【なお子とプライドの高い猫】
短編小説第7段目です。(*´-`)
ただの趣味での投稿となりますが、ほのぼのとどこか切なく懐かしい作品になれるように頑張りました・・・。もしよろしければ、ご覧ください。この作品は、※【プライドの高い猫と赤ちゃん】の姉妹作品となります。(。-人-。)
もし、よろしければ、こちらも合わせてご覧ください。
有馬波瑠海の作品一覧
◯長編小説◯
【時雨の里】(連載中)
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【七世と森の少年】(連載中 : 残り2話で完結)
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◯短編小説◯
【おいらはスズメ。えっ名前?そんなのないない。】
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【セキセイインコの俺様の最大のライバルはスズメ。】
https://ncode.syosetu.com/n2257gs/
【プライドの高い猫と赤ちゃん】
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リッキー!リッキー!
ニャ~ン・・・ニャ~ン・・・
わたしが呼ぶと、リッキーはいつも返事をした。お祖母ちゃん家には、リッキーという猫がいる。白い毛に包まれて、所々グレーの模様がある可愛い猫だ。
お祖母ちゃん家に行けば、いつもリッキーはわたしの後をついて来る。お母さんは、わたしに言った。リッキーはね、なお子のことを面倒見てくれているんだよって。
きっと、本当にリッキーはわたしのことを面倒見ていてくれたんだと思う。トイレに行く時も一緒だし、お昼寝するときだっていつも一緒に寝てくれる。それに、わたしが泣いていると、ニャ~ン。ニャ~ン。と鳴きながら顔をペロペロなめる。きっとリッキーなりに、なぐさめてくれてたんだと思う。
わたしは、リッキーのことがだいすきだった。いつも一緒にいてくれる優しい猫のお母さん。でもね、皆は、リッキーのことをわたしみたいに優しいとは言わないの。
リッキーは、家の人以外にはなつかないみたい。知らない人がお祖母ちゃん家にやって来ると、シャー!シャー!って、すごい顔をしながら威嚇する。それでも、かまってくるようなら、必殺猫パンチを食らわせていた。
だから、皆はリッキーのことをこう言うの。
プライドが高い猫だって。ちっとも触らせてくれようともしないし、可愛くないって。
リッキーは、可愛いよ!それにとおっても優しいんだから!わたしは言う。
でも、大人の皆は、そうだね。そうだね。と笑った。でも、なんて言ったら良いのか分からないけど、きっと家族以外の大人達はリッキーのこと、好きじゃないんだろうな。なんとなく、そう思った。
リッキー。みんながリッキーのこと嫌でも、わたしはずぅーと、ずっと、リッキーのことだぁーいすきだからね!リッキー!
わたしがリッキーにそう言うと、リッキーはいつものようにのどを鳴らしながらにゃ~んと鳴いたのだった。
わたしはお祖母ちゃん家に住んでいるわけじゃない。だから、わたしはいつもリッキーと一緒にいられるわけじゃない。お母さんが帰るよと言って来たら、帰らなくてはいけない。
でも、そんな時だって、リッキーは優しい。私が帰る時は、いつも玄関まで来てお見送りをしてくれる。
今日だって、いつもと変わらない。お母さんがわたしに「帰るよ。」といい、私は玄関まで行く。リッキーはニャーンと鳴きながら、私の後を追ってついて来る。
靴を履いて振り向くとそこには、お座りしてこっちを見るリッキーの姿。いつもの帰り際の光景となんら変わらない。ただいつもと少し違ったのは、帰り際玄関先で、リッキーは、ちょっと眠たそうだったことくらい。
・・・リッキー、またね!バイバーイ・・・
私がそう言えば、リッキーは、ちょっと眠たそうににゃーんと鳴き、ドアがバタンと閉まった。
アタシは、リッキー。今、ドアが閉まったわ。
今日、あの子の最後のお見送りをしたの。
猫は大切な人の前では死なない。
その人が悲しむことが分かっているから。
本当に大切な人の前では死なないの。
それが猫の生きざまってやつよ。
最後の最後まで、いつもと変わらない穏やかな時を過ごすことができて、本当に良かった。
後は、気持ちの良い畳の上で、暖かいお日様の光を浴びながら、長いお昼寝をするだけ・・・。
暖かい日差しの中、アタシは夢を見た。
今から、何年も、何年も経って、今よりもずっとずっと、大きくなったなお子が、この家に、いつもと変わらぬ笑顔っでやって来る・・・
そして、いつものようにアタシを呼ぶの
・・・・・・ リッキー!!! ・・・・・・
おしまい
読んでいただき、ありがとうございました!(。-人-。)
次回も、是非、ご覧ください!(。-人-。)(。-人-。)
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