獣人の王3
『三世八久がラーライル王国に反逆した』
その話を聞いた時彼らは酷く狼狽し、そして悩んだ。
三世を助けるという事。それはつまり、国を裏切るという事だ。
確かに、彼らは三世に恩義と友情を感じている。だがそれは、共に国を裏切り命を賭けるほどではない。
一緒にこの世界に来て、一緒に行動して、一緒に冒険して――。
ただ、それだけの関係である。
それは他の友人や妻より三世を優先する理由になり得ない。
だからこそ、彼らは最後の最後まで、どうすべきか悩み続けた。
マリウスは地図を取り出して確認しながら、今後の相談をし始めた。
「カエデさんとルゥ、シャルトのおかげで予定よりも戦闘が少なく済んだ。更にヤツヒサを助ける為の援軍が二度も来た。人望のある弟子で嬉しいぞ……そして少し羨ましい」
マリウスの言葉に三世は苦笑いを浮かべた。
「師匠だって人望ありますよ。私達師匠が困ったら本気で手助けします」
三世の言葉に合わせてルゥとマリウスがこくんと頷いた。
「ああ。わかってる。さっきのは冗談だ。話を戻すぞ。予定よりはるかに楽に進めている。だが……まだ安心出来るほどではないな」
三世が王の試練を受けている間、その場所を守護する者が必要である。
その為、最低でもあと一度は人員を割かなければならない。
獣人にも王を目指す者がいて、その間試練を邪魔されないようにする必要があるからだ。
今のメンバーのルゥ、シャルト、マリウスがその役目を務められるのならそれが最善だが、マリウスはそこまで楽観視していない。
これまで相手の戦士と接敵したのは国外に出ていた独立部隊と伏兵の二回だけである。
斥候程度の相手にしか出会っていないのはカエデさんとシャルトの努力のおかげでもあるが、幸運に恵まれたと言う理由の方が大きい。
地図通りであるなら残り距離三分の一くらいで国の中心部に到着する。
王という性質上、その位置に王を決める試練の場があるとドロシーは予測していた。
幸いにして援軍のおかげで予定の何倍も早くここまで来れており、時間は数時間ほど余っていた。
今は日が昇り切ってない状態であり、大体午前中の十時くらいである。
「後は迂回しながら獣人を避け、試練の場まで戦闘なしで着けるように目指そう」
マリウスの言葉に三人は頷いた。
三世が試練に失敗する。
その可能性を考えている者は誰もいなかった。
緊急時は切り札を前倒しで使えばなんとかなるしカエデさんも共にいる。
だがそんな物理的な理由よりも、信じられる大きな要素があった。
『動物馬鹿である三世八久は、動物が絡むと絶対に失敗しない』
誰もがそう心の底から確信していた。
シャルトが馬車の屋根の上に乗り、前方を確認しながら方向の指示を出し、迂回を繰り返しながら中央を目指した。
数十から数百人程度の集団をシャルトは見つけ、相手に気づかれないよう一定の距離を取りつつ奥に進んでいく。
中央が近いだけあってか獣人集団の数は非常に多い。
これまでに三十以上の集団をシャルトは見てきた。
だが、真面目な活動をしている集団はそれほど多くなかった。
ちなみに、シャルトが見た獣人はほとんどが男性であり、服装から戦闘員であるという事も伝わる。
ただし、緊張感は一切感じない。
今この時も軍勢が迫りつつあり、この国を滅ぼそうとしている事すら知らないのだ。
五時間ほどの時間を迂回しながら進み、ようやく目的の場所の傍まで来る事が出来た。
シャルトの目でしかまだ見えないが、そこには巨大な塔が建っていた。
高さで言えば四階建て程度の、太い螺旋の形状をした怪しげな塔を見たシャルトは一目でそれが目的の場所であると理解した。
尋常じゃないほどの魔力が渦巻いているからだ。
本来なら魔力というものは簡単に視覚出来るものではない。
感じる事は容易くとも目視することは非常に難しく、自分と繋がりのある魔力ですら、うっすらと確認出来るかできないかという物である。
にもかかわらず、目の前の塔にはシャルトが容易く目視できるほどの魔力が渦巻いていた。
目的地も近くなったが、同時に大きな問題も発生した。
塔と自分達の間に獣人の集団が一つ。
そしてそれとの接触は避けられそうにない。
これが今までと同規模の集団であるならば、迂回すれば良いのだが、今回は迂回という選択すら取れない。
何故ならば、迂回する先がないからだ。
その集団を見てシャルトは最初目を疑った。
複数の集団が重なっているのかと思ったが、それがすぐに間違いであると分かった。
広い範囲に一つの集団がいるのだ。
それもシャルトが確認しきれないほどの人数を従えた集団が。
