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第一四頁 蜜花との情報確認

「さて、僕がしなくちゃいけないのは、っと……」


 キャサリンに味園義男を陥落させる妖精は出した。念のため、キャサリンの方が手練手管は上手だが、彼女が暴走しないようクリードを控えさせているから、問題はない。

 クリードなら何かしらの呪術や魅了は効かないから安心だ。

 ……そして今、僕がするべきなのは。

 二つ折りの携帯を手に取って、僕はとある人物に電話をかける。

 プルルルル、プルルルル。


『……もしもし』

「ああ、蜜花ちゃん。元気?」

『もしかして、今日あのいじめっこ共を討伐する日ですか!?』

「いや、君に聞きたいことがあるんだ」

『聞きたいこと……?』


 あからさまにテンションが下がるトーンに苦笑しつつ、僕は真摯に向き合ってくれる彼女に質問をすることにした。


「ああ、最近、あの味園君の動向は何か変わったことがあるか、聞きたいんだけど……どうだい?」

『……味園は今日も女子たちを一緒にカラオケ行くって、取り巻きの不良男子が言ってましたけど』


 うんうん、あの不良君問題なく蜜花ちゃんにも話してるみたいだな。

 彼が素直な人間のようでよかったな。


「じゃあ、もう一つ聞きたいんだけど味園君と一緒にいる女子たちの反応がおかしいことってないかい?」

『反応がおかしい? ……ちょっと待ってください』


 ぺらぺらと紙が捲られる音が聞こえてくる。

 おそらく彼女のメモだろうな。僕がお勧めしたことを実践しているようだ。


『……そういえば、一年の頃はそんなにモテてなかったのに急にここ最近、セフレができるくらいモテまくってて、他校の子にもセフレの子がいるって話を女子の話を聞きました』

「それは、間違いないかい?」

『はい、噂好きの女子の知り合いなら何人かいるので』

「……じゃあ、射越只広って知ってる?」

『? 誰ですか? それ』

「……いいや、知らないならいいんだ」

『教えてください、私たち共犯者でしょう?』

「その言い方だと、僕と君が悪者になっちゃうよ?」

『……訂正します、協力者なんですから教えてください。私にも必要最低限の情報が欲しいです。でないと、他の情報は教えないです』

「あはは、そう来たか……依頼人のいじめを誘発させた男の子だよ。君の学校の生徒かどうか聞きたかったんだけど」

『……他のクラスの男子かもしれないです。ちょっと調べておきます』

「うん、お願いするね」


 ……うん、この流れなら普通に自然と情報は集まっていじめっこ二人の問題は何とかなるだろう。後は、他の協力していた男子たちも炙り出さないといけないかな。彼女の写真が流布している可能性があるなら、第三者の生徒の手にも写真が回っている可能性がある。

 だから、誰か他に協力者が欲しい所ではあるんだが……どうしたものかな。


『……裁判であいつらを重罪にしてやりたいですっ!!』

「蜜花ちゃん、最初に会った時にも言ったけど確実の情報となる証拠があった方が裁判では原告側としては訴えやすいんだよ、被告の罰をより重くすることもできる可能性も上がるしね」

『……そうなんでしょうか』

「ああ、だから正しい情報収集をすること。正規な手段での情報収集じゃないと、法律的にもその情報の提示は認められていないしね」

『え? そうなんですか?』

「日本の場合は、犯罪捜査規範の第2条に関係しているよ。法律の種類によるけど六法全書にも載ってるはずだね」

『知りませんでした』

「君はまだ学生なんだ、詳しい法律なんてまだ知らなくても当然だよ」

『……私、至らないことばかりです』

「そんなことないさ、君の善心は尊ばれるべきだ。大切な友人を助けたいというのは、大切な気持ちだと思うよ」

『そうで、しょうか』

「ああ、もちろん」

『……だったら、いいな』


 彼女の情報は、こちら側としてもありがたい。

 あくまで依頼人のお願いは、いじめ側の人間の情報開示だが、裁判事にしたとしても僕たちの存在は依頼が終われば他の人間としての情報としてすり替わる。

 とあることをしない限りでは、だけど。


「そろそろ、もう遅いだろうからまた明日話そうか」

『……そうですね、おやすみなさい』

「うん、おやすみ。蜜花ちゃん」


 プツ、と電話を切り僕はベットの上に寝っ転がった。


「ふー……さて、そろそろ寝ようかな」


 ゆっくりと瞼が重くなってくるのを感じる。

 僕の意識は、穏やかな静寂に包まれた暗闇へと沈んでいくのだった。

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