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2日目の朝

太月を先頭に、千隼、一弥、眞耶、大都と、珠緒、亜佳音、奈央の二階の面々は、三階へと駆け上がった。

すると、光祐の14号室の前に、三階の全員が集まっていた。

理人が、振り返った。

「…光祐だった。守ってなかったのか。」

太月が、苦々しい顔で答えた。

「吊り縄消費に残されると思った。確定霊能じゃなかったからな。」そして、部屋の中をのぞいた。「由弥、死んでるのか。」

由弥が、振り返った。

「うん。昨日と同じ感じだから、襲撃されたんだと思うよ。そっちも、呪殺は出てない感じ?」

太月は、頷いた。

「ああ。二階は全員生存だし、三階は光祐以外は誰も襲撃されてないんだろう?」

それには、一敬が答えた。

「死んでない。全員居る。由弥、祐吏、オレ、涼太郎、理人、勇佑の6人だ。占い結果は、聞いてもいいか?」

廊下で控えていた、一弥が答えた。

「昨日は由弥を占って白だった。」

涼太郎が、言った。

「オレは亜佳音ちゃんを占って白。グレーが減っただけで、昨日の投票を洗おうにも光祐が居なくなったんじゃそれもできないな。」

だが、千隼が言った。

「いや、オレは光祐を襲撃したことで、楓馬が黒だったんじゃないかと思う。」皆が驚いた顔で千隼を振り返ると、千隼は言った。「昨日由弥に投票したのは7人だった。かなり接戦だ。間違っている村人が居るにしろ、人外は全員由弥に入れていた可能性が高い。もしかしたら楓馬が黒だと見られたらまずいと考えたんじゃないのか。何しろ、もっと絞られてしまうわけだからな。」

由弥が、頷いた。

「確かにね。白だったらまだ僕の結果も出てないんだし、次の日じゃあ僕も吊ってとなったかもしれないんだから、光祐を残して村に色を見せたら良かったんだ。まあ、狂人だかなんだか、狼にはまだ分かってなかったのかもしれないから、強くは言えないけどね。でも、まだ確定していないんだから霊能者に吊り縄が使える状況なのに、噛んで来たって事はそれだけ切羽詰まってたって考える方がいいよね。楓馬は黒だったと考えるのが妥当だ。」

一弥が、言った。

「そもそもオレは知ってるが、由弥は白だったんだからこの噛みは確かに千隼が言う通りだとオレも思う。みんな、昨日はオレを偽だと言ってたが、オレは由弥に入れてないぞ。由弥に入れていたのは、涼太郎の方だ。」

皆が、涼太郎を見る。

涼太郎が、言った。

「それこそ濡れ衣だ!オレには由弥の方が黒く見えたんだよ。楓馬が必死に訴えてるから、小ばかにしたような言い方をする由弥の方が、吊っておきたいと思った。大体、オレの目線からはまだ由弥が黒の可能性があるんだ!もしかしたら、こうやって陥れようとするための噛みなんじゃないのか。白を見られたら逆に駄目だと考えた由弥が噛んで来たとも考えられるぞ。」

由弥は、首を振った。

「僕は別にどっちでもいいよ。昨日はできたら人外が吊れたらいい、って日だった。グレーを狭めるためにね。白が出るのは想定内じゃないか。次の日には僕の色が占いで落ちるんだと思っていたし、黒でも白でも吊られるとは思ってなかったよ。僕目線じゃ、霊能を噛んだってメリットなんかない。むしろ、生かして縄消費に使うよ。でも、狼にはその余裕が無かったって事でしょ?楓馬は黒だと思う方が自然だ。」と、太月を見た。「太月も、そう思ったから霊能者に護衛を入れなかったんでしょ?」

太月は、言われて渋々頷いた。

「そうだ。オレ達共有者が危ないだろうと思って、二人居るからクロス護衛させてるんだ。どっちかが噛まれたら、その時点で片方の狩人は破綻だし、護衛成功が出たら次の日どっちを噛まれるかで結局狩人の色が分かる。オレ達は、だから自分を囮にして人外を確定させようとしてるんだ。」と、ため息をついた。「…とりあえず、今日も会議をしよう。8時にリビングへ来てくれ。今夜も吊らなきゃならないし、本来今日は霊能ローラー完遂するかどうか話し合う必要があったけど、その必要がなくなった。今日もグレー吊りにするか、そこのところを考えないと。楓馬で落ちてるのかどうかを考えないとな。」