最低でも千はいるだろう。場合によってはその二倍、三倍まではいてもおかしくない。
しかも、彼らは全員さっきまでの集団よりも装備が充実している。
鎧に身を包み、剣や盾を持つその姿はこちら側と何も変わらない。
だからこそ、この集団こそが相手の主力部隊であるとシャルトは考えた。
「というわけですが、どうしましょうか」
シャルトは見た物を伝え全員にそう尋ねた。
選択肢としては二つある。
現在の場所から完全に迂回し背後から塔を目指すか、このまま突っ切って相手の主力集団を突破するか。
ただし、これまで迂回しながら進んできた為迂回して進むほどの時間は残されていない。
つまり……もう突っ切るという選択肢しか残されていなかった。
「馬車を外し、カエデさんの背にヤツヒサが乗りルゥとシャルトは護衛をしながら三人で突っ切れ。俺がここに残って足止めをする」
それはつまり、数千の敵をマリウスは一人で相手するという意味だった。
「……師匠、大丈夫ですか?」
三世の言葉にマリウスはあいまいな笑みを浮かべて返す。
大丈夫なわけがない。
だが、残念ながらマリウス以外に足止めを行うに足る能力を持った者はこの場にいない。
目的を考えるなら、これが最善だと三世も理解していた。
マリウスを置き去りにするという方向でもう少し詳しく作戦を練ろうとした瞬間――突然三世の視界が暗転した。
次の瞬間に感じたのは背中が殴られたような強烈な痛みである。
気づいたら馬車は停止している上に、変に傾き斜めになっていた。
何があったのかと思い馬車の外に出た三世が見た物は、土の壁だった。
現状を鑑みて何が起きたのか三世は理解した。
どうやら落とし穴にひっかかったらしい。
「とりあえず状況確認からだ。ヤツヒサはカエデさんの状態を、シャルトは馬車の状態、ルゥと俺は周囲確認だ。急ぐぞ。落とし穴の確認に誰か来るかもしれん」
マリウスの指示に従い、三世はカエデさんの方に向かった。
と言っても最初から無事なのはわかっていた。
三世は既ににカエデさんに視線を向け、カエデさんとアイコンタクトで連絡を取っていたからだ。
だが念のため三世はカエデさんに触れて診てみる。
「……うん。問題なさそうですね。ただ、長時間の移動による疲労と軽い水分不足が見られます。なので今のうちに」
そう言いながら三世は経口補水液を獣医スキルで生成しカエデさんに飲ませた。
「カエデさんは無事でした。そちらは?」
三世の言葉にルゥが答える。
「落とし穴に落ちたの見つかったみたいで、今沢山の獣人がこっちに来てる。急いで移動した方が良いと思う」
「ちなみに馬車は完全に破損しています。車輪が真っ二つになってますので修理すら不可能です。……まあ落とし穴に落ちた時点でたとえ壊れてなくても馬車を地上に復帰させる手段がないのですがね」
ルゥとシャルトの言葉を聞き、相談した結果今後の方針が決定した。
まず、マリウスはここに残るという選択肢しかなくなった。
人間であるマリウスの足ではカエデさんは当然として、ルゥとシャルトの足には絶対に追いつけないからだ。
「とりあえず先行してくる数百ほどの敵を足止めするから、後は三人で逃げろ。どうしても無理になったら、三世だけ先に行かせてルゥとシャルトも足止めに回れ。いけるな?」
マリウスの言葉に二人の獣人は頷き、そのまま垂直に飛び上がり落とし穴を出た。
「ヤツヒサ。ギリギリまで諦めるな。最悪でも、命をあきらめる事だけは許さん」
マリウスは馬車の背にある大剣を取り、そのまま土の壁を三角跳びの要領で蹴り上がって脱出した。
久しぶりに三世は見知った気配を感じた。
三世が最も恐れるもの――死の気配だ。
自分のではなく、知ってる誰かのである。
その気配は、マリウスの方から強く感じていた。
侮っているつもりはなかった。
だが、知らず識らずのうちに油断が生じていた事も否定できない。
三世は現状の危機をそう表現することしか出来なかった。
当初の予定ではマリウスが足止めをし、ルゥとシャルトが道を切り開きカエデさんに乗った三世が離脱する。
こうなるはずだったが、現実はマリウスがたった一人に足止めを食らい、ルゥとシャルト、三世の三人でそれ以外の全員を相手にしていた。
現状は三十人程度だが後続がぞろぞろとこちらに近づいてきている。おそらくだが、その総数は二百人を超えるだろう。
そしてその二百人を倒してしまうのも問題になる。
こちらに有利になりすぎ、一人でも後続に控える本隊に連絡を取られたら千人以上の本隊と思われる集団が一斉に襲い掛かってくるのが予想出来るからだ。
