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無言追加
わたしが松田の名前を出したとき
その場が凍り付いた
「えっ?おれ?」
松田が思いもしなかったのだろう
ずっといじっていた携帯から私に目を向けた
「うん」
「お前とうとう目がおかしくなったか」
富永が声をあげて笑った
「そんなにわらうな
まぁ、特に理由はないけどねwww
少し気になっただけ」
「なんだそれ!」
私の答えにみんなが笑っていた
その時には何もなく
下校時刻を迎えた
私は教室に戻り
荷物をまとめて正門に向かった
私は下校しながらその日のLINEをチェックするのが
日課になっていた
この日は先に帰った後輩たちから
たくさんの追加やメッセージが届いていた
その中には、松田の名前もあったのだ
しかし、追加はされているものの
メッセージは無く
俗にいう無言追加だった
でもそんなところが
より私に松田への興味を持たせた
でも、私はその時はメッセージは送らなかった
二人の関係が動いたのは
それから数日経ってからだった