27 Dance Dance Dance!
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扉の前に控える衛兵が2人、うやうやしく大きな扉を開く。
ヨナタンとベルに手を取られて入って行くと、盛大な拍手で迎えられた。
いや、おかしいでしょ!?
今日はただの練習だよね!
礼装風の騎士達ときらびやかに着飾った侍女達が左右に分かれて拍手で出迎えてくれた。
なぜか団長が進み出て手を差し出す。
「チハヤ、練習に参加してくれて感謝する。団員達も上手くなればチハヤと踊れると聞いてやる気を出している。改めてここにいる全員に紹介しよう。」
みんなの前に進み出て団長に紹介される。
「皆、会った事のある者も初めて会う者もいるだろうが噂は聞いているだろう。人間のチハヤだ。こう見えて成人している。だが見た目に騙されてちょっかいを掛ければ軽く伸されるから手を出す時には覚悟を決めろよ。」
止めないんだ!?
促されて自己紹介をする。
「ボクはナキリ・チハヤ、人間の16歳です。好みのタイプはボクより強い人だから、ボクと付き合いたい人は団長レベルになってね。女の人は強くなくて良いけど。あと、獣性の濃い人が大好きなのでもふもふなら多少弱くても鍛えてあげるから紹介して下さい!」
もふもふ小隊はまだ1人分空いています!!
拍手に混じる戸惑い。差別対象が好き、なんて言ったんだから当たり前か。
「ではこれから短い曲を5回、演奏してもらうから1曲ごとにパートナーを替えるように。休憩を挟んで更に5回。合計10人と踊って上手かったと言ってもらえた人数が多い順に3人がチハヤと踊ってもらえるから真剣に踊るように。では、演奏、始め!」
勝手に賞品扱いされてる。
まあいいか。そう言えばオロフはどこにいるんだろう?ヨナタンに聞いてみたら入り口のそばを指差した。
サボる気かな?
ベルとヨナタンを置いてオロフに駆け寄ると、オロフが困ったような顔をする。
「ダンス苦手なの?」
「…はい。その…どうにも上手く踊れなくて、相手がいないのを幸い、練習を避けて来ておりました。」
「じゃぁ、ちょっとやってみよう?」
無理矢理引っ張ってホールに連れて行くのも不安にさせそうなので、その場で組み方を教え、足の運びだけを教える。
「いち、に、さん、いち、に、さん…」
始めはゆっくり、徐々にスピードを上げて音楽に合わせる。
ぜんぜん下手じゃないよ?今まで何やってたんだろう???
「悪くないよ!そうそう、姿勢を崩さず、回りに気を配ってぶつからないようにして、動きの方向は反時計回りだよ。ちょっとホールへ行ってみようか?」
返事を待たずに引っ張って行く。曲は2回目が始まったところだ。
時折体軸がぶれるのでバランスを取って調整してあげる。姿勢が崩れかけたら引き戻したり押してみたり。曲が短いのであんまりしっかり教えられなかったけど、まずまずだ。やっぱり鍛えているからかな?
曲が終わってパートナーチェンジ。待ちきれない様子のベルと踊る。
あれ?結構上手い。
「ベル、上手だね。」
「ありがとうございます!相手もおりませんが仕事と思ってこっそり練習だけはしておりました。それが…誰もがうらやむチハヤ様と踊れるなんて…!!」
「大げさだなぁ。」
「まったく大げさではありません!それにしてもチハヤ様はお上手ですね。ダンス歴は長いのですか?」
「ううん、初心者だよ。こっちの世界に来てから初めて教えられたの。でも身体の使い方や相手の呼吸の読み方は武術にも通じるからね。」
「素晴らしい!素晴らしいです、チハヤ様!!」
山猫なのにワンコ属性…うふふ…
次はヨナタン。昨日の練習ではまだまだだったけどどうかな?
うん、少し上手くなってる。
やればできる子!えらい!!
3人と3曲ずつ踊って終了。さて、侍女の人達の投票はどうかな?
1位は団長、2位はヤギさん、3位はボクサーくん。
ボクサーくん真面目そうだから、練習ちゃんとしてるんだなー、と思ってたら侍女さん達から待ったがかかった。
「チハヤ様が男性としてもお上手だと聞き及んでおります。わたくしたちからも上位3名を選んでいただけませんか?」
30代くらいの狐のお姉さまがそう言った。
団長がボクに目配せするので頷くと、騎士達に挙手してもらって3人を選んだ。
結果は1位が狐のお姉さま、2位がウサギさん、3位が大きなふさふさの三角耳だ。
あの三角耳には見覚えがある。もしかしてポメラニアン?
まず騎士達と3位から順に踊る。ボクサーくんはきっちり型通りにこなす。もっと楽しもうよ。ヤギさんは時々楽しそうに跳ねて面白いんだけど唐突なアドリブに慌てちゃうよ?せめてアイコンタクトした方が良いと思う。そして団長は言うことなしです!本当にスペック高いなぁ。団長はご褒美は要らないんだけど手本としてだって。どこまでできる男なのか。
さて、次は侍女の皆さんとのダンス!
と、ここでかのこちゃんから待ったがかかった。
「せっかくですからチハヤ様の衣装替えを提案します。5分で済みますのでお待ちいただけますか?」
そわそわしながらも「衣装」と言うキーワードに反応する女性達。OKだそうです。




