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第一〇頁 志磨咲学校へ聞き込み 前編

 翌日――――


「うん流石僕、似合うね」

「何をしているんだ、お前は……」


 志磨咲高校に僕たちは来ていた。

 項垂れているいつもの服のクリードに僕は満面の笑みを浮かべてみせる。

 僕はスカートの裾を持ちながら、くすりと微笑む。


「ん? 普段の格好だとコスプレっぽさが出ちゃうだろ?」

「調達してほしいと言われたからなんだと思えば……」

「なぁに? クリード、僕には似合わない物なんてないだろう? 女の子の格好においてはさ」


 僕は今、秋にぴったりな女子の恰好を着ている。

 今時期の流行っている女の子のファッション、という奴だ。

 なんでも着こなせる自分の体には感謝しないと。クリードは溜息を漏らしているけれど気にしない。僕は似合うと思ったものなら、着てもいいと思う性質だしね。


「……問題はないだろう?」

「色々な面で大丈夫か不安だ」

「クリードは不安症だなぁ、この僕がやりとげられなかった仕事はあると思うかい?」

「……それはそうだが」 

「なら、問題ないよね?」


 笑顔の圧に負けるクリードの可愛らしさに司書は浸りながら、僕は一番に会いたい味園義男を探すのであった。

 学校には佐伯宥子の面会という説明をして志磨咲高校を練り歩いていた。

 他の男子たちからの視線を感じつつも、僕のお目当てである人物はなかなか現れない。


「……見当たらないね」

「本人の情報を探らずに来ているんだ、いないこともあるだろう」

「それはそうだけど、これも探偵の醍醐味だよ」


 僕はくすりと笑うと、従者の彼は困った眼をする。 司書は従者のその目が好きだからからかうのがやめられないという悪癖を抱えている。

 とりあえず今回の首謀者である味園義男君を知らないと、困ってしまうのは僕らの方だ。周囲の生徒たちの好奇心の視線が刺さってくる。


「……俺だけ来てた方がよかったんじゃないか?」

「駄目だよ、君の場合武力行使に走るだろう?」

「――――て!!」

「ん?」


 とある声が聞こえてくる。

 体育館の窓からたまたま下に目をやれば、驚きの光景がそこにあった。


「やめてください、お願いします……!」

「あぁ? 聞こえねえなあ?」


 そこは体育館裏で幼気な女子が強面の不良男にカツアゲを喰らっている場面だった。

 僕はその光景は、昭和時代のでの日本のやりとりがすぐ脳内ビジョンで投影されたが、平成でもまだこういう感じなところがあったのだなと逆に感心した。


「クリード、行ってくるよ」

「は? ――――おい、待て!!」


 僕は一人、窓から飛び降りた。

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