師匠に置き去りにされた⁉︎
その後、爺さん用にちょっと良いベッドマットを買ったら終わり。
「ジィジ……本当に此処で寝るの?」
「阿多棒よ!」
爺さんの寝る場所は、なんと運転席の上のロフトみたいなスペースだった。こんな所で寝るの?
「儂は運転席が部屋なんじゃ! 誰に何を言われ様とな!」
分かりました、もういいです。
◆
駐車場でキャンピングカーのメンテをしている時に辺りを見渡して気が付いた。周りにはキャンピングカーが多くある。もしかして旅人なのか?
「今時、旅をする者は多いんだ。キャンピングカー専用の駐車場も補給場所も有る」
近くに居たメガ萌が教えてくれた。最近は旅ブームが到来しており、街にはキャンピングカー専用の駐車場も補給場所も多数有るらしい。此処にも有り、水の補給等出来る様になっている。
「へー。知らなかった」
世間に疎いな私。
「さてー」
そろそろ夕食時なのでメンテを切り上げ、キャンピングカーに戻るかな!
『続いてのニュースです』
キャンピングカー内にはテレビがあり、各地の番組が見られる仕様になっている。私達は夕食を囲いながら、ニュース番組を見ていた。
『逃走中のソフィア様が捕まり、砦に連行されました。王は近々、ソフィア様に刑の執行を命じるそうです』
「お姉様⁉︎」
ニュースにコルネリア様のお姉様であるソフィア様が捕まったと報じられていた。まさかのソフィア様、捕まった⁉︎ 嘘だろ?
それを聞いたコルネリア様は可哀想なくらいに動揺している。
因みに生き残った王族は王に謀反を企てたとして現在指名手配中だ
「ソフィア様が居なければ、白の在り方が分からない」
師匠が心配するのは白の宝玉の事らしい。ソフィア様じゃないのか! 師匠らしいけども!
「姫様……」
メガ萌もかなり動揺していた。まぁ、主人が捕まれば動揺もするわなぁ。
「お姉様……」
コルネリア様は俯いてしまった。
ソフィア様が捕まった砦は直ぐ近くに有るらしいが、中には六花の1人や花弦が居り、師匠と私では救出は難しいだろう。
「リンドヴァル……勝算はいくつだ?」
「10にも満たないでしょう」
コルネリア様は師匠に救出出来るか問うたが結果はほぼ無理。そりゃそうだ。例えドクトゥスである師匠が居たとしても、向こうは軍隊な訳で人数の差があり過ぎる。それを師匠1人で補える筈がない。いや、師匠なら出来そうだが
「それでも、助けに行って欲しい。僕達は隠れているから2人で行って来てくれ。頼む……お姉様が殺されてしまう」
私もしれっとメンバー入りしてるんだけど……絶対に無理だ。敵がウヨウヨ居る砦に2人で忍び込んで、ソフィア様を探せなんて無茶にも程がある
「……私の役目は貴方を守る事。そう前王に申し付けられています。ソフィア様では……」
「頼む! 姉様を助けてくれ」
縋るコルネリア様。それを無下に出来ない師匠は溜息を吐き、
「佳月、行くぞ」
「巻き込まれた!!」
嘘だーー!! 無理だーー!!
しかし慈悲などなかった……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
只今、砦ナウ
砦の近くまでキャンピングカーで来て、途中から徒歩でここまで来た。非戦闘員組は近くの安全そうな場所でジィジの殊技で隠れて待機中だ。ジィジの殊技、便利だなぁ
「師匠、無事侵入出来ましたけど……どうします? 何処にソフィア様がいらっしゃるか分からないんですけど……」
こんな計画無しの侵入で良いのだろうか? 普通、奪還計画練らない?
「……兎に角、行くぞ」
私達は見つからない様に先に進む。
「メインコンピュータの部屋が有りますね。そこから、監視カメラ等で内部を確認しては?」
「そうだな」
部屋に入り、中に居た兵士を説得 (物理)し、黙って (眠って)もらう。優しい兵士さんだなー (棒読み)
「師匠、此処です。此処にソフィア様が居ます」
機械音痴の師匠に変わり、私がパソコンを触りソフィア様の居所を探った。
「行くぞ」
「はーい」
部屋からでてコソコソと移動する。コソ泥になった気分である。
「佳月……」
「はい?」
コソコソと移動していると、師匠に呼ばれた。何用?
「黒の宝具の気配が1つする。六花が居るだろう。気を抜かなよ」
「……」
やっぱり、六花居るのかー。てか、六花を師匠が感知できて居るということは、向こうも感知出来てる筈だ。と言う事は侵入バレてなるんじゃないの?
「一気に難易度上がったなぁ」
気を引き締めて進もう!
◆
ソフィア様の独房に誰にも見つからずにたどり着く事ができた。しかし、独房の前には兵が数人いる。此処からは戦闘必須だろう
「俺が行く。お前は後だ」
「イエッサー」
師匠が兵の前に躍り出て、一気に数名を熨した。コレで問題ナッシング。私は兵のポケットからキーを取り出し中に入る。師匠は外の見張りだ
「リンドヴァル? それに貴女は」
「おぉ……噂通り美しい」
めっちゃ美人! 私、今なら配管工になれる気がする。クッ◯からピー◯姫を救い出してみせる!!
私はソフィア様に付いている手枷と足枷を取るべく、鍵穴を探す。鍵は無いのでピッキングする予定だ。
「早くしろ。花弦だ」
「マジですか……」
慌ててピッキングしようとするが、頑丈でなかなか外れない。もう少しなんだけど……
「チッ……あ゛っ⁉︎」
……? うん? 師匠が舌打ちの後に『あ゛っ⁉︎』って言ったけど何か……
「ちょっと師匠⁉︎ アンタ何してくれてるんだ! 閉まったんだけど! 扉閉まった!」
「すまん……どう開けたら良いんだ?」
「この機械音痴がーー!!」
あろう事か師匠は何かのボタンを押したらしく扉を閉めて来た。そして機械音痴の師匠は扉を開けられない。私諸共閉じ込めやがった!
「クソッ! 敵だ。少し待て」
出られない私を放置して、何処かに行っただと……しかも!
「殊技殺し使いやがった!! 魔法が使えなくなった!」
あの人、最大範囲で殊技殺し使ってる! お陰で、私の魔法も殊技も使えなくなった。どうするんだ、これ!
「ちょっと! せめて殊技殺しを止めてください!! 魔法が使えない!」
猛講義するが、師匠には届かない。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないです」
崩れ落ちた私にソフィア様が気遣ってくれた。ソフィア様の目には同情の色が見える。師匠ェ……




