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2日目朝の会議

「相方にはまだ潜伏してもらう。」太月は言った。「占い師もそろそろ黒を打たないとまずい局面になって来たしな。今夜は占い指定先にも役職を混ぜて行くぞ?ちなみに昨日も混ざっていたかも知れない。それは、先に言っておく。では、それぞれの意見を聞かせてくれ。」

珠緒は、言った。

「私は今も言ったように縄に余裕があるうちに、狩人をローラーしてもう1人外落としたいわ。村の人達の心に余裕もできるでしょ?」

由弥が反論した。

「そうしたら共有から順に噛まれるぞ。もしかしたら先に占い師が噛まれるかもしれない。真占い師の占い指定先に仲間が入ったりしたら、ラストウルフを生かすために占い師の狼を切り捨てる戦法だってあるからな。まだ早いと思う。せめて明日じゃないか。占い師にはどうしても黒を落としてもらっておかないとまずいからな。」

千隼も、頷いた。

「それはオレも思うな。この噛みで楓馬で1狼落ちてる気がするが、そう見せたいから噛んだ可能性もあるし。だったらまだグレーに狼は居るだろう。やっぱりグレー詰めしたい。占い師の狼だって、そうそう死にたくないはずだから、まず真を勝ち取ろうとするはずなんだ。」

一敬が、言った。

「そうだな、オレもグレーだが確かにグレー詰めが良いと思う。楓馬で落ちているのか、今の時点で分かってないんだ。だったらグレーを詰めて行って、明日また占い結果次第で決めて行くよりないだろう。狩人が二人居るなら、共有者達は安泰だ。狼にもどっちを噛んだら良いのかわからないし、それに狼陣営が出ているのなら、破綻を恐れてどちらも噛めない。どこかを噛んで行かないと進まないので、誰かの白先も潰して行くだろうし、護衛成功が出たら偶数進行の今縄が増えるんだ。狩人は、明日まで保留しよう。」

そうだ、今は偶数進行だ。

たった一度の護衛成功か、狐噛みがあったら縄が増える状況なのだ。

できたら、縄は確保したいと千隼は思っていた。

「…だったら、白先だけど珠緒さんは怪しいなあ。」祐吏が言う。「グレーに居る仲間を守ろうとしてるのかな?7人と言っても、狩人に出てないとしたら4人の中に居る事になるものね。太月からは見えてるんだろうから、吊られる可能性も出て来たし、明日の占い先に入る可能性も出て来たって思ってるのかなって思う。そうなると、楓馬で黒が落ちてないって事になるし、俄かに今朝楓馬が黒だって言ってた人達が怪しくはなるんだけどね。」

涼太郎が、言った。

「それはオレも思う。珠緒ちゃんは一弥の白だし、オレ目線じゃグレーだ。初日から、結構夏奈ちゃんを庇ったり怪しい動きが気になるんだよな。間違ってる村人が居るから、オレ目線で濁ってしまうんだよ。村人はもっと頑張ってくれよ。」

グレーで真っ先に楓馬が黒だという意見を出した、千隼は言った。

「だったら光祐噛みの説明はどうするんだよ。オレは黒を隠したい狼が噛んだと思ってるから、今の珠緒ちゃんもそう怪しいとは思わなかった。でも、確かに初日から怪しい動きをしてるのは確かだ。だがそれも、説明がつく怪しさだった。夏奈ちゃんを庇ってるのは、友達だったから。海でも必死に立ち泳ぎしながら夏奈ちゃんを引っ張って助けようとしてたんだ。そこまで仲がいいんだから、ああして庇ってたのも分かるから。狩人を吊りたいのも、楓馬が黒だったら村人を余計に吊ってしまうんじゃないかって懸念からだ。まあ、オレはまだ早いって意見だけどな。」

眞弥が言った。

「でも、昨日は珠緒ちゃんを怪しんでたのに今日は庇うのか?千隼はブレブレじゃないか。もしかして、初日は仲間を切ってた狼なんじゃないのか。」

眞弥は、千隼を共有の相方だとは思っていないようだ。

由弥が言った。

「待てよ、千隼は白いだろ。少なくともお前よりは、昨日も今日も意見を出してるし、それも一番最初が多い。他はそれに便乗してる感じだった。僕も含めてだけどね。」

眞弥は、由弥を睨んだ。

「なんだよ、白は出てるけど由弥はやっぱり怪しいな。千隼と由弥、珠緒ちゃんに今のでラインが見えた気がする。」

一敬が言う。

「おい、それじゃあ人外の数が合わないぞ。占い師に出てるのが狂人だとしても、狩人と霊能者に2人出てるんだからお前の考えじゃ6人外だぞ?誰かに黒を押し付けたい人外なんじゃないか。」

