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五十階へのプロローグ

 

 四十六階の条件は『四十六階は今までと逆で、種の結束を見せて欲しい』と書かれていた。

 それは『同一種族だけ』と見て間違いないだろう。

 そうなると問題なのは、ルゥとシャルトの代わりに誰を連れていくかである。

 マリウスもドロシーもそこは悩んだ。

 下手な人材は連れていくのは後も前も面倒になる。

 軍と騎士団から借りるというのも手だが、これは別の理由で面倒な事態になるとドロシーは予想した。

 政治が絡むと人は人でなくなる。そのドロシーの言葉は妙な重みがあった。


 どうしようかと話し合っている時に、三世はぴこーんと頭に電球が灯ったようなすっきりとした気持ちになりとある発想を閃いた。

「むしろ、つれて行く必要ないのでは?」

 その言葉にマリウスとドロシーは首を傾げた。

「さすがにソレは危険だ。ヤツヒサがマッピングをするなら実質二人の戦力だ。実力は置いておいて、手数と目が足りん」

 そうマリウスが言うと、三世は首を横に振った。

「いえ。攻略する必要なのでたぶん大丈夫ですよ」

 三世の言葉に首を傾げていると、ドロシーが「あー」と何かわかったような口ぶりで納得していた。

「ヤツヒサさん。頭柔らかいね」

 ドロシーの言葉に手を横に振る。

 これはゲームを知っているならすぐに出る発想だった、逆に、知らないと絶対に出てこないだろう。

 ダンジョンという物のとらえ方の違いだった。


 まず、三世、マリウス、ドロシーの三人で塔に入る。

 そして前回攻略した四十五階に移動する。

 ここは同じマップの為迷うことはない。

 条件の予想である『人間だけ』というのは正解だったらしく、すんなり階段を上ることが出来た。

 そして、登った先である四十六階で、即座に脱出しルゥとシャルトを迎えに行って再度塔に上る。

 三世の考えは『条件の時だけ人数を減らし後で合流する』というゲームでよくある考え方だった。

 別に塔の再入場にリスクはないのだから問題ないだろうと考えた上での方法である。

「はー。こんな発想なかったな」

 マリウスが感心したような声を出すが、三世にとっては当たり前の発想でしかないので褒められると少し申し訳ない気持ちになる。

 住んでいた世界が違うからこその発想でしかなかった。




 勢ぞろいして四十六階についた三世達を迎えたのは、今までとレベルの違うダンジョンだった。

 罠が多く敵が強く、そしてダンジョンが複雑である。

 罠に引っかかることはないが解除の手間が多く、進むのに時間がかかるようになり、敵は倒せるのだが明らかに被弾が増えてきた。

 ダンジョンの複雑化はとにかく面倒で、若干のイライラを募らせながらの攻略となってきた。


 だがそれでも、マリウスとドロシーを中心に安定した戦力と、割り切ってマッピングと動物キラーに徹した三世で攻略出来ないというほどでもなかった。

 時間はかかったが四十九階まで攻略出来、目の前に次の階層に移動する魔法陣が見えた。

 ただ、今までと様子が違うようだった。


 時々魔法陣による移動はダンジョン内であったのだが、番人戦に魔法陣で移動することは今までなかった。

 だが、今回は逆に番人戦に入る為に魔法陣が用意されている。

 そしてその横には看板が立てかけられて、五十階について書かれていた。


 一つ、この先は理不尽なり。

 二つ、番人は出ない。階層攻略方法はその先で説明する。

 三つ、己を貫けぬ者に突破は不可能である


 看板にはソレしか書かれていなかった。

「……行くか」

 マリウスの言葉に全員が頷き、武器を構えたまま魔法陣の中に入った。


ありがとうございました。

短くて申し訳ありません。

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