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VRMMOの管理人  作者: 総督琉
第2章 《千年龍の巣》編
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第16話 雌々

雌々(めめ)を助ける作戦はこうだ。


まず俺が千年龍に気付かれず千年龍の遥か上空にワープする。その後妹々が龍魂を出来るだけ千年龍の周りにばらまく。だがこれは威嚇になる可能性が十分高い。だから上空に居る俺がサポートに入る。


優しい心(フラットハート)


この魔法で千年龍は同種に敵意を持つことは無くなった。ここでフレイヤの出番。


赤い流れ星(フレイヤスター)


この時千年龍には当てない。ただの目眩まし。なんの目眩ましかって。それは……


「俺が千年龍の目の前にさりげなく現れる為のフェイクだ」


千年龍の前にワープをすれば、千年龍は敵意を向け人質を噛み砕く。だからさりげなくワープする必要があった。


「千年龍さん。驚きすぎて、口空いてますよ。対龍弾、発射」


対龍弾は千年龍のこめかみにヒットする。その隙に雌々を抱き抱え妹々と交代だ。


「存分にぶつけてこい。お前の今の気持ち」

「紅の空。暗雲の大地。死を持っても償えないのなら、今ここで滅するまでだろう。龍葬滅拳(りゅうそうめっけん)


妹々の拳は千年龍に直撃し跡も残らないほど、粉々に砕け散る。


「大丈夫だったか。雌々」

「別に…私は平気だったけど…」

「聞いたぞ。HP誤魔化してたんだってな」

「うっ、うるせー」


「ごめんな、なんか。俺がトラップの場所、教えとけば済む話だったんだけどな。でもさ、これからは弱い部分も見せてくれよ。いつまでも強がってたらいつかお前がしんどくなっちまう」

「別に…今回は…」


「いいんだよ。お前が弱くたって。だってこの俺のチートスキルでお前を地の果てからだろうと救ってやるから。だから俺の前では弱くいてくれ。無理にとは言わねーけどよ。でも俺はお前を理解したい。ただそれだけだ」


雌々の頬を伝った涙が俺の手に当たって弾ける。


「泣いてるのか。雌々。もっと泣いてもいいんだぜ」

「別に、泣いてなんか無い」

「本当か?」

「でも、ありがとう……」


「最後、何て言ったんだ。もう一回言ってくれ」

「聞こえてるだろ、バーか」


まあ一件落着ってことで幕を閉じるか。

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