こうなった原因、それはたった一つである。
『敵にマリウスと同格の存在がいるとは予想できなかった』
ただそれだけだった。
獣人のフットワークは非常に軽い。
それは実際の速度という意味だけでなく、行動が早いという意味でもそうである。
前王は獣人最強と呼ばれるほどの力を持ち獣人を支配する能力を持ちながらも、最前線にまじり普通に戦死した。
獣人は権力を持ち集団の代表だったとしても、奥に籠らず好きに行動する。
そういう種族だからである。
マリウスと一人で戦っている獣人の名前はジェヴォーダン。
戦闘肯定派の王を目指す獣人であり、戦士の四分の一、つまり二千五百人ほどの支持を受けている歴戦の戦士である。
黒い狼の耳と黒い髪で動物要素は耳くらい。あとは人と同じ姿形をしている。
手足には無数の傷の痕が見え事から、相当の修羅場をくぐって来たと予想出来る。
体格は鎧に包まれたマリウスよりも一回り小さい。
それでも平均と比べたら相当大柄な方で、顔はボサボサの無精ひげが伸び放題になっており、顔半分が見えない。
ジェヴォーダンは両手斧をマリウスに振りかざし、それをマリウスは大剣で無理やり受け流す。
そしてその隙を付くように、ジェヴォーダンはマリウスに蹴りを放つ。
マリウスは正面から迫りくる蹴りをステップで回避し、剣を横に薙ぎ払い、ジェヴォーダンは斧でそれを打ち払った。
お互い力によるごり押しが得意の為か非常に荒々しい戦いが繰り広げられており、どちらの陣営も助けを出せずにいた。
手が出せない上に見事なまでに拮抗しており、その場は放置し残ったジェヴォーダンの部下達を三世とルゥ、シャルトは相手にした。
ジェヴォーダンの部下達はさきほどまでの獣人たちとは一回り以上も実力が上で、三人は苦しい戦いを強いられた。
もう相手を殺さないと言える状況ではなく、シャルトも後で怒られるのを覚悟し太刀を使って殺すつもりで戦ってみたが、未だに誰一人殺す事は叶わず、気絶すらさせられていない。
個人の実力で言えば三世、ルゥ、シャルトの三人の方が部下達よりも強いだろう。
だが、この集団は今までと違い、きっちりと連携を取ってきていた。
無理に攻めてこず、隙を仲間同士のカバーで消し合うカバーリングの上手さに三世達は攻めきれず、相手獣人の増援は際限なく増えて来る。
ジリ貧のまま追い詰められていき、もはや詰みの状態に近い。
マリウスは何とか三世だけでも先に行かせられないか考えるが、ジェヴォーダンの猛攻を凌ぐのがやっとである。
三世の方ですらカエデさんの上で戦い、相手の怪我覚悟での全力でようやく拮抗という現状だ。
どうしようもない状況が続き、焦りだけが膨らみ時間だけが過ぎていく……。
諦めかけた次の瞬間――突然空が暗くなった。
ラーライル周囲の気候は非常に安定しており、雨はまったく降らず太陽を阻害するほど厚い雲も出てこない。太陽を遮り場を暗くするほどの雲が出るというのは滅多にない事である。
だからこそ、突然の変化に自分達は当然相手も戸惑い、空を見上げた――。
そこには雲はなく、巨大な緑色のドラゴンが立ち止まりこちらを見下ろしていた。
緑色の鱗に力強い巨体。そしてその体格と同等の翼。
空高くにいる為詳しい大きさはわからないが、三十メートルくらいはあるのではないだろうか。
何時の間にか現れたドラゴンは翼も動かさず空中に静止してその場に待機している。
全員が茫然とした様子で空を見ていた時、突然ドラゴンの腹部辺りがぴかっと小さく光った。
そして次の瞬間、その光は地面に落下し、轟音を鳴り響かせ辺り一面にジグザグの光の線を無数に走らせた。
突然の雷光がドーム状に広がっていき、周囲にいる者に被害を与えた。
ただし、相手の獣人のみに――。
雷のような攻撃は確かに三世達にも当たったはずだが、三世陣営は誰一人傷付かず、ジェヴォーダンは鎧が黒く汚れ肌に火傷のような跡が残っていた。
周囲の獣人達にも被害はあったようで、地面に倒れ気絶している者もいた。
ひゅー。
何かの音が空から聞こえ、三世が上を向くと何か小さな塊が降って来た。
その塊は徐々に大きくなり、地面が近づくとその正体が明らかになった。
小さな塊は人の姿をしていただった。
三メートルは超えるであろう異常な大きさの両手ハンマーを振りかざし、男は着地と同時に地面にハンマーを叩きつけた。
激しい轟音と土煙。
さきほどの雷以上に大きな音を鳴り響かせ、それと同時に周囲に衝撃をまき散らし二桁ほどの獣人がふっ飛び文字通り空を飛んだ。
数秒後、土煙の中だハンマーを振り下ろしている男の姿を三世は確認した。
