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adventure & daily life  作者: ケー
4/10

ギルド

――――


冒険者たちの主な仕事はダンジョンを調査することである。

そんな冒険者たちをサポートする施設が冒険者ギルドである。

ギルドは冒険者の他にも一般人や国の役人が利用することもある。

しかし、ギルドの依頼を受けることができるのは正規の冒険者のみである。


――――


「よし、改めて作戦会議を行うぞ。

 俺たちがこれから向かうのは、町からそう離れていないダンジョンだ。

 生息するモンスターはほとんどが動物系。

 特に危険なモンスターの報告例は無く、新米冒険者でも比較的攻略しやすい」


「おいおい、作戦会議する必要あんのかよ」


「当たり前だろう。 まずは話を聞け。

 今回討伐依頼されているのは3種類だな。

 ラービット、シザーモンキー、リトルリザードだ。」


「む・・・。 少し厄介だな」


「ああ。 ラービットは見つけやすく、特に気をつけることは無い。

 しかし、シザーモンキーは基本的に高い場所を好む。

 リトルリザードは小さく素早いため、ダンジョン内部での捕獲は困難だ」


「ち、ちょっと待てよ! どうするんだよ!

 厄介なやつが2種もいるじゃねーか!

 確かに危険はねーけど、あまり時間はかけられねーぞ?

 なんせ納期が遅れればその分報酬が減るんだからな!」


「ああ、もちろんわかってるさ。

 そのためにこれから罠を買いに行く。

 丸一日かけて、今日中に討伐するんだ」


「へぇ、大胆な作戦だな」


「まぁな。 たまにはパッと片してザクザク稼ぎたいのさ。

 アドベルだって財布が心元ないんだろう?」


「ハハハ! いいぜ、面白くなってきたな!」


「まっ、稼げるんなら何でもいいさ。

 頼んだぜキリー参謀!」


作戦会議を終えた三人は、ギルドを離れ行商市場へと向かう。

行商市場には朝から張り切って商売を行う者もいれば、つい先ほど腰を据えたばかりの者もいる。

常に顔ぶれは入れ替わり、喧騒は祭りを髣髴させる。


「お前たちは松明を調達してきてくれ。 大量にな。

 俺は罠を見てくる」


「大量に? そんなに買い込んでどうするつもりだ?

 そんなに深いダンジョンでもないんだろ?」


「罠と一緒使うのさ。

 それに今日中に終わらせるつもりだから、ちょっと大胆にな」


「松明は安物でいいのか?」


「ああ、安くて構わない。

 できるだけ多く見て回って、良さそうなところで買ってくれ。

 ぼったくられるのは勘弁だぞ?」


「ああ、ぼったくられるのは勘弁だな、アドベル」


「うるせえ」


「俺の方はそっちより時間がかかると思う。

 買い物が済んだらギルドの待合室にでも待っててくれ」


「罠を揃えるんだったよな?

 ギルドにも商店はあるだろ?」


「行商だと交渉ができるからさ。 ギルドにある商店は小売だからな。

 品物が揃ってる代わりに割高なんだよ」


「しかし、ここの行商では罠も取り扱ってるのか」


「周りにダンジョンが多いからな、需要があるのさ。

 アドベルだって罠を使ってただろ? どこで買ってたんだ」


「買ったというか・・・材料を調達して作ったんだよ。

 欲しい罠はどれも高いから、作ったほうが安く済むしよ」


「お、お前、なんで冒険者やってるんだよ・・・」


二手に分かれて、買い物を開始した。

アドベルとレイは松明。キリーは罠とその他の備品。

市場は町の一角で開催されており、一般客も頻繁に訪れる。

町の商店とは趣の異なる物を揃えているため、物見遊山で訪れる者も多い。

キリーの探している罠も、その一つである。






――――


冒険者ギルドには様々な施設が集っている。

ギルド公認の商店、武具屋、場所によっては鍛冶屋も存在する。

よく利用される施設の中に、食事処と待合室というものがある。

一般の料亭にも引けをとらない食事処は、冒険者だけでなく一般客にも人気がある。

待合室はパーティメンバーを募集する冒険者や、一般客と冒険者の接点としても重宝されている。


――――



「・・・キリーはまだ来てないか」


「まぁこっちは安い松明の調達だけだからな。

 それより、装備の確認しておこうぜ」


冒険者ギルドの中には武具屋があり、自分にあった鎧や武器を購入できる。

新米の冒険者にも手の届く簡素な武器や、上級者でも愛用する物など幅広い。

武器も鎧も持っている二人は、お互いの装備を確認しあった。


「アドベル、お前意外と良い装備してるよな。 どこ産のだ?」


「ああ、ここより結構離れた製鉄が盛んな町でな。

 それでも何度も修理に出してるよ」


「いいねぇ、俺も高級武具が欲しいぜ!

 俺も剣はこだわりを持ってるんだが・・・何本も折っちまっててなぁ。

 出費がかさむんで安物でしのいでるよ」


「それならバスターソードなんかお前に合ってるんじゃねーか?

 目立ちたがり屋だろ?」


「おい、目立ちたがり屋ってなんだよ。

 もちろん考えたさ。 しかし実際にあんなの振り回せるのはヒトには無理さ。

 それこそエルフやらゴーグの武器だろ」


「ハンマーはどうだ? 俺の友人でも使ってるやつがいるぜ」


「見た目がなぁ~。 やっぱり英雄といえばソードだろ!」


「・・・まぁ、好きにすればいいさ」


「よぉ、待たせたな」


「おう、目当ての物は見つかったか?」


「ああ、網目罠、煙球、油、火薬球、他にもあるが、こんなものだな」


「何に使うのかはよくわからんが・・・まぁこれで準備はできたな」


「帰りに死骸を運ぶ事も考えて荷車を借りてきた。

 買ったものも乗せていくぞ」


「お、気が利くね! 馬は?」


「無い」


「なんだよ・・・」


「そんじゃ、さっさと終わらせるとしようぜ!」


「「応っ!」」



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