第3幕 ~夕暮れに目覚める者たち~
この幕では、叉僂こと、『猿渡 黎子』の家の事情が分かります。
叉僂は、しばらく2時間ほど眠っていた。
目が覚めると、もうすぐで夕日が出そうな時だった。
『んーん……良く寝たな…。もう少し寝たかったな…。』
(もうすぐで、私の身体は、人間になる……。
そろそろ家に帰らないと大変なことになる。
特に、私が羞恥な思いをしないといけなくなるから、
そうとなれば急いで、家に帰ろう!
動物の時は耐えれるけど、さすがに人間の時は、裸になるのは、恥ずかしいもの…!!)
叉僂は、目が覚めてから、ゆっくりと身体を起こして、立ち上がった。
そして、急ぎ足で全速力で木に登り上がって、木と木を飛び越えて行った。
叉僂がいる場所は、どうやら、家から反対側の方だったらしく、いつもよりも、かなり、全速力で木々を飛び越えていく。
『不味いわ。急がないと、夕日が出るー!!』
叉僂の家は、大名屋敷のような家で、兎に角、だだっ広いので、家にたどり着くのも大変なのだ。
まるで、迷路のような家なのではあるが、叉僂と叉僂の家族は、迷うことなく、遭難することもなく、家に辿り着くことが出来るのだ。
叉僂の家は、人間からは、単なるどこぞの殿様の屋敷として思われている。
表向きの家柄は、華族として扱われているが、
自警団としても活動している。
叉僂一族は、動物からは、警察的な立場であるので、今日も叉僂は、『猿渡 黎子』は、見廻りを兼ねての散歩をしていたのでした。
ご観覧ありがとうございました。
次回の森に住むものたちのお話は、、、
『第4幕~おはようございます、お目覚めはいかがですか?~』です。
次回もどうぞお楽しみに~!