第11話 國を創り神となれ
「国を創ろう。私達の国を取り戻すまでは」
フレイヤの唐突な意見。俺は関心する。
「あぁ、フレイヤ。まだ諦めちゃいけない」
「そうだよ。まだ1日も経ってないんだよ」
フレイヤの明るさは俺に勇気を与えてくれる。
「ここ、首里城を拠点とし、我々人類最初の防衛線を創る」
「ここをか?」
「何をポカンとしてるんだ、カミシマ。俺達は今、やるべき事をする。それだけだろ」
俺は行動に移すべく、首里城の周囲に巨大な対魔獣消滅壁を張る。俺は管理人で良かったとつくづく思ってしまう。
次に消滅壁内のモンスターを鎮圧する。意外とモンスターは少なく、素早く片付けられた。
「次は何するの?」
「次は首里城に旗を立てる」
「旗はもう出来てるの?」
「もちろん。これがそうさ」
俺は旗を見せる。旗のデザインは日本の国旗に刀が刺さっているという感じだ。捉え方によっては反逆者になるが、この旗の意味は俺達は日本を守る刀という意味だ。
「なんか……あれじゃない?」
「あれって何だよ?」
「とにかくあれだよ」
「だからあれって何だよ」
「僕が説明するとあれとはダサいという事ではないでしょうか」
俺はカミシマを吹き飛ばし、フレイヤに聞く
「ダサく、無いよね」
「あれっていうのはカッコいいっていう意味だよ」
「そうだよな」
俺はフレイヤの頭を撫でて褒める。
「ズ…ルい……ぞ」
「黙れ、カミシマ」
それより次の作業を始めないと。
「ここを琉球王国として世界を創り変える。だから生きている人を集めるぞ」
「ファふーん」
「ふふっ。何それ」
「了解ってこと」
「かわいいな、お前は」
フレイヤは顔を真っ赤に染めて、顔を下に向け隠す。そんな姿も十分かわいい。
「これより作戦を開始する。少しでも多く人を集めろ。それだけで俺達の勝算はぐっと上がる」
「ファふーん」
「了解」
俺は北東方面に向かう。なぜなら北東には学校が存在する。活きの良い学生の一人や二人、いるだろう。俺はテレポートして学校に移動する。
誰もいない。モンスターに喰われたとしたなら何故血やら肉片などが散らばっていない。
その時地面に文字が刻まれていく。文字が円を描いている。これは魔方陣の類いで、この系統は転送系の魔方陣。
「スケルトン!?」
スケルトンの集団が襲ってくる。
「神を滅する雷よ。今こそその力を解き放ち、地に裁きの光を降らせたまえ。明雷十字架」
空から雷が落ちる。スケルトンは跡形もなく消滅していく。灰のように消え、風のように空へ消えていく。
数秒後、魔術師が現れる。黒いフードに、光沢のある黒い杖。それらが醸し出しているのは"闇"。純黒に染まった闇そのものだ。
「いいのかな。そんな事して」
「何の事だ?」
「今君が殺したのはこの学校の生徒達なんだよ」
「生徒……!?」
後先考えないからこんな事になるんだ。俺は自分自身に罵倒を浴びせることしか出来なかった。
「くそっ、くそっ」
「死ね」
魔術師はアズサワ目掛けて襲ってくる。
「管理人殺しの短剣」