうな状況だから、わからないけど普通に考えたら今亜佳音ちゃんが言った通りの内訳かなとオレも思うな。あくまでも今はだけど。夏菜ちゃんのことはよく知らないけど、どうなんだろうな?怖がりな子だったら、狂人だったら吊られたり襲撃されるのが怖くて出た可能性もあると思うけど。潜伏してたら狼にはわからないから、SG位置にされて吊られたりするかもだしね。グレーから吊ると言われて意見を求められて出て来たのが気になるよ。太月がローラーしないって言ったし、話をしなくて良いからホッとしてるみたいに見えるしね。まだ決めるのは早いと思う。だからって、亜佳音ちゃんや奈央ちゃんが怪しくはならないよ。だって、狼にも今の時点じゃ狂人はわからないだろうからさ。」
確かに怖いから出たと言われた方がしっくり来る。
意見を求められてCOしたのは確かだからだ。
眞耶が言った。
「霊能者より占い師の内訳なんじゃね?まあどっちもまだ出て来たばっかだから情報はないけど、できたら話して欲しいよな。そうしたら、少しはラインとかこれから見えて来るかも知れないじゃないか。オレとしては、出方は涼太郎かな。考えてる感じが真っぽかった。少なくとも今だけだけど。一弥がおずおず出て来たのがなんか臭かったよね。」
そういう考え方もあるか。
千隼は、言った。
「じゃあオレが話す。占い師は涼太郎が大都に白を出してるから印象が良いんだ。というのも昨日から今日って反応見てるけど、大都は狼っぽくない。対して一弥の白の珠緒さんは、8時まで寝てたり夜更かししてる感じだった。大都は幼馴染みだから知ってるけど、寝不足がダメな奴なんだよね。なのにオレが部屋を出たらもうしっかり目覚めて目の前に立ってた。メタメタだけど、だから無理やり占い師の真を考えるなら涼太郎ってオレの中では思ってしまう。あくまでもオレと大都、それに同じ幼馴染みの由弥ぐらいしかわからない事だろうけど。」
由弥が、苦笑した。
「だねぇ。メタになるから僕も言わなかったけど、命が懸かってるしこの際勝つためには何でも使わないとね。確かに僕には大都は白く見えてるから、そう言われたらそう見える。でも、狼が囲わなかった可能性もあるからね?まだわからないけど、そういう考え方もあるってこと。」
この中で地元を離れて居ない3人なので、お互いを良く知っている。
それは本当だった。
太月は、顔をしかめた。
「オレは最近は全く顔見てなかったからな。まだ大都はよく寝るのか?小学校の林間学校の時はなかなか起きなくて困ったのは覚えてるけど。」
千隼は、頷いた。
「そうなんだよ、全然変わらないんだよ。」
一敬が、顔をしかめた。
「それでもオレ達は高校から地元離れてるから分からないんだって。でもまあ、あのままだって言うならそうだろうな。そう言われたら、なんかメタだと言われようと涼太郎は間違った結果は出してないような気がする。」と、隣りの祐吏を見た。「お前もそう思うだろ、祐吏?」
祐吏は、相変わらず存在が薄いのだが、頷いた。
「それは思うけど。大都は昔から…オレとゲームやってても絶対途中で寝ちゃうからね。未だに0時は深夜だって言って11時になったら寝落ちがいつ始まるか分からない状態になるんだ。だから、共闘するゲームは絶対一緒にできないの。だって、オレ途中で一人にされるから。困るのやだからね。」
ボソボソと声は小さいが、案外ハッキリ話している。
大都が、言った。
「あのさあ、オレの恥を晒さないでくれよ。」
千隼は、大都を見た。
「え、お前祐吏とオンラインやってたの?」
大都は、頷いた。
「やってた。こいつめっちゃ強いから、一緒に行くと勝てるんだよ。だからずっと野戦やってるけど。」
知らなかった。
千隼は、思った。
そういえば、自分は忙しいからとあまりオンラインゲームには付き合わないのだ。
「まじか。知らなかった。」
祐吏は、首を傾げた。
「今はそんな事より人狼でしょ?オレも大都は白だと思う。12時以降起きててこんなにスッキリ起きてるはずないし。だから涼太郎は狼だとしても囲ってないよ。」
ガッツリメタだが、そもそもルールブックにメタは駄目だという項目はなかった。
太月は、言った。