千隼は頷いたが、落ちている気がした。

グレーを吊っても、もう人外は落ちないのではないだろうか。

とはいえ、まだグレーは千隼も含め、奈央、眞耶、祐吏、一敬、理人、勇佑の7人居る。

この中に、狩人二人と共有者一人なので、太月目線では4人だろうが、ここまで減ると役職が透けて来ないだろうか。

千隼は共有者ではないので太月の相方も、狩人もわからない。

だが、この7人の中に確実に3人は潜伏しているのだ。

…それとも、亜佳音ちゃんが狩人とか…?

考え出したらきりがなかったが、千隼は悩みながら、険しい顔で部屋へと戻って行ったのだった。


朝食は、昨夜持ち込んでいたが食べなかったパンを部屋で食べて済ませて、千隼はノートを手に部屋を出た。

リビングに入って行くと、大都が太月や祐吏、亜佳音達と座っていた。

「千隼!降りて来ないから、朝ごはん要らないのかと思った。早く食べて来たら?」

千隼は、首を振った。

「いや、部屋に持ち込んでたパン食べたんだ。」と、太月を見た。「それで、どうする事にしたんだ?」

太月は、ため息をついた。

「オレ一人には決められない。だからみんなに意見を聞いて、そこから行こうかなと思ってる。何しろ狩人が二人出ているし、人外がそこに居るのが分かってるのに放置もヤバいしな。今14人、残り6縄だろ?」

千隼は、椅子に座って考える顔をした。

「…結果的に狼に助けられて霊能ローラー完遂できたから少なくとも人外は1落ちてる。残り4人外で縄余裕は2。もし楓馬で吊れてたら3余裕がある。まだグレー詰めできるけどな。霊能に縄を使わずに済んだから。」

太月は、頷いた。

「オレもそう思う。今夜占ったらさらにグレーは狭まるし、まだグレー吊りはできるけどな。」

勇佑が、言った。

「だが、グレー7人の中に狩人と共有が居るんだろう。さらに透けて噛まれる危険が増えないか。」

太月は答えた。

「確かにそうだが、怪しまれるような役職は要らないから、オレは平気で怪しい動きの役職を投票対象に挙げるぞ?オレは知ってるから入れないが、そこへ入れる奴らからラインを追って色が見えて来るかとも思うしな。潜伏してるんだから、それぐらいのリスクは覚悟してもらわないと。出たかったら出るだろうし、オレはそこに関しては別に指示してない。だから、オレの動きから誰が狩人か共有か予測しようとしても無駄だよ。」

確かに狩人がどこなのか、全く分かっていない。

太月は、そこは徹底していた。

だからこそ、千隼が共有の相方なのではという、ブラフも立てられるのだ。

キッチンから、また何人かがリビングへと合流して来た。

「あれ?もう議論してるの?遅かったかな。」

由弥が言う。

太月は、首を振った。

「いや、今日もグレーから行くかって話をしてた。」

皆が驚いた顔をする。

珠緒が言った。

「でも、昨日楓馬さんで落ちてたら村人しかいないかもなのに?私は狩人をそろそろローラーしておくべきじゃないかと思ったんだけど。」

太月は、苦笑した。

「まあいろいろ意見はあるかと思うけど、とにかくみんな座ってくれ。話をしよう。」

キッチンから出て来た人達が、それぞれの番号順に椅子へと腰掛けて行く。

太月は、ホワイトボードの前に立って、今日の占い結果を指して言った。

「今日の結果、一弥が由弥白、涼太郎が亜佳音ちゃん白だ。完全グレーは7人。残り14人吊り縄6つ。最大人外数は4。なぜなら霊能ローラーが完遂されてるからだ。縄余裕は2、楓馬で落ちていたら3。ここから、今夜はどうするべきか考えよう。」

千隼は、ホワイトボードを見つめながら気を引き締めた。

今夜は、どこから吊るのが一番良いのだろうか。

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