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異世界ぼっち酒 ~クエスト調査官リュウジの事件簿~  作者: 九重七六八
第4話 梟の巣団全滅事件 前編
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寧音

「紹介しよう……こちらが今日から我らがパーティ『梟の巣団』の新メンバーになるリュウジ君だ。職業は剣士。ランクはCだが近々、ハミルトン侯爵の推薦を得てBに昇格する予定だ。みんなよろしく頼む」


 そう団長のブライトンは5人のメンバーにリュウジを紹介した。リュウジは深々と頭を下げる。リュウジの装備は全身を金属製の鎧、背には大きなカイトシールドを背負っているが、それらは魔法の鎧と盾であり見た目とは裏腹にまるで絹のローブのように軽かった。

 腰にはこれも魔法剣。魔法で強化された刃はドラゴンの固いうろこでさえ切り刻み、軽量化されているが、対象物に触れた時の打撃力は通常の重量の3倍。さらに剣撃のスピードは2倍になるという。

 リュウジが古代の遺跡で見つけた代物で、名前を『イノケンティウス』と呼ばれていた。さらにこの魔法剣は、アンデッドに対して効果が高く、振るだけで低位のアンデッドは呪いを消されて塵と化した。アンデッドキラーとも呼ばれる武器である。

紹介されたメンバーは、リュウジの装備については噂を聞いていたため、そばによると自己紹介がてら、リュウジの装備品をじっくりと観察する。


「俺はラノン。職業は戦士だ。武器はバトルアックス。魔法の武器ではないが、オーガをこれで100体以上は斬った。別名オーガキラーと呼ばれているんだぜ。お前の剣ほどじゃないがな」


 ラノン・ゼビウス。リュウジも知っている梟の巣の設立メンバーだ。戦闘ではもっとも頼りになる男で、今後、リュウジと前線を担う重要なパートナーである。

 年齢は40を超えるが鍛えられた肉体は、胸当てからちらりと見える大胸筋の素晴らしさから想像できた。冒険者ランクはA。

 元は競技場の剣闘士。無敗のチャンピオンだったこともあり、王国でも有名人であった。リュウジは右手を出して握手を求める。20代後半で売り出し中のリュウジにとって、憧れの先輩でもあった。


「私はクルーベ・シュタリオン伯。職業はウィザードだ」


 そう自己紹介した男は30代後半くらいの男。知的な印象の顔でいかにも魔法使いという容貌だ。彼は王国の貴族の出身。西部に領地をもつ辺境伯である。

 生まれながらに魔力の才があったクルーベは、魔法大学院で魔法を学び、そこで創立以来の天才と言われた男である。 

 全身を「無言の賢者の衣」と呼ばれる魔法のローブに包んでいる。このローブは、毒や麻痺、石化といったあらゆるステータス異常を回避する能力を備えている。

 打撃や剣撃についてもそのダメージの2分の1を軽減するという驚異の性能であった。手にした杖は『イカルスの杖』と呼ばれるもので、術者の魔力に関係なく、雷の魔法を無限に撃てるというとんでもない魔法の杖である。

 この杖のおかげで、クルーベは「雷帝」と呼ばれていたが、本人はおよそ人間が使える魔法はすべて使えるので、その呼び名についてはあまりうれしくないとのことであった。


「わたくしはリリーゼ・スロベルト。エスカル教の司教です」


 次にそう紹介したのは女司祭。年齢は30代前半といったところ。金髪の長い髪が美しい女性である。エスカル教は戦の神エスカルを崇める教団で、その司教は攻撃補助魔法に長けていると言われる。

 リリーゼは司教にしては若いが、神官は経験よりも生まれた時の才能がものを言う世界。生まれながらにして神に愛でられたリリーゼは、幼少のころから傷を回復するヒールの魔法が使えたという。

 子どもの頃から教団のエリート教育を受け、今はおよそ人間が使える神の恩恵、白魔法と言われる回復系、防御系の魔法が使えた。

 エスカル教の司教服である『炎の審判』と呼ばれる赤いローブは、炎の攻撃をすべて無効化し、おのれの体力を10秒ごとに10%ずつ回復するという神の奇跡を発動できるものであった。

 右手にもつポールメイスは、『神の怒り』と呼ばれる魔法の武器で、その打撃力は通常の10倍であるが、その能力を開放すると、『神の足』と呼ばれる巨大な巨人の足が敵を踏み潰すというスペシャルパワーを秘めていた。


「僕はテルー・クラハット。職業はドラッカー」

「ドラッカー?」


 リュウジはそう聞き返した。『ドラッカー』は珍しい職種であった。自然界の存在する薬草や鉱石から薬効成分を抽出し、様々な薬を作る職業は『薬師』と呼ばれる。

 薬師は町で薬屋を営む職業である。その薬師が冒険者になるとドラッカーと呼ばれる。

 薬師自体は様々な知識と経験が必要であるし、病気になったときに頼れる存在であったから、基本的に食うに困らない職業であるから、冒険者になる者はほとんどいなかった。


「テルーは天才薬師なんだ」


 そう団長のブライトンは説明をする。テルーはこの世に存在するあらゆる薬を調合できる博士の称号を12歳で得た天才。王国の大学で薬学研究していたが、モンスターを素材とする薬の研究に興味がわき、今はそれをテーマとしている。強い冒険者パーティに加入して、なかなか手に入らない素材を得ていた。

 パーティでの役割は薬を使ったサポート。ケガをした時の回復はもちろん、戦闘力、防御力を高める薬の投与をするのだ。時には敵モンスターにダメージを与える毒による攻撃まで行う。


「そして最後は……。おい、寧音、こっちへ来てリュウジに自己紹介しないか?」


 最初から部屋の隅で壁にもたれかかって、仲間の自己紹介を聞いているのか、聞いてないのか定かでない態度を取っていた人物。


 団長のブライトンは『寧音ねね』と名前を呼んだが、その容姿は明らかに人間とはかけ離れたものであった。


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