「分かった分かった。とにかく大都には白が出てるしもういい。それより、理人と勇佑は?どう思ってる。」
勇佑が、言った。
「思ったんだけど、メタだって言うんなら霊能の精査もメタでやるか?亜佳音ちゃんと奈央ちゃんは夏奈ちゃんが真だって思うみたいだけど、オレはどっちかって言うと楓馬寄りの意見。グレー吊りになって村人にこれから詰められると思って怖くなった狂人なんじゃないかなって。逃げたいから勢いで出ちゃった気がするんだよなあ。夏奈ちゃんの事は良く知らないから想像になるけど、恐怖って力が出るもんだしね。」
理人が、うーんと首を傾げた。
「出し方間違えた?太月が霊能者出てくれって言ってたらもしかしたら一確した可能性もあったのかな。でも、今はわからないよ。意見も聞いてないし。光祐の意見も聞きたいな。そもそも役職の話を聞いてからでないと、グレーから意見なんか出せないんだけど。それぞれ感想を言えって言うならいけそうだし。」
太月は、頷いた。
「じゃあとりあえず役職者に話を聞くか。特に占い師は自分目線の話をして欲しいな。」
すると、涼太郎が言った。
「じゃあオレが話す。」涼太郎は、すぐに反応した。「今のところ、女子達には友達フィルター掛かってて夏菜ちゃんの方を真だと言ってるけど、オレ目線でも楓馬と勇祐の意見に同意だなあ。だから女子の色が見えないし、楓馬と勇祐の印象が良い。対抗の一弥の白が珠緒ちゃんだし、今朝の起きるのが遅かったのも気になるから、囲いがあるかもと感じてる。早めに占いたいな。確白になったらなったで良いからさ。今のところ、意見が違う、対抗の白、起きるの遅かったってコンボで珠緒ちゃんが怪しいかな。他は全くわからないよ。みんなもっともなことを言ってるし、珠緒ちゃんが怪し過ぎて他は霞んでる。」
一弥は、反論した。
「オレ目線では大都が怪しいぞ。お前の白だからな。起きて来るのが遅かったのは仕方ないじゃないか。6時に出て来ようって言ってたわけじゃないんだし。メタか何か知らないけど、千隼と由弥、祐吏が結託してる感じで怪しく見える。大都を庇ってるんじゃないかって。一敬は大都が白く見えると言っただけだったからそこまでじゃないけど。」
涼太郎が言った。
「狼は3人なのにお前目線の人外が多くないか。それだと全員が仲間を知ってて庇ってるってことになるけど、大都、オレ、千隼、由弥、祐吏で5人じゃないか。あり得ない。」
一弥は、首を振った。
「それは乗せられてる村人だって混じってるだろうよ。オレとしては、口火を切った千隼が一番怪しく見えてるけど。」
オレか。
千隼は、そう言われると一弥が偽だと思えて来ていた。
敵対されると敵対したくなるのがサガというものだ。
「オレが狼だって?だったら占ってくれたら良いけど。」
由弥も、頷いた。
「いいね。今日の占い指定先が決まったんじゃない?僕か千隼、それとも祐吏か千隼ってとこじゃない?」
祐吏は、淡々と頷いた。
「指定先か。オレもいいよ、だったらオレと千隼にする?」
太月が、慌てて言った。
「それは投票が終わってから決める。まだ誰が吊られるかわからないのに指定先は決められない。」と、占い師達を見た。「お互いに対抗してるんだから言い合いになるのは仕方ないけど、冷静にな。ルールブック読んだか?如何なる時でも冷静に行動する、だ。どれぐらい騒いだら追放になるのかわからないんだよ。村人なら落ち着いてくれ。縄数に関わって来るから追放になられたら困るんだ。」
言われてみたらそうだった。
千隼は、それを思い出した。
確かにいきなり占い師達がバタバタと追放になったら、人外も処理されるが後が困る。
手探りになるからだ。
太月が冷静に場を見ていてくれるので、本当に助かった。
太月は、そんな風に千隼が思っているとは知らずに、続けた。
「じゃあ次は霊能者だな。グレーは今のところ、オレ目線では怪しいところはないから、このままずっと分からなかったらもしかしたら霊能ローラーから始めるかもしれない。もちろん、明らかに偽っぽかったら、だけど。結構意見が聞けたと思うし、話を聞こう。」
夏菜が、目に見えて怯えた顔をした。
光祐の方が先に話し出した。