その男の名前は田所修一。三世の顔見知りである。
「ヤツヒサさんお久しぶりです! 何か大変そうっすね」
にかっと笑いながらシュウイチは軽い態度で三世に話しかけた。
「どうして……ここに?」
理由などわかっている。それでも、三世は聞かずにはいられなかった。
「いやはや、正直かなり悩んだんですよ。いえ本当に」
そう言いながらふわーっと空からもう一人男が降りて来た。
男の名前は田中正次。
三世は二人の事を良く知っていた。
共にこの世界にきた仲間である。
「そうそう。正直来ないつもりだったもんな。国を相手にするってこえーもん」
シュウイチは豪胆な笑い方をしながら周囲の獣人を吹き飛ばしていく。
「そうですね。ヤツヒサさん聞いて下さいよ。コイツ、シュウイチはこっちで結婚したんですよ! 新婚ですよ全く。私一人に任せたら良かったのに」
マサツグの言葉にシュウイチは笑う。
「はっ。お前が行くのに俺が行かないわけがないだろう」
「そうですね。私達は二人でいつもどこにでも行ってましたもんね。あなたは帰るところが出来ましたけどー」
マサツグは少し拗ねた言い方をしながら、手を振りかざし小さく呪文を唱えた。
その瞬間に周囲の獣人は風の渦に捕まり、シュウイチの傍に誘導される。
そしてソレをシュウイチがハンマーで殺さないように気絶させていく。
ジェヴォーダンはさっきと立場が逆転した事に気がついた。
部下を助け被害を減らそうとするが――動けない。
マリウスの猛攻をしのぐだけで精一杯になっていた。
ただ、戦いの中でこそ生きる意味が見つかるとジェヴォーダンは信じている為、この状況はむしろ都合が良かった。
自分の最後の相手が目の前の男でも、文句はないと思えるくらいには――。
「一体どうして来たんですか! 新婚で、楽しい事もあって。なのに国を裏切ってまで。正直、そこまで私は二人と親しくなった覚えはありません。忙しくなってほとんど会えなかったじゃないですか!」
三世の心から叫びに、二人の男は顔を見合わせ微笑んだ。
「俺が言って良いか?」
シュウイチの言葉にマサツグは頷き、シュウイチは声を張り上げる。
「そうだな。最初の頃には一緒にいてくれた恩がある。次に一緒に冒険に出た恩がある。でもそれだけ。命を賭けるほどではないだろう。だけどなヤツヒサさん! 一年前のあの日! あの場所から馬車に乗って三人で移動して、宿屋に泊まった事を覚えてるか?」
三世はシュウイチの顔を見ながら頷いた。
忘れるわけがない。
最初の拠点が居づらくなり、その上保存食は絶望的にまずかった。
周囲から冷たい排他的な目で見られながらマズイ保存食を食べる。
あの時は非常に惨めな気持ちだった。
だからこそ、解放された瞬間は本当に嬉しかった。
「そう、三人で食った飯がな……ただの宿屋で食った飯がな! 泣くほど美味かったんだよ! 助ける理由なんてそれだけで十分だ!」
咆哮に合わせてシュウイチはハンマーを地面に叩きつけ、周囲の獣人の動きを止めた。
「という事ですので、月並みですがこの言葉を贈りましょう。ここは私達に任せて下さい! なあに心配ないですよ。我々にはドラゴンが付いていますから」
マサツグは冗談めかしてそう言葉にすると、シュウイチは苦笑した。
「何で死亡フラグみたいに言うんだよ。いやマジでドラゴンで何とかなるんだけどな。ただ加減が出来ないから出来たら避けたいだけで」
その言葉を聞いてか聞かずか、上にいるドラゴンは大きく咆哮を上げ、この場にいる獣人達をビビらせた。
「では、ここはお願いします! また今度ゆっくり会って……お互いあった事を話しましょう!」
三世はルゥ、シャルトを傍に寄せ、マリウスの方を見た。
「俺は離脱できそうにない。遅いし移動する足がないからな。俺の事は置いていけ。この二人と一緒に少しでも敵を引き付ける」
マリウスの言葉に三世は頷いた。
「師匠。ご無事で」
それだけ言葉にし、三世はその場を去っていった。
「というわけでヤツヒサの御師匠様。即席ですがパーティー組みませんか。こちら近接と魔法使いのコンビとなります」
シュウイチの言葉にマリウスは微笑み頷いた。
「乗った。そっちの魔法使い……マサツグか。マサツグに合わせる。俺の事は好きに使ってくれ」
「了解。私達よりも技量が高そうですが、安心してください。格上に指示を出すのは慣れています。申し訳ありませんが酷使させていただきますよ」
マサツグの言葉にマリウスは苦笑しながら頷き、その命令に身を委ねた。
ありがとうございました。




