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古びた自転車。
自転車を漕ぐと
キィーコキィーコと
音がなります。
ふと足を止め後ろを振り返ると
そこには何もありません。
私の気配と古びた自転車だけが
ポツリとあるだけです。
ペダルに足をかけ、再び前に進みます。
キィーコキィーコと変わらない音が
田舎の細道に響き渡ります。
キィーコ…キィーコ…
ちょっぴり冷たい風が頬を擦ります。
地面に落ちた紅葉が
冬の気配を教えてくれました。
ああ、そろそろ冬がやって来るのか。
キィーコ…キィーコ…
キィーコ…キィーコ…
早く家につかないかな…。
物持ちはいい方なのですが、そろそろ買い換え時かなぁと思ってる自転車。そう思うと、わずらわしく思ってたキィーコキィーコと言う音が不思議と愛おしく聞こえてきます。