表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巫女は異界を掌握する!  作者: 東堂 灯
聖女様のフォロー役
2/6

巫女さんの事情(上)


「私は、聖さんのフォロー役としてこちらの世界へ来ました…って言いましたよね?ちょっと…っていうより、かぁーなーり、遅かったみたいですが。」


なんていうか、物語は完結しましたよね?って感じの雰囲気だよね。

聖女様と王子様がなんやかんや苦難を乗り越えて、ハッピーエンド!って感じだもんね…


「いえ、その…」

「まぁ、タイミングは私の責任ではないので、文句なら神々へどうぞ。えーと、どこから話そうかな…」


いや、そんな唖然とした顔しないでよ。

ちゃんと神様敬ってるよ?これでも巫女よ??


とにかく、私についての説明かぁ…

どこから説明しようかしら…


そんな事をつらつら考えながら、こんな事になった顛末を思い出していくーーーー。




◇ ◆ ◇










『かんな…かんな、そのままでは、死ぬぞ。』


そうだ、私は直に死ぬ。


「いぃ…もう、いい…疲れた…」


そもそも、この世界に居場所なんぞないのだ。

現代では意味のない《白の御子》という色の存在は、ただただ虚弱な巫女でしかない。

神と繫がるこの役目には、もう白という色はいらない。神秘性も薄れてしまった。


『かんな…妾の可愛いこ…そう言わないでおくれ…

『そうじゃ、そうじゃ…そなたならまだ…』


あぁ、この方々は、本当に…

でも、本当にもういいのだ。もう、現代に巫女はいらない。

人はもう、神離れする時だ…巫女という生贄は、私で最後だ。


「大丈夫…わたしは…しあ、わ…せ…」


さぁ、このまま、この泉で、眠ろう…


『そうはさせないよ、かんな』


その声を聞いた時には、私は私のいた世界から消え去った。


「ってうぇ!?なんだここ!いや私死ぬ感じだったよね!?」


周りを見まわせば、白、白、白ーーー…え、ここ、発狂部屋?

いや、死後の世界はこんなんだった?そんな筈ないんだけど…え、巫女教育間違ってた??


『間違っていないよ、かんな。ここは死後の世界でもなんでもない。世界と世界の狭間だ。』


あ…


「巫女、かんなにござります。御身に…」

『あぁ、そんな挨拶は良いよ。声をかけるのは初めてとはいえ、君のことは皆知っているからね』

「は、ぃ…」


最後に聞いた声のお方だ。

神多き日本において、馴染みのある神とそうでない神とでは、対応が違う。そしてこのお方は、馴染みのない神様だ。

それにしても、随分とお優しい…本来の神々は、もっと…こういってはなんたが、傲慢で、気紛れと聞いていたんだが…


『ふふ、かんな、ここでは思考がもれるからね。それに、そのへんの下位のモノと、可愛い御子の扱いが違うのは当然だよ。』

「っ!?も、申しわけござりませぬ…」


巫女は特別…?ううん?歴代巫女はそんなこと…

いやちょっとまて、思考がだだもれ!?


『あぁ、そうだよ。だから、気遣わなくて良い。それに、君の思う巫女は御子ではないよ?』

「あ、ありがとうござ…います…?」


え、まって。

巫女が巫女じゃないって…どういうこと?


『うん?君の言う巫女は〈巫女〉、役職を指す。私が言う〈御子〉は御子、私達の愛し子としての御子だよ。』


それ、は…私ではなく、色が白いから…

だから…神々も、みんな、優しかった、の…?


『色ではないよ、かんな。君のその色は、現代では解明されつつあるだろう?その色と、私達は関係ない。そして、私達にとっての価値は魂の…うん、輝きだ。』


かがやき…それは、随分と…過大評価だ…


『おや、その割には嬉しそうだね?…さて、落ち着いたようだし、そろそろ本題を話して良いかな?』





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