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9 わくわく!戦闘訓練

お読みいただきありがとうございます。

やーいガッカリしただろー!


と、思ったのにますます可愛いって喜ばれた。なにゆえ???

男なのに華奢で小さくて愛らしいって。


褒められてるなら良いや。


後で改めて侍従を連れて来る事になり、それまでは侍女が相手をしてくれるそうだ。ジークフリートは残念そうにしながら仕事に行った。2時間も待たせたから仕事が押しているらしい。あ、そう。


「良かったら騎士団の訓練を見学したいです。」


そう言ったらにっこり笑ってご案内いたします、って。

この人は何の獣人だろう?明るい茶色の大きな耳が頭の斜めの所に広がるように付いている。思い切って聞いてみよう!


鹿の獣人だって。心の中でかのこちゃんと呼ぼう。


訓練場へ着いた。

けもみみマッチョ達が汗を流している。犬系が多いのは種族的特性だろうか?


今朝は寝坊してセブラン家の回り5周走っただけなんだよね。良いなぁ、混ざりたいなぁ。


憧れを込めて眺めていたらベルンハルドがこちらに気付いた。無視された。


もきーーー!!

なんか腹立つーーーーー!


「団長様〜!構って〜!!」


甘え声でおちょくって見る。無視される。


小石を投げてやる。避けられた。


他の団員達はちらちらこちらを気にしているけど、団長の手前、相手をしてはくれない。


つまんなーい!!

こうなったら他の人達に相手してもらおう。服が汚れるのは嫌なのでかのこちゃんにお願いして汚れても良い服を借りた。庭師の息子の服だって。


さっそく着替えて乱入だ!


「体験入隊希望でーす!」


ぶぅっ!と吹き出した団長と固まる団員達。団員達は心なし尻尾が揺れている。


「団長!あの!この方はどなたでいらっしゃいますか!?」


団員の1人が言った。ベルンハルトより少し背の低い犬獣人。犬種はなんだろう?。


「あー…こいつ…この方は王子の客人だ。粗相のないように。」

「そうなの、ボク王子様の客!退屈だから相手してくれないかな?」


人差し指を立てて唇に当て、小首をかしげてあざとく微笑む。地味な男の子服でも効果あると思うんだよね。


「あ、あぁぁぁぁ相手、と申しますと?」


「組んず解れつ?」


「「「「うおぉぉぉぉ!!」」」」


雄叫びが上がった。騎士団員なんてお上品なのかと思いきや、そうでもないらしい。ベルンハルドが止める前に始めるよー!


「誰が相手してくれるの?」


ボクがにやりと笑いながら殺気を飛ばすと、一瞬で空気が変わった。


「では私から。」


そう言って出て来たのは犬ではなく牛の獣人。わぉ!角、かっこいい!


突進して来る牛さんをひらりと躱す。ちょこまかと動き回れば必死に追いかけて来る。でも動きが直線的で単純。力はありそうだけど闘って面白い相手ではなさそうだ。


数分で見切りを付けて足払いで転がすと盛大に転がって壁に激突した。


「次!」


犬だな。犬種は分からないけどこげ茶の短髪に黒目、垂れ耳。


型通りのジャブを繰り出す。ボクシング?ボクサーって犬いたけど駄洒落?


軽く避けてハイキックで挑発。カポエイラ風に回転して蹴りで攻撃すると狼狽えて動きが硬くなる。空を切った右ストレートを掴んで背負い投げ。


次はにゃんこだった。

小柄で引き締まった体つきの薄茶とこげ茶のメッシュ髪。アビシニアンぽい。


この人は猫だけあってなかなかトリッキーな動きをする。強い。でも他の人より長く攻防を繰り返していくと徐々に動きが鈍って来た。いや、集中力が切れたんだな。


猫だけに飽きっぽいらしい。


大外刈り!


「お前らぁ!不甲斐ないぞ!」


だんちょー出てくる?


「ベルンハルド、参る!」


武士か!


…あぁ、騎士だった。


距離をとって向かい合い、仕掛ける隙を伺い合う。今日はボクから仕掛ける。


縮地法で間合いを詰め、リバーブロー。身を引いて躱されたので身を翻して肘打ち、受け止められて下方向から蹴り技三連撃。


紙一重で躱された。


次に打ち込んだ拳を跳ね上げられ、足をすくわれそうになったので蹴り上げながら後方へとんぼ返り。続く攻撃も体捌きで躱し、連続回し蹴り。


お互いに決定的な攻撃ができないままどれくらい経ったのか。


「団長!交代の時刻であります!」


伝令らしき声が聞こえ、楽しかった攻防が終わりを告げる。訓練中に割り込んで長居をするべきではなかったのに決着がつかず時間を忘れてしまった。


息を弾ませながら


「手合わせありがとうございました。そして訓練中に勝手な事をした事をお詫びします。」


素直に謝るとベルハルドが驚いている。当然か。


「手合わせした感想は?」


聞かれて素直に答える。

1人目は攻撃が直線過ぎ、相手の動きを予測しろ。

2人目は馴れない動きに動揺し過ぎ。訓練を重ねて精神を鍛えろ。

3人目は動きは良いのに集中力不足。体力増強第一。


ここまでうんうん頷きながら聞いていたベルンハルド。


「団長は…言うことなしに楽しかった!!」


そう言ったら空いた口が塞がらないと言った顔をした。思いっきり身体を動かせて気持良かったよ!


伝令君に一言謝ろうと声のした方へ視線を向けると…



剣の稽古に入る前に乱入しただけで、みんなの訓練は通常体術ばかりではありません。

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