3 準備は念入りに?
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カトラリーも食器も鍋もぴっかぴかになったので有無を言わさず庭の草むしりをする。昨日、一昨日と室内だったので外に出たくなったから掃除ではなく草むしりにした。
きれいに手入れされてても生命力の強い草は次々生えて来るからいくらでもやる事がある。作業用のエプロンドレスを借りた。アプローチは初めからきれいだったので庭の境界辺りを綺麗にした。
素手でやったら爪に泥が入ってしまったので爪ブラシはないか聞いたら侍女のメアリーさんが悲鳴を上げた。メアリーさんもネズミさん。
服を脱がされお風呂に放り込まれて髪を洗われそうになったので、つけ耳を押さえて身体を隠すように縮こまって涙目で睨んだらハッとして我に帰ったようだ。服を脱がせておいてボクが男なのにも気付かないなんて侍女としてどうなの!?
「失礼いたしました!耳はたとえ侍従でも他人がむやみに触れて良い所ではございませんでした。ましてやお客様に対して、なんと言う事を…」
耳を勝手に触るのって裸にするより失礼な事なんだ?
「自分でできますから、1人にして下さい…」
申し訳なさそうにもう一度謝ってからメアリーさんは出て行った。
付け耳がうっかり取れないように何かもっと工夫しなくちゃね。人間の耳が見えるのも不味いだろうからそっちも隠せて耳も固定できる髪型…考えよう。
メアリーさんがあそこまで我を忘れた理由も獣性の薄い丸い爪が痛々しく汚れてしまったからだって。赤ちゃんに不注意で怪我させてしまったような気持ちかな?
気をつけよう。
朝食後、テディ先生が来る前にパーティー用の髪型を決めよう、と言われて速攻人間だとバレた。するっと髪を持ち上げたせいで人間の耳が見えてしまった。
「黙っててごめんなさい!人間なんです!!」
男だと分かった時にはたいして驚かなかったお母さんとミミさんがひっくり返るほど驚いて、見ていたボクも驚いた。
立ち直ったミミさんと人間耳の隠し方と付け耳の固定の仕方を相談する。
付け耳は土台を髪と同じ色のダークブラウンのリボンにしてヘアバンド風にしてピンも使って固定。そして2本のシフォンのリボンを真ん中でクロスさせて付け耳をはさんでから人間耳に被せるようにしてうなじで蝶結び。髪は肩までのストレートなので結わずにゆるふわカール。
目を覚ましたお母さんもこれを見てホッとしていた。
とりあえずボクが人間だと言う事は3人だけの秘密になった。相談できる人ができて嬉しい!
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テディ先生にセブランとのダンスを見てもらう。ボクがリードさせている事は先生にはバレバレだけど他の人から見れば何とか体裁を保っているように見えるだろう、との地味なお墨付きを貰った。
いよいよ明日が舞踏会。
恩返しが終わったら身の振り方を考えなきゃな。働き口…できれば可愛い服に囲まれた洋服屋さんで売り子とか、暗算を活かして経理とかやりたいけど。経理はもっと字も他の勉強しないとダメだろうな。
あとでへたれなセブランじゃなくてお母さんに相談しよう。
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セブランと設定の打ち合わせをする。
行儀見習いに行くはずが手違いで違う街に来てしまった。行き先も連絡先も字が汚くて読めず途方に暮れていた所をセブランに拾われた、と。
ドジっ子、良いね!
お母さん達にもその設定で話をしたので問題なし!行き先のメモは日本語で雑に書いたよ。
時間の概念は日本とだいたい同じで、1日24時間1ヶ月はなんと2月4月6月9月11月、|二四六九士≪にしむくさむらい≫が31日であとは30日。で、1年365日。2月31日ってちょっと違和感…
1週間は7日で週休2日。
明日は土曜日で仕事が休みだから舞踏会が開かれるんだって。
午後5時からだから4時30分ごろ会場入り。厳密ではないけど階級が下の方から入って爵位が上の人ほどギリギリに来る。
偉い人をお待たせしないように、って事かな?
今回はそれほど大きな舞踏会ではないので30分前でOKだけど、もっと大きな舞踏会の時は2時間前に会場入りする。
ただし、そんな大きな舞踏会は年に1度で開始が6時30分だからやっぱり4時30分入り。
ふむふむ。
好きな人は伯爵位だから来るとしたら4時45分くらいだって。来たら教えてもらわなきゃ!
明日の準備にお風呂に入ってミミさんにエステしてもらってぴっかぴか!
全身オイルマッサージで尻尾のないお尻がこの目で見られるなんて!って感動された。ボクはむしろ尻尾の生えたお尻に感動するから、いつか恋人ができたら見せてもらおう。
夕飯食べて文字の練習をして寝る。すらすら書くのはまだだけど字がきれいだと褒められた。
エステのおかげか、リラックスしてぐっすり眠った。