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定義、君は僕を愛しているのか

創作お題bot(@asama_sousaku)より

『定義、君は僕を愛しているのか』



「僕は君の事が好きだよ。君はどうなんだ?」

放課後の学校帰り。歩いている時に貴女は言ってきた。

「やっぱり貴女は、突拍子も無いことを突然言うね。ここじゃ話しにくいから、そこの公園に行こう?」

私は提案する。貴女は少し考えてから言う。

「...そうだね。公園のベンチにかけて話そうか」

私達は小さな公園に入っていく。あまり遊具の無い公園。滑り台とブランコと砂場が夕焼けに飲まれそうに佇んでいる。二人でベンチに腰かけた。

「それで...さっきの事だけど...」

私はいいよどむ。貴女に手を置かれたからだ。口に。

「今は言わなくていい。いきなりだが『定義、君は僕を愛している』のか?」

...私は面食らう。何その定義。いきなり過ぎるでしょう!?

「...はぁ。君はまた...」

「あっ!また口に出ていた?」

私は口を押さえる。

「口に手を押さえるのが遅すぎるぞ」

それを言わなくていいじゃない...

「...言わなくていいじゃない。それよりも『定義』だったけ?」

貴女はゆっくりとうなずく。

「ああ。そうだ。僕は君の事が好きだ。君どうなんだ?何回も聞いているけれど」

私は...うん。

「私は貴女の事は好きだよ。親友としてだろうけれど」

おそらく...私は貴女の思っているような好きじゃ無いと思う。

「そうだろうね。僕は前々から君の事が好きとは言っているが、君から僕と言うのは聞いた事がないと思っていたからな。同性愛なんてあんまり理解はされていないだろうしね」

...同性愛のくだりは私も同意する。貴女が同性愛だと言うことは私と会って少したった時に聞いたから...

「確かにそうかもね。あのときは私は始め混乱してたよ。いきなり友達と思っていた人に同性愛で、しかも私の事が好きって言われたから。好意は嬉しかったけれど迷っていたから」

私は告白された時に思っていた事を言う。

「そうか...迷っていたんだな。それじゃあ今はどうなんだ?」

...今日はよく質問してくるなぁ...その質問は...

「ねぇ、私に質問してばかりだけど貴女はどうなの?」

逆に質問を吹っ掛けた。

「僕?何回も言っているだろう?君の事が好きだって。愛していると言った方がいいか?」

...へっ?...私の事を好きじゃなくて愛しているの?それだと感情はまた違うものにならないのかな...?

「ねぇ、『愛してる』と『好き』の感情とは違うんじゃないの?」

貴女はどう思っているのかな...?

「ん?そうだね。まだ無理だが結婚とかでも出来たらしたいさ」

...んんん?結婚レベルまで行きますか...

「私は分からないよ。貴女の事は好きだけど恋愛感情としてではないから。今の時点だけど」

...そうなのだ。今の時点では。

「それにしても路線がずれたな。僕と君の会話の主旨は君が僕を愛しているかだろう?」

...まだ言いますか...

「取り敢えず言ったけれど、愛してはいないよ。親友として好き。私の中では今はそれで完結してるよ」

「...そうか。僕はいつか君のことを振り向かせてみるさ。頑張ってしてみるさ」

貴女は私の事を愛している。それに私は答えられるか分からない。

夕焼けは沈み、辺りもだいぶ暗くなってきた。

私は言う。

「もう、暗くなって来たから帰ろう?」

「...そうだな。僕は帰りたくないが仕方ない。帰るか」

貴女はしぶしぶベンチから腰をあげる。

「帰ろう。君も遅くなるぞ」

私も腰をあげる。

「うん。私も帰るよ」

「それじゃあな。また明日」

貴女は手を振る。

「また明日」

貴女は先に帰ってしまった。

貴女は知らないんだろう。公園に冷たい風が、ビュウと吹き込んで私の頬を掠めていった事を。

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