眞弥は、顔を赤くした。

「オレは村人だ!怪しいから怪しいって言ってるだけで、間違ってる村人だって入ってるかもしれない。見えてないからそんなことまで考えてられない!」

「待て。」太月は言った。「オレ目線で見ても千隼は由弥が言った通り白いから、便乗位置のことはわからないが千隼は吊ろうと思っていない。グレーの千隼、奈央ちゃん、眞弥、祐吏、一敬、理人、勇佑の中で、オレが今日の吊り位置に考えてるのは昨日とは違って寡黙位置だ。今、一言も発してない奈央ちゃん、理人、勇佑の話を聞きたいんだが。」

確かに、その3人はじっと黙って聞いているだけで議論に入って来ようとしていない。

もともとが寡黙な祐吏ですら割り込んでいるのに、黙っているのは怪しく思えた。

それよりも、千隼から見ると太月が理由をつけて自分を吊り位置から外そうとしているように見え、恐らくそれは他の村人にもそうではないだろうか。

ますます共有の相方説が浮上して来るように、動いているように見えた。

勇佑が、言った。

「オレは、先に意見を言われてしまうから黙っていただけだ。便乗とか言われるだろうが。オレが考えていたことを言うと、結論として楓馬は黒だったと思う。千隼は、理由は割愛するが白く見える。由弥が初日から全く同じ意見だから、ここが人外だったら上手く乗ってるなと思う。一敬は時々意見を出すがハッキリしていて考えてからおかしいと思う所を指摘しているように見えて白い。眞弥はあんまり深く考えていないように見えて頭が弱いだけで村人っぽい。祐吏は普段話さないのに頑張っているのが逆に人外だからかと勘繰ってしまう。だが、吊るほどじゃない。オレ目線じゃ、いくらでも発言機会はありそうで、普段からよく話すのに雑談すらここへ来てからしていない、理人が怪しく見える。もちろん、奈央ちゃんも女子の中で囲われていて話していないから不気味に見えて怪しい。だから、太月が今、オレ達を選んで話し掛けたのは必然かなと思う。でも、オレは村人だから他の二人が気になるな。」

理人が、言った。

「こんな状況で普通に話せるお前達の神経がわからない。初日に秀一が死んで、オレは仲が良かったからかなりショックだったんだ。その上、みんなもう無感動でそれほど悲しんでいる様子でもないし、そこが余計にショックだった。自慢したいからか知らないが、こんな状況に陥れた眞弥のことは恨んだよ。秀一は仮死状態なのに、こいつはのうのうと生きやがってとも思う。オレが狼なら、真っ先に襲撃しているさ。指定が無ければ、昨日は眞弥に入れていた。人外だったらラッキーだ。そんな気持ちなんだよ。」

千隼は、言われてハッとした。

確かにみんな、自分達の命の危機もあって、無感動になっている。

それは、初日に由弥も秀一を見つけた時に言っていた。

だが、秀一は幸か不幸か理人の友達で、この中で仲が良いのは理人だけだった。

だからこそ、冷静でいられたのかも知れないが、理人はそうではなかった。

襲撃された、で済まされて、淡々とゲームを進める皆を恨み、そしてその状況を作った眞弥を恨んでいたのだ。

眞弥は、言った。

「確かにオレは悪いよ!でも、それに乗って一緒に港を出たのはお前らじゃないか!なんでオレだけが悪いんだよ、そんなのおかしい!」

千隼は、複雑な気持ちだった。

自分も含めて、止めなかった全員が悪いと思っていたが、そもそもが眞弥が、叔父の所から鍵を盗んで来ていなければ、こんなことにはならなかったのは確かだ。

それでも、千隼は言った。

「…何を言っても、こうなったんだから仕方がない。とにかく、ゲームを進めないと生き残る術すらないんだぞ。落ち着いて考えよう、理人。秀一を助けるためにも、同じ陣営なら勝たないといけないんだから。」

理人は頷いたが、その目はまだ恨めしげに眞弥を見ている。

つくづく、いろいろな関係も考慮しなければならないのだと千隼はため息をついたのだった